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絵コンテはコロコロと姿を変える

絵コンテって聞いたことありますか?
映画など、撮影のための設計図のようなイラストを指します。
例えば冒頭のようなものですね。

僕は普段、映像のディレクターとして仕事をしているので、カメラを回すよりも、絵コンテを描いてる方が多いかもしれません。

自分が監督するときはもちろん、動画の提案をするときなどに絵コンテを使っています。さて、冒頭でお見せした絵コンテ、実はある監督に頼まれて描いたものなんです。つまり、その監督が使いやすいことを念頭に、丁寧に描いたもの。そう、絵コンテって、見せる相手によってコロコロと姿を変えるものなんです。

皆さんも、文字を書くとき、状況に合わせて書き方を変えますよね。履歴書の文字は丁寧に書くとか、自分用メモなら付箋にボールペンで殴り書きとか、なかには手紙を書くなら毛筆で、なんて人もいるかもしれません。

どんな書き方をするか、どんな筆記具を使うかというのは、相手にどう見せたいか、どう伝えたいか、に関係します。これまで描いてきた自分の絵コンテを振り返ると、それぞれの見せた相手のことを思い出します。

いくつか実際の絵コンテを、目的別にご紹介しましょう。

人を口説くときに

このときは、時代劇の合戦シーンを撮ろうとしていて、殺陣をやっているエキストラが20人くらい必要でした。ようやくお願いできそうな団体を見つけたものの、彼らは映画の撮影のことが全くイメージできない。

そこで、どんな映像を撮りたいのか、をできる限り丁寧に描いたのがこちらの絵コンテです。

また、参加する人たちがやる気が出るような絵を目指しました。ちなみに描くのに時間がかかるので、映画全部ではなく、殺陣のシーンのみ絵コンテにしています。

ちなみに描くのに時間がかかるので、映画全部ではなく、殺陣のシーンのみ絵コンテにしています。

イメージボード

「人を口説くとき」の続きです。このときはちょっと大掛かりな撮影になったので、主役の役者さんたちの事務所に提出するために、色もつけた数枚の絵コンテ(イメージボードとも呼ばれる)を描きました。

ただ企画書やシナリオを出すだけに比べて、「しっかり準備している」感じが伝わったと思っています。

提案

これはここ数年よく描くようになった、ビジネス系の動画の提案用絵コンテです。提案する相手企業の方は、映像に詳しくありません。そのため、文字でいくら説明しても、頭の中のイメージは共有するのが難しい。

そのため、できる限りリアルな映像に近いものを描くようにしています。実際に、相手の事務所の中や、周辺の様子をチェック(ロケハン)してきた上で描いています。

映像の設計図

まるで製図か設計図のような絵コンテです。人の配置、カメラアングルを、絵というより図でまとめています。

個人的には、このタイプが一番好きです。カメラマンとロジカルに、建設的に議論ができるからですね。

そして事前にここまで話し合っておけば、撮影当日、僕は役者の演出だけに専念できる、というわけなんです。

自分メモ

シナリオを読みながら、ちょこちょことメモする、という感じの絵コンテです。絵コンテメモ、と呼んだ方がいいかもしれませんね。絵コンテメモ、と呼んだ方がいいかもしれませんね。

ただ、自分の頭に浮かんだことを記録するような感じで描き込んでいきます。

以上、いくつかのパターンをお見せしました。
絵コンテに対してどう感じたでしょうか。

こうしてみると、「絵コンテを描く」という行為そのものも、演出の一部なのかもしれませんね。

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オリカワシュウイチ
映像クリエイター/絵コンテコーチ

初心者の映画制作をサポートする活動を全国で続ける。埼玉在住。
仲間ゼロ・カメラ1台から映画作りをスタートし『映画工房カルフのように( http://karufu.net/ )』を立ち上げ、セミナーやワークショップを通して、これまで1000人以上に映画作りをアドバイスする。スタローンに生で会ったことのある広島県人。
著書に『事例で学ぶ1分間PR動画ラクラク作成ハンドブック』(ペンコム)がある。
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