ニューヨークは出会いであふれている。自分が誰かと出会うだけでなく、人と人との出会いの瞬間にも毎日立ち会える。

ある日メトロに乗っていると、向かいの席に座った男性が車内でパソコンを開き、作業をはじめた。

それを隣の男性がとても興味深気に眺め、「それはなんですか？」という質問からふたりの会話が始まった。

質問された男性は驚くでもなく、質問に丁寧に答えていた。5駅分くらい話し、彼らは固い握手でその場を後にした。

ある日MoMAに行ったときのこと。大好きなモネの睡蓮の前でぼけーっとしていると、それぞれ一人で来たらしい男女が、わたしの隣で会話を始めた。

アートについての話から始まり、趣味の話や自分自身の話に発展し、かなりいい雰囲気だった。

電車内の彼らは、もしかしたらここからビジネスの話が展開するのかもしれないな。

MoMAで出会った彼らは、もしかしたら恋人同士になるのかも。

そんな風に想像するだけで、楽しくなってくる。

ニューヨーカーはいつでも心がオープンだ。

突然話かけられるのに慣れているということもあるだろうが、作業中にいきなり話しかけられても、パソコンを横からじろじろ眺められても、嫌な顔ひとつせず、優しく質問に答える。

ひとりのアート観賞の時間を邪魔されたなんてまったく思わず、話しかけてくれた相手に真摯に接する。

心をオープンにしている彼らには、たくさんの出会いが舞い込んでくるのだ。

わたしは自分から話しかけることはあまりしないけれど、心をオープンにしているおかげか、いろんな人から話しかけてもらえる。

声をかけられるときは決まって、楽しく過ごしているときだ。ニューヨークっていいな、おもしろすぎる、最高だなと思いながら街を歩いていると話しかけられることが多い。

もしもニューヨークで出会いを求めるなら、見るものすべてを面白がり、楽しみながら過ごしてみてほしい。そうすればたくさんの出会いが舞い込んでくる。

でもそれはニューヨークだけでなく、世界のどこでもいえること。オープンな心で楽しむ人のところに人は集まる。

その中でもニューヨーは圧倒的に、出会いの数が多い街。

出会いを求める人はみなオープンな心と楽しむ気持ちを持ってニューヨークに来てみてほしい。