見出し画像

【特別編】「働き方」論2023〜なぜ事務所にこたつが必要か〜

こんにちは、株式会社ニューモア/想造楽工班長のよりこです!
あっという間に2023年もおしまい。
一年を締めくくる文章が書きたい…と意気込んでいる本日は、ニューモア論の「働き方」についてまとめてみたいと思います。
熱苦しい記事の頻度が高くてちょっぴり恥ずかしいですが、
それもnote!それでこそnote!と開き直って行ってみたいと思います。


株式会社ニューモアの生い立ち

2020年4月に創業した株式会社ニューモアは、八王子に拠点を構える小さな小さなデザイン制作会社です。

おニューなユーモア、でニューモアです。

グラフィックデザインを軸に、店舗装飾などの空間周り、教育や芸術文化に関したイベントなどに取り組んでいて、創業以降はそのほとんどを想造楽工として実施しています。(想造楽工とは、の説明はこちら)

グラフィックデザイン例(東急町田店さま)
空間例(福島県葛尾村)
イベント例(おやこ小学校)

それまで私はフリーランスのデザイナー兼かけ出しの美術作家として、のらりくらりとやっていました。
フリーランスの働き方は、個人的にはとても性に合っていたし、身軽で自由で、気が楽でした。休みも稼働もいつでも設定できる、どこでどう過ごしても誰も困らない、収入が多くても少なくても自分の懐にしか影響がない。
自分ひとりで完結する仕事はなくて、色々な会社に業務委託で関わらせてもらったり、その場その場のチームに加われることは喜びだったし、当時はとても満足していました。

ではなぜ会社をつくることになったかというと、想造楽工をやるにあたってのけじめ、という点につきます。
事業を始めるからには信頼してもらえる体裁に少しでも近づけるべしだと覚悟を決め法人化したのですが、といっても一人体制な以上はフリーの時と何ら変化なく、現副班長のみきっぺがノックをしてくれたことで世界は大きく変わりました。
当初は人様の人生を左右するなんて…と怖さもありましたが、エイヤと扉を開いた日から3年ほど経過!
現在ニューモアのメンバーは総勢16人。
19歳の学生さんから三児のママさんまで、それぞれ大層ナイスな人たちです。

八王子のアジトメンバー

わたしたちの働き方

「楽しい」ってどういう状況か

勤務の形態はさまざまで、役員、社員、業務委託、アルバイト、学生インターンと5種類、さらに社員の中にはフルタイムのほかに短時間正社員(週24〜35時間勤務)があります。現状は短時間正社員の方が多かったりもします。
一人ひとりの状況や考え方を聞いて、仕事内容と照らし合わせて勤務形態を決めているのですが、会社としての残業時間(役員以外ではあるけど)はフルタイムで最大20時間です。

いわゆるホワイト企業にしたいと拘っているわけではないのですが、
「それぞれに合うペースで、楽しく働いてほしい」という気持ちがあります。
楽しく働いてほしいなんぞ経営者として甘すぎ、というお声も飛んで来るかと思います。
実際今まで関わってきた会社さんでは、本当に連日連夜タフな働き方をしている方々をたくさん見てきましたし、スピード感ある成長には相応の詰め込みが必要だとも思います。
自分個人は「働きたい」性格で、そもそもフリーランスにオンオフの見境はほぼ無いし、デザイン業はゴール無しとも言えるので、休日って言葉は辞書にない、くらいの感覚でいたのですが、ただそれはあくまで自分自身に対してのこと。

雇用をする立場になって、ニューモアをどんな会社にしたいのかと懸命に考えた時、
会社を大きくしたい、何かで一番になりたい、世の中をあっと言わせたい、等々どれも微塵もピンとこなくて、
関わる人みんなが楽しく働けるチームにしたい」こと、
「良い仕事をつくりたい」
という2つだけ漠然と、でも強く頭にありました。
大層キレイゴトに聞こえるかもしれませんが、
この「楽しい」は決して=楽ではありません。
楽しいと感じる状況ってつまり居心地が良い証だと思うのですが、
自分の役割を遂行できて初めて、心地良くその場に居ることができる。

言い換えればそこにいる人たちの役割がピタリとハマった時、その空間は「調和している」ってことなんだと思います。
ひとりでも役割がハマっていなくて、場が調和していないと全員どこか居心地が悪い。つまり一人ひとり、役割を全うできる仕事人であることはけっこうシビアに求めています。

会社に限ったことではなく、例えばお芝居の舞台では演じ手、観客、スタッフ、全ての人が欠かせない役割としてそこにいるし、商業施設ではお客さん、店員さん、商品まで全て大事な役割です。役割がはまって調和が循環すると、経済も回ります。
その調和を設計することが自分にとっては大きな意味があって、設計ってつまり「デザイン」。そんな意味を込めてデザインチームと名乗っていたりします。

ちなみに関わる人たちには会社内だけでなく、パートナー施設さん、そこのイラストレーターさんたちも含みます。
みんなという言葉も難しいけど、関わる人の間での調和が広がることで、なんだか心地よい、陽当たりが良い場所が増えていったらいいなと思います。

「全員ちがう」が前提の方がよい

「楽しく働く」には役割以外もうひとつ、「その人のペース」もとても大事なことです。
好きなものや人、コトは当然、ひとりひとり違います。
そしてそこへのお金と時間の使い方だったり、いわゆるライフスタイルってやつは本当に人それぞれ違うもの。そして変化もしていくものなんだと年を重ねるごとに実感し、その「違い」は何より尊重するべきことだと思うようになりました。
(20代の頃つくづく自分の「こうであるべき」を周りに押し付けてきた反省あっての教訓です)

もちろんルールは必要だし、ビジョンやミッションなど軸となる価値観を共有できる人と働くべきことは間違いないのですが、
大前提として「わたしたちは違う」、
だからこそ個々にできることがあって、一緒にできることがある。

そういう姿勢で働きたいし、生きていきたいと今は思っていて、
なので働き方もひとつに決めないようにしています。

余談ですが今年のハイライトのひとつとして、公益財団法人東京都人権啓発センターさんの主催する、人権問題の啓発を目的としたポスターのコンペティションがあったのですが、
そんな考えを込めてチームでコピーとデザインを制作したものを採用していただき、東京都の交通機関や教育機関などにたくさん掲示していただきました。
とてもとても嬉しかったです。

公益財団法人東京都人権啓発センター「令和5年度人権啓発ポスター」

良い仕事とは

誰だって良い仕事がしたいと思っていて、でもそれは一体なんだと考えると難しい。
自分流に今の考えを分解すると、

  1. 納得のいく成果物を生むこと

  2. 関わる人たちが気持ち良くゴールすること

  3. ちゃんとお金が循環すること

です。
1はモノヅクリ集団として、最重要。良いものができたね〜とならなければ何の意味もありません。
2の「気持ちよさ」には色々と含まれるし、意外に難しい。
3もやっぱり大切です。お金持ちになりたいとはこれまでもこの先も思わないし、多分そういう人はニューモアには近づきませんが、「ちゃんと」することが大切です。
どれか一つでも欠けていたらきっと、良い仕事ではないと思っています。

あと、仕事を他者に仕えるのではなく、じぶんごと、自然なこととして「自事」と書いたりする人もいらっしゃいますよね。
素敵な考え方だなと思う一方で、ニューモア的に仕事はやっぱり「仕事」です。
自分のこと限定で言うと、働くことは息をすることとイコールだし完全に自分がしたくてしていることなので「自事」でも良いのですが、
会社としてはあくまで、依頼に応える、超えるものづくりをして、対価をいただく。それは勤務してくれている仲間たちにとっても同様だと思っていて、各々の得意分野で会社に「力を貸してもらっている」という姿勢でいます。
その上でお互いに切磋琢磨して、個々として、チームとしてできることを増やしていけたら、長い人生の中で関わってよかったな、と思えるのかなと。まだまだまだ道半ばではありますが、そんな仕事をつくっていきたいです。

コタツが重要な理由

今、念願叶って我がマイクロ事務所にはコタツがあります。

このコタツという存在を兼ねてから私は大変尊いと思っており。
体をあっためてくれる機能は言わずもがなですが、自然と人と人が近づけて、目線が同じ高さになること、
「あったかい」という幸せを共有できることなどなど、最高のコミュニケーションツールです。

パートナーのみつきくんもコタツ
お惣菜を買ってみんなで昼ごはん
たまに寝ている方も

お昼ご飯をみんなで食べたり、カードゲームをしたり。世代も趣味も違う人たちがひとつのコタツに入る。世界に誇る、素晴らしい発明品だと思いませんか?
コタツが馴染む仕事場はきっと心地よい場所だ!そうしたいと常々思っていて、実現して嬉しさ満点です。コタツで別れ話をするカップルとかいるのだろうか。
縁あった人たちで集まって働くからには、やっぱりのところ、楽しくやりたい。
人に恵まれて、自分にとって2023年はとても心地の良い働き方ができた、良い年でした。

さあ2024!
つべこべと書いてしまいましたが、一年後は180度変わっているかも…いや、それはないかしら。
変わるところと変わらないところを見据えて、健康的に進んでいけたらと思います。
来年も想造楽工をどうぞよろしくお願いいたします。

良いお年を〜〜!

よりこ