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【追跡】過去最多に いじめ認知急増のワケは…

10月26日に発表された、全国の学校がこの1年間に認知したいじめの件数は32万3000件あまり。前の年からおよそ4割、10万件も増えて過去最多となりました。なぜ今回、急激に増えたのでしょうか。(TBS NEWS23 17年10月26日オンエア)

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娘を亡くして、1年2か月が過ぎました。

●葛西りまさんの父親・剛(ごう)さん
「いじめで人の命がなくなるんですよ。同じ思いをする人だけは二度と出てほしくない」

笑顔が印象的な葛西りまさん(当時13)。亡くなる10日前、地元・青森の祭りに参加したときに撮影されたものです。

 「もう無理です。さすがにもう耐えられません」

去年8月、りまさんは、いじめを訴える遺書を残して自ら命を絶ちました。

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いじめ問題が相次ぐ中、文部科学省は10月26日、ある調査結果を公表しました。それは全国の小・中・高校などで認知されたいじめの件数。昨年度は32万3800件あまりと、前の年度から、およそ10万件も増え、過去最多となりました。

また10人の子どもたちが、いじめの問題を抱え、自殺にまで至ってしまったということです。

●文科省の担当者
「全体数が増えている。いまだにいじめで苦しんでいる子どもがこれだけいる。重く受け止めないといけない」

都道府県別に見ると青森県では、いじめの認知件数が前の年の4.4倍と、大幅に増加。沖縄県に次いで全国2番目の増加率となりました。

●葛西りまさんの父・剛さん
「今まで隠れていたいじめがやっとこう表に出てきた。今までどれだけいじめと向き合っていなかったのかよくわかる数字。こんなにたくさんの子どもたちが苦しんでいることに胸が痛くなる」

青森県内では、りまさんが亡くなったのと同じ去年8月にも、中学1年の男子生徒がいじめを示唆するメモを残し、自殺しています。これをきっかけに、これまでの取り組みや調査の甘さが浮き彫りとなり、県内の認知件数が急増。

また、文科省は今回の調査から「けんか」や「ふざけ合い」についてもいじめに繋がる可能性があるとして調査対象に加えたことも増加の背景にあるとしています

●葛西りまさんの父・剛さん
「去年のことがあってからってなると、悔しいっていう気持ちが強くでちゃって。教育現場にどれほど危機感が足りなかった、緊張感がなかったか」

りまさんの父・剛さんは今回の結果を再発防止などの対策につなげて欲しいと話します。