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【佐々木紀彦】「スマホ×本」が最強のメディアである。 #NewsPicksアカデミアレター

こんにちは、NewsPicksの佐々木紀彦です。
これからの時代は、ますますスマホが中心になることは間違いありません。

では、紙はどうなるのでしょうか?このまま減り続けていくのでしょうか?

そんな問いに、私の中である程度答えが出てきました。簡単に言うと、「紙の中でも、新聞と雑誌はスマホに侵食されて減り続ける。ただし、紙の本はスマホと共存する」ということです。

その理由は3つあります。

ひとつ目に、本はスマホと対極のメディアであるということです。

スマホはコンテンツが短く、画面が小さい。短いニュース記事や、メッセージをやりとりするのには向いていますが、じっくり読み込んだり、深く考えたりするのにはあまり向いていません。プッシュ通知などが頻繁に届くため、気が散りやすいのです。

それに対して、本はコンテンツが長く、インターフェイスが広い。集中して物語や論考にのめり込み、著者とバーチャルに対話することができます。とくに、ゆっくり時間がとりやすい休日などは、スマホより本に親しんだほうが豊かな時間を過ごしやすい。

2つ目は、利便性です。

もちろん、検索や、大量の本の持ち歩きや、自宅の書棚スペース削減を考えると、スマホやキンドルで電子書籍を楽しむのは便利です。しかし、そんなに大量の本を持ち歩きたい人は稀ですし(出張の多い人ぐらい)、書棚で家のスペースが圧迫されるほどの読書家も稀でしょう。

すなわち、大半の人にとっては、どこにも持ち歩けて、一覧性があって、書き込みもしやすくて、デザイン性も優れている、モノとしての紙の本は便利なのです。しかも、紙の本の方が、電子のほうよりも、内容が記憶に残りやすいという研究結果もあります。知識の吸収という点でも、利便性が高いのです。

3つ目は、なんともいえぬ、モノとしての魅力です。

紙の本には、単なる理屈を超えた、思い出やインテリアやアートとしての愛おしさがあります。古くなると単純に価値が落ちるわけでもなく、古本だからこその味も出てきます。骨董品を集めるようなエクスタシーがあるのです。

私がとくに紙好きであることもあるかもしれませんが、電子書籍にはどうも惹かれないのです(「佐々木さんはてっきり電子ばかりかと思った」とよく言われるのですが...)。

これからもスマホと紙の本は、競合関係とはならず、むしろ補完関係となるはずです。「スマホ×本」を組み合わせてうまく活用できる人こそが、ビジネスなどあらゆるシーンでリーダーとなっていくはずです。

ノスタルジーにひたっているわけではなく、私は、紙の本というメディア、そして、紙の本のワンダーランドである書店という空間に大きな可能性を感じています。今後も本を愛する本大好き人間として、本の持つ新たなポテンシャルを探っていきたいと思います。

2018.10.12
佐々木 紀彦

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