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【三浦堅右】ユーザー体験を追求するソフトウェア開発の10のプロセス #NewsPicksアカデミアレター

NewsPicksアカデミアの開発を担当している三浦です。

今回は一般的にどのようにソフトウェア開発が行われているのか、そのプロセスを紹介したいと思います。
ここで紹介されているプロセスすべてをアカデミア開発チームが実践している訳ではないのですが、ユーザー体験を優先して開発するためにとるべきプロセスの一例としてお読みいただければ幸いです。

UXデザインプロセス

ユーザーが製品やサービスを通して享受する価値の最大化を目的とし、ユーザー体験の設計を行うプロセスです。

1. 調査・分析
調査対象者を「リードユーザー法」、「エクストリームユーザー法」などで決定し、「インタビュー」、「アンケート」、「エスノグラフィ」等を通して、ユーザーの製品・サービスの利用状況を調査します。

さらに調査内容を元に「ペルソナ」や「ジャーニーマップ(AS-IS)」などを用いてユーザーをモデリングし、「KA法」や「上位下位分析」などによってユーザー体験の価値をモデリングします。

2. コンセプトデザイン
作成したモデルを軸に「アイディアソン」などで発散的にアイディアを出し、「UXコンセプトツリー」などでアイディアを整理・抽象化して収束させ、コンセプトを作成します。
また、ここで「ビジネスモデルキャンバス」や「バリュープロポジションキャンバス」などを用いてビジネス要求との整合性をとります。

そして、「UXDコンセプトシート」、「ストーリーボード」などを通してユーザー体験を具体化します。

3. プロトタイプ
「コンセプトテスト」で作成したコンセプトの検証を行い、コンセプトを決定した上でプロトタイプを作成します。
作成するプロトタイプは「スケッチ」、「ペーパープロトタイプ」、「ワイヤーフレーム」、「モックアップ」などです。

4. 評価
実物に近いレベルでのプロトタイプでユーザー体験の評価(「UX評価」)を行います。評価はUXメトリクスを用いて定量的に行います。

5. 制作・運用指針作成
評価を終えてつくるべきものが明確になった段階で、その後の開発や運用の指針となるガイドラインや測定すべき指標などを決定します。

ソフトウェア開発プロセス

設計したユーザー体験を実際のソフトウェアに落とし込み、世に出すためのプロセスです。

6. UIデザイン
プロトタイプ作成である程度固まったUIデザインを確定し、必要な素材などを制作します。

7. 要件定義・設計
UXデザインプロセスの成果物をもとに、ソフトウェアを開発する観点で要件を整理し、UMLなどによりドメインモデル(「ドメイン駆動設計」)などのモデルを作成します。
内容は「mini spec」や「design doc」などのフォーマットでまとめます。

8. 実装
プログラミングしてソフトウェアの実装を行います。アカデミアの場合、iOSアプリは「swift」、Androidアプリやウェブアプリは「kotlin」というプログラミング言語を使用しています。担当者自身が実装したものに不具合がないか確認する「単体テスト」も実装に含みます。

9. テスト
テストケースやシナリオを作成し、「結合テスト」や「シナリオテスト」で実装したものに不具合がないか統合的に検証します。

10. リリース
スマホアプリであればストアにアプリをアップロードして申請・公開し、ウェブアプリであればサーバにアプリを配布(「デプロイ」)します。

上記プロセスは、成果物の質をよりよくするため、必要に応じて後戻りし、修正を重ねていきます。
また、プロジェクト管理の手法として「スクラム」などが使われます。

今回紹介したプロセスの中で、「ペルソナ」や「ジャーニーマップ」などのようにどこかで見たり元々知っていた手法やフレームワークなどがあったのではないかと思います。
それらは局所的に使うより、開発プロセスを通して統合的にうまく使うのが効果の最大化に貢献してくれるのではないかと考えています。

2018.09.21
三浦 堅右

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