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[レポート]公開企画発表会を開催しました ニュートラの学校実践編 in愛知

2023年11月から開催していてた連続講座「ニュートラの学校 実践編 in愛知」。ものづくりを通して地域にある拠点をひらき多様な人たちをつなげながら、新しい視点でものづくりや地域の価値をたかめることができる力をつけることをめざすしてきました。15名の参加者は、地域やものづくりのニーズを読み込むリサーチの方法を実践的に学んできました。そのうえで、自ら課題を分析し、多様な人が関わることのできるプログラムを構想しました。

2024年1月14日(日)には、これらの企画を一般公開で発表する会をおこないました。発表に対しては、福祉、デザイン、ミュージアムのプログラムの実践者の方々に講評をしていただきました。
以下、13組15名の企画の題とごく簡単な内容をご紹介します。

1.岩垂理沙
HITOTOKI
重症心身障害児の、衣装〜撮影〜アルバムまでフルオーダーの写真撮影

2.水野久子
もっと笑って、もっと楽しく、ふくしをひらこう。ふくしのトビラ
福祉事業所とクリエイターが繋がっていくためのプラットホームプロジェクト

3.菅原春香
福祉職のためのデザイン入門講座
福祉施設の現場の人がデザインの活用方などを具体的に知れる講座

4.竹之下舞・山口久美・山﨑慎也(つむぐ学舎こづかやまlaboratory)
つむぐモノづくり シリーズ #1 だって、木工センターなんだもん
福祉施設に家具木工所があるからできる商品づくり

5.山根麻子(チーム宝箱)
これまでの活動、そして今後にむけて
岐阜県の障害者福祉施設における創造的活動を、より社会につなげたい

6.中野温子(デザイナー)
proyect HUAYÑO わたしのいつものごはん
ボリビアで展開する障害児童福祉プロジェクト

7.田島壮太
『食』を中心としたかじまの交差点 ードーナツから広がる人の"えん"ー
福祉施設併設カフェの目玉商品開発や、それによる地域とのつながりづくり

8.不死原江里
くるくるつむぐいととおりのワークショップ
飛騨の養蚕文化を知って感じる、ものづくり体験講座

9.加藤裕子(南生協よってって横丁メンタルクリニックみなみ)
藍で人と人をつなげ、そして健康づくり!! 藍愛プロジェクト
藍栽培から心身健康なコミュニティ形成や商品化をめざす

藍の葉のお茶を試飲する会場のみなさん

10.森村佳浩
淡路島のものづくりから学ぶサーキュラーシステム
土壁づくりワークショップなどの体験プログラム

11.渥美勉(近江八幡市地域おこし協力隊 / デザイナー)
Yoshi GATE WAY Art Project in BIWAKO ビエンナーレ2024
近江八幡市で伝統的に活用される植物「ヨシ」の活用

12.長友紀子(中学校美術科教諭)
こわすをつなぐ
金継に着想をえた、修復をキーワードとするコミュニティづくり

13.森佐知子(合同会社プラネット)
わら細工ワークショップ わら細工を通して農と福祉、地域がつながり、世代を超えた輪が広がる

* * *
おわりに、約2ヶ月にわたった企画づくり体験のへ感想や、今後の実際的な展開に対する思いなどを交換しあいました。以下に、発表会を会場で見届けたアドバイザーたちのコメントを一部ご紹介します。

浅野翔さん(デザインリサーチャー)
印象的だったのは、みなさんの企画のなかに、テーマとした素材や環境を遡っていくことで、内容に広がりが生まれるケースがあったこと。更に、どんな人をどの段階で巻き込めるか、かかわりしろを検討しながら企画を深めてほしい
井上愛さん(NPO法人motif理事長)
個人的には、「誰のよろこびになるか」「歴史を紐解くほうにこだわりすぎていないか」といったことに、葛藤しながら福祉施設でのものづくりを続けている。みなさんの今後を楽しみにしています。
岩城鮎美さん(多治見市美濃焼ミュージアム学芸員)
焼き物の歴史にてらしても、いつの時点で何が伝統になるかはわからない。周囲の理解はなかなか得られない。いずれ伝統になるかもしれないことに今立ち会っているというふうに考え、継続してほしい
高橋孝治さん(デザイナー)
どこにでもある福祉施設が地域との関わり方をくふうし、アートではなく「作業」に着目した新しいものづくりをすることが大事と考え、自分でも試みている。ぜひみなさんも長い目で関わってほしい。新しく飛び込んでくる人が現れる環境にしたい
水上明彦さん(さふらん生活園園長)
福祉施設の利用者さん、スタッフ、地域の方、そして自分も含めて、いかに喜ぶか、楽しいかどうかというのを発想のエンジンにしたいなと思っている。今回は、皆さんの楽しさが伝わってきたので本当に嬉しかった

※6名の当企画アドバイザーのうち、佐藤一信さん(愛知県陶磁美術館館長)は欠席されました

みなさん、おつかれさまでした。

記念の集合写真

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写真:岡松愛子

事業名「ニュートラの学校:福祉と伝統工芸をつなぐ人材育成と仕組みづくり」(文化庁「令和5年度障害者等による文化芸術活動推進事業」)
主催:文化庁、一般財団法人たんぽぽの家


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