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Chapter 4 地元ムスリムを巻き込んで身柄拘束

 「南部国境県のテロを追ってみよう」。スンガイコーロックでの事件の3カ月後、気合いを入れて列車で再びやってきた。今度はエアコン2等座席だったが、帰りは席が取れずにまたもや苦痛のエアコンなし3等座席に。

 スンガイコーロックの隣にスンガイパーディーという町がある。このころ、マレー系分離独立派組織はイラクのイスラム過激派の影響を受けてか、仏教徒住民を殺害・斬首するといった凶悪テロに走っていた。特にスンガイパーディーに行きたかったわけではないのだが、何かが実際に起きなければ何も取材にならないのがテロ。2004年6月25日、暇を持て余してついついスンガイコーロックの旦那に頼み込みバイクで連れて行ってもらうことになった。鉄道ならスンガイコーロックの隣駅がスンガイパーディーで、すぐそこといった感覚なのだが、列車本数があまりに少ない。旦那運転のバイクの後ろに乗って林が続く道路を30分。列車よりちょっと時間がかかったぐらいでスンガイパーディーに着いた。


落ち着いた町並みのスンガイパーディー

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