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Chapter 5 警察から再び説教

 2008年年12月13日、ヤラー県ヤラー市内の南部国境県のテロ事件のみを取り扱うコマンドセンター。この日、取材申請なしにコマンドセンターに入っていった。顔見知りの女性爆発物処理隊員のスィリネート警察上級曹長に、正式な取材でないことを告げ、敷地内を見て回っていいかと確認する。運動場で警官100人ほどが対テロ訓練を行なっていたので、それを見に行きたかった。彼女は「写真を撮るんだったら許可を得てから。黒いサングラスをかけた人が責任者」と念を押してきた。

 訓練の内容は、バイクや車で攻撃にあった際の反撃方法や建物突入などで、決して強そうには見えなかった。教官の中に黒いサングラスをしたのが4~5人、誰が責任者か分からない。適当に写真を撮っていれば、誰か来るだろう、と思っていたらすぐさま黒いサングラスをした教官がやってきた。許可を取るべき責任者はこの人だったらしい。

 「あそこにいるボスのところに行け」。
彼が責任者と思いきや、そうではなく使い走りの部下だった。指差す方を見ると、融通が効かなそうな人物が1人。やはり黒いサングラスをかけていた。近づいていくと一方的に質問され、あっという間に不審者に仕立て上げられた。データ処理班のところにいって写真を消せということに。

爆発現場を検証するコマンドセンター隊員。ヤラー県ヤハー郡にて。

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