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萩の幕末から明治の歴史がリアルに体験できる。「萩・明倫学舎」2号館。

<【萩・明倫学舎】レポート3>
2015年世界文化遺産に登録された「明治日本の産業革命遺産」や、日本でも有数の収集家である小川忠文氏から萩市に寄贈された幕末維新期の歴史・科学技術史の実物資料が展示されている2号館。ガイドさんに案内していただき展示を見学しましたが、他では見ることができない初めて見る展示物に驚くばかりでした。


■萩・明倫学舎 2号館 全体図

■世界遺産ビジターセンター 〔2号館 東側 1・2階〕

「長州ファイブ」の5人。(左上)遠藤 謹助 (中央)井上 勝 (右上)伊藤 博文 (左下)井上 馨 (右下)山尾 庸三

「長州ファイブ」は日本を近代化に導いた伊藤博文いとうひろぶみ井上馨いのうえかおる井上勝いのうえまさる山尾庸三やまおようぞう遠藤謹助えんどうきんすけの5人の若者のことを指した言葉です。日本が欧米列強による植民地化の危機にあった幕末期において、彼らは吉田松陰の意思を引き継ぎイギリスに密航留学を成し遂げました。

2015年に世界遺産に登録された「明治日本の産業革命遺産」について、パネルなどを用いて紹介しています。ここでは萩にある「萩反射炉」「恵美須ヶ鼻造船所跡」「大板山たたら製鉄遺跡」「萩城下町」「松下村塾」の5遺産についての位置づけや、長洲ファイブが近代化において果たした役割などを学ぶことができます。

また、吉田松陰が主宰した「松下村塾」もセットで再現。アニメーション映像を通じて、松陰が行った「工学教育」に関して理解を深められます。また、大板山たたら製鉄遺跡を紹介するコーナーも設けられており、伝統的な製鉄技術である「足踏み式ふいご」も体験可能です。
「明治日本の産業革命遺産」の全体像をシアターで学ぶことができます。

■幕末ミュージアム(小川コレクション) 〔2号館 西側 1・2階〕

幕末維新期の軍装品

幕末ミュージアム(小川コレクション)では、日本でも有数の収集家として知られる小川忠史氏より萩市に寄贈された江戸時代の歴史・科学技術6,000点を超える資料のうち、特に歴史的価値の高い実物資料が約620点展示されています。

中でも幕末維新期の軍装品を展示したコーナーでは韮山笠や陣笠、頭巾などがそこかしこに展示されています。時代劇や書籍で見たことがある鉄砲の実物が何十挺も展示されている様子はとても見応えがあり、歴史をリアルに感じることができます。

また、幕末ミュージアムではテーマごとに資料が分類されており、従来史実で語られてきたことに沿って器物の歴史に触れられるようになっています。資料の貴重さはもちろんのこと、展示数においても日本屈指のスケールといえます。

小川忠文氏から萩市に寄贈されたいわゆる「小川コレクション」は、江戸時代後期の科学技術史(軍事・天文・測量・医学)及び歴史に関する膨大な資料群である。器物と文献の両面から、わが国における科学技術の黎明を通観することができる。日本が明治以降、世界から「19世紀後半の奇跡」と賞賛された急速な近代化を理解するうえで、これほど優れたテキストは他にないであろう。萩反射炉や大板山たたら製鉄遺跡など萩の5つの資産が「明治日本の産業革命遺産」として世界文化遺産に登録された今、まさに時宜を得た展示といえるのではないだろうか。 

国立科学博物館産業技術史資料情報センター
センター長 鈴木 一義

長州軍が使用していた銃

(2号館を見学して)
私たちはガイドさんの案内で2号館を約2時間で見学しましたが、展示をじっくり見るには少し時間が足りないと思いました。事前に何が展示してあるのか予習してから見学すると、より理解が深まると思いました。
個人的には幕末ミュージアムの、その当時に実際に使われていた物の展示が印象的でした。
長州ファイブの5名について、吉田松陰先生について、その頃の日本について、あらためて学習したいと思った2号館の展示でした。

今回、萩・明倫学舎を見学するのあたって、萩・明倫学舎推進課 上田様に施設の案内などご協力いただきました。お忙しいところありがとうございました。
また萩市役所の商工観光部 企業誘致推進課の皆さまにもお世話になりました。ありがとうございました。


萩・明倫学舎 公式サイト
「萩・明倫学舎」 山口県萩市江向602番地(萩市役所前)


萩市 公式サイト
「萩市 市役所」 山口県萩市大字江向510番地


■萩市へのアクセスはこちら(萩市観光協会公式サイト)をご覧ください

→本館のレポートはこちら
→4号館・3号館のレポートはこちら

(資料・画像提供 萩・明倫学舎)