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kestrels

 最近始めた『アーチャー伝説』の話をしたいなと思ったので、友人がスポティファイにアップしていたラジオ(仮)を聞きながら書いてみます。はい。

 『アーチャー伝説』は、スマホを買い与えられた人間が一度は通る道であるらしく、僕の友人のほとんどがその名を知っていた。ちなみに僕はやったことがなかった。その手の広告も見たことなかった。名前すら知らなかった。
 春に中学の同級生と中国に旅行に行ったとき、友人のひとりから(これからNと呼称する)、「待ち時間に君はこれをやってくれたまえ」みたいなことを言われ、スマホを差し出された。それが、『アーチャー伝説』で、Nがクリアできなかったステージをやれと半ば強制されたのだった。

 ここでいう、中国というのは、中国地方のことで、この頃、ある人の影響を受けてチャイナのことを『シナ』と呼んでいるんだぞ☆

 『アーチャー伝説』は、敵が放つ謎の光線だったり、放り投げてくる爆弾だったりから逃げたり、大きな剣を持った骸骨から逃げたりしながら、敵に攻撃を加えて倒していくゲームである。Nはなかなかに熟練で、ステージがかなり進んでいたため敵がかなり強く、初心者の僕なんかではまったく敵を倒せなかったわけだが、ひゅんひゅん飛んでくる敵からの攻撃を逃れ、ばんばんやって敵を倒していくのが存外楽しかった。ぶっちゃけ。これはたしかに皆が通る道なのだろう。納得した。

 スマホゲームを楽しんでいる僕の様子を見て、Nは「君は旅行から帰ったらダウンロードしてるね」と言った。そのとき僕はスマホにゲームが入っていない自分に酔っていたところがあったものだから、「いやー入れないでしょう」なんて言ったのだが、旅行から帰ってきてから二日くらい経ったあたりで『アーチャー伝説』のことを思い出し、プレイし始めたのだった。あの爽快な感覚を忘れることができなかったのだ。誘惑に負けた。
 ゲームを始めて少し経ったあたりで、オンラインゲームでよくある『ギルド』みたいなものを見つけ(アーチャー伝説ではクランと言う名前だったが)、仲の良い友人たちとギルド作りたいなーと思ったので、Nに「どこかクラン入ってる?」と訊いてみたところ、彼は「入ってない」と言うので、Nを誘ってギルドを作ってみた。

 ここで友人のラジオを二つ聞き終えたので、ラジオを聞くのをやめ、伊澤一葉先生のアルバム『アーパスのアトリエ』を聴き始めた。別にラジオがつまらなかったわけではないのですよ。友人のラジオはひとつあたり二十分程度で、二つ聴いたということは、ここまで書くのに僕は四十分以上の時間を費やしていたことに気づき、これはかつてないほどにスローペースだぞと思い、執筆に集中しようと思ったからです。
 ラジオ面白かったですよ。また聞きますね(笑)

 僕は早速ギルドを設立し、Nを誘ってみたのだったが、Nがギルドに入った瞬間に僕は思わず吹き出した。
 なぜならNのプレイヤー名が、本名そのままだったから。名字も名前も、そのまんま。
 さすがにびっくりしましたよ。僕はこの手のゲームをやるときの名前は、だいたい一つに決まっているのだが、無論本名は使っていない。妖怪ウォッチで本名使わない方が良いよと友人に言われてから、僕はプレイヤー名のところに本名は使わないようになっていた。
 しかしNは、ありのままをさらけ出し、その鍛え上げられたスキルを駆使して敵を蹂躙していた。もはやかっこいい。さすが先輩。一生着いて行きます。

 さあ、ギルドのメンバーはふたりになったのだったが、本来五人くらいはいないとギルドとして成立させることが難しかったから、メンバー不足に悩むこととなった。

 そこで、高校の友人で、暇そうな友人に、ピンポイントで『アーチャー伝説』一緒にやらないかと誘ったところ、「それ二ヶ月前までやってた」と言われ、僕は必死になって復帰するようにお願いした(これからTと呼称する)。そして同じクランに入るようにお願いした。そのときのTの返事は、「考えとくわw」だった。手応えなしだった。

 僕とNは、高校が同じであったため、新しく僕が誘った友人TはNと知り合いであり、元クラスメイトであり、友人であるわけなのだが、Tと麻雀をしているときに、また『アーチャー伝説』の話になり、今やっているイベント楽しいんだよねと言ったら、Tは「それ好きだったイベントだわ」と言って、そのときに『アーチャー伝説』に復帰してくれたのだった。
 麻雀はオンラインでやっていて、大抵そのときは通話しながらやるのだが、そのときに、プレイヤー名に本名をそのまま入れているNの話をしたら、僕らのギルドの名前をそのまま検索ボックスに入力してくれれば一発でギルドに参加できるものを、Tは面白がって、ギルドを検索する初期の画面に出てくる、ランダムにギルド名が羅列されたところから僕らのギルドを見つけ出し、Nの奇行を目撃しようと試みたのだった。

 あーみんなアホ。
 僕の友達みんなアホ。

 大量に存在するギルドの中から、ひとつのギルドを見つけ出すことは不可能に等しいであろうから、僕はいくつかヒントを出した。ひとつは、メンバーがふたりであること。そしてもうひとつは、ギルドのマークに鳥のデザインを使っていること。このふたつのヒントからTは僕らのギルドを当てようとしたのだが、これは、奇行を見たいがためにやり出した奇行であった。十五分、三十分経ってもTは諦めずに探し続け、一時間経過した。僕はすでに飽きていたため、少しずつヒントの数を増やしていたのだが、一時間が経ってからさらに十五分ほどしたあたりで、「これか⁈」というTの歓喜が聞こえてきた。
 Tはついにやり遂げたのだった。そして、ギルドメンバーから、Nの本名を見つけ、声高らかに笑ったのだった。

 くだらねえ。

 ついに、Tは僕らのギルドに参加し、メンバーは三人になった。
 そしてなんやかんやあって、スポティファイにラジオをアップしている友人も加わり、メンバーは四人になった。

 歓喜!
 FREUDE!

 みなさん一緒に『アーチャー伝説』やりませんか。女子大歓迎ですよ。女子大、歓迎ではなく、女子、大歓迎です。くだらないこと思いついたので、書いておきたくなってしまいました。
 そしてみなさん、僕の友人のラジオ聞いてみてください。面白いですよ。等身大大学生のこじらせトーク、とくとお楽しみあれ。

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