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LGとSK、バッテリー戦争第2ラウンド 和解金3兆vs千億の攻防 -- LGはここでがっつりぶんどらないとヤバい状況

先日、アメリカを舞台にLGとSKがバッテリー技術情報を盗んだというLGの訴えを巡って争っていた結果が出ました。結果としてSKの負け。その技術を使った製品のアメリカへの輸入などが10年間禁止に。

その裁判を受けた第2ラウンドの和解金交渉

SKとしては和解が成立してアメリカにバッテリーを輸出できないとかなりヤバい。既にVWなどにバッテリー供給する契約があるのでSKが輸出できなかったりアメリカ国内生産に支障が出ると様々な影響が出てきます。アメリカ工場は誘致した州知事が大統領に決定の撤回を求めるなど、2社の間の話じゃ済まなくなっています。そのため、いかに和解交渉を進めるか…がカギだったりするわけですが、LGも事情があって簡単には譲れない。

それにしても3兆ウォンと千億ウォンでは30倍の開きですからね。SKの事業規模はよくわかりませんけど、1兆ウォンでも厳しそうな感じ。細かいところは記事の中を読むとして(あまり興味がない(笑))、LGは今、現代自との絡みで相当にヤバいですからね。それもあってここを引くわけにはいかないでしょう。

現代自のEVコナが全量バッテリーの交換リコールがつい最近発表されて、その原因が複合的なものなのかバッテリー単体の問題なのか判明していません。現代自とリコール費用の分担についても交渉中。

現代自は現代自で、リコール発表直前?直後?にタイガー・ウッズの自動車事故報道がありましたから、こちらも下手するとブランドイメージ最悪の結果になる可能性があります。まぁ、状況を見ると個人的には車の欠陥や故障が原因のような気もしますので、これにプラスしてリコールは致命的な事態になりかねません。

実際のところ、トヨタに対するレクサスのような高級別ブランドとして大々的に乗り出したジェネシスのSUVはそれまでも原因不明の急発進や走行中のエンジン停止、出火事故もありました。原因不明なのでエンジンの交換をしても意味がない最悪な状況。そのためリコールはたしかしていない。

エンジンはいまだに三菱自動車から技術供与を受けたGDIだし、独自に改良を加えた新しいエンジンでいろいろなトラブルが発生しているし、EVもバッテリーからの出火事故が続いて何度もリコールを繰り返しダメージがでかい。アップルとの協働もおそらくなくなったかなぁ。

そういうわけで、ジェネシスも現代自ブランドも問題抱えててLGに対してなんとかできる状況じゃない。

あ、それと現代自が新しく出すEVにLGではなくSKのバッテリーが搭載されるのも発表されていますね。量からするとSKよりも中国製のバッテリーの方が多くて、それはそれで韓国の自尊心を傷つける結果になっているし、中国製のバッテリーがシェアを大きく拡大すると直接、影響を受けるのは韓国のバッテリーだったりする。

そういう複雑な状況になっていて、この和解交渉の裏側がどろどろの泥沼で複雑に事情の絡み合っているので、いろんな意味でおもしろい話になっています。

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