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震災から7年 2200万袋の“除染土” 「仮置場」解消の行方

現在、福島県内には放射線量を下げるための除染作業で削り取られた汚染土などの廃棄物フレコンバッグが実に1650万個もあります。そして、それらの袋は当面の措置として県内にある空き地などあわせて1100か所の仮の置き場に散らばって置かれているんです。今後、このフレコンバッグを現在、整備が進められている中間貯蔵施設と呼ばれる場所にまとめて運ぶ計画なのですが、この膨大な量の袋をどう運ぶのか。新たな課題として被災地にのしかかっているのです
(TBS NEWS23 18年3月9日オンエア)

●皆川キャスター
「こちらの仮置き場にはフレコンバッグがずらっと並んでいますけど、この地面に置かれているものは今日トラックに載せられて運ばれるものなんだそうです。ただ見渡してみると、ここには6万もの袋が積み上げられています」

無数に並ぶ、黒い袋・・・。

通称、フレコンバッグです。袋には放射性物質を取り除くために削り取った土や草木などのいわゆる除染廃棄物が入っています。

その袋を、一時的に保管する「仮置き場」は、福島県内におよそ1100ヵ所。家の庭先や校庭などで保管している「現場保管」は13万7000ヶ所に及びます。住民の不安を払拭する上でも生活圏に残る「仮置き場」の解消は急務です。

県内各地に散らばって置かれた大量のフレコンバッグ。それらが今後運び込まれるのが、福島県の大熊町(おおくま まち)と双葉町(ふたば まち)で建設が進められている中間貯蔵施設です。

この中間貯蔵施設には最終的に最大で2200万袋分、東京ドーム18杯分の
フレコンバッグが運びこまれる予定です。

ここは浪江町にある仮置き場。現在、中間貯蔵施設への運び出しが行われています。

ここでは8台のトラックが1日で3往復、160袋を運びます。

袋は、ひとつひとつがデータ管理され、中間貯蔵施設に入るまで情報が共有されているといいます。

ここに残るフレコンバッグは6万袋。1年後には、運び出しを終えたいとしています。

中間貯蔵施設に運ぶことが出来たフレコンバックの量は、この3年間でおよそ70万袋分。しかし環境省では、来年度は1年間で180万袋分、さらに再来年度も400万袋分。倍以上のペースで輸送量を増やしていきたいとしています。

急激に増やされる計画の、除染廃棄物の輸送。しかしこの計画に対して作業現場からはこんな声も聞かれます。

交通事情が考慮されていない、という指摘です。さらに・・・

ダンプカーなどの重い車両が増えることで道路が傷み、補修工事が必要になるのでは、というのです。

また別の観点から環境省の計画が現実的でないと指摘する声もあります。必要な車両やドライバーを確保できるのか、という懸念です。

吉田准教授の試算では、計画を進めるために必要になるダンプの数は2020年までで約1500台から2000台。

また、受け入れ態勢も重要になります。

環境省はこれらの指摘についてどう考えているのでしょうか