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悪いと思うところは、裏返してみるといいところ。

先日Twitterである方から、

「高木さんの言葉はいつも悲観的に終わるんじゃなく前向きに終わるとこが素敵だと思います。"これだから日本人はダメなんだ"系の記事が多い中でとても前向きで、それでいて押し付けがましく無くてスッと心に入ってきます」といううれしい言葉をもらった。


わたしも昔は、「だから日本人はダメだよなあ」と思っていた。


思ったことは口に出さないこと。空気を読みすぎることろ。イヤなことをはっきりイヤといえないところ。

そういうところが海外と比べて窮屈に感じ、「もっと海外みたいにオープンに、自分の言いたいことを言えばいいのに」

「人の顔色を見て発言したり、気を遣って疲れてしまうなんてバカみたい」

と思っていた。


でも海外で過ごす時間が長くなるにつれて、日本に対する見方が変わってきた。

わたしが今まで「日本のここがダメ」と思っていたことが、実はそっくりそのまま、日本のいいところだということに気づいたのだ。


思ったことを直接口に出さず、言葉を選んで伝えることで、余計な衝突をしなくてすむ。

空気を読むことでみんなが快適に過ごすことができる。

気を遣って疲れてしまうのはよくないけれど、それは気配りができるということでもある。


そういった日本人の性質のおかげで、わたしは今まで日本で快適に不自由なく暮らすことができていたのだということに、海外経験を通じて気付かされたのだった。



ニューヨーカーに「ここの人たちはみんな言いたいことを口に出すからいいよね」と言ったら、「僕はそうは思わない。そのせいで何人もの人が殺されているから」と言った。

オーストラリア人は「みんなが思ったことを口にしすぎるせいでケンカが多い」と言った。

スペインでは空気を(というか常識を?)読まない人たちに列を堂々と横入りされたこともあるし、アメリカでは学生寮のルームメートが、静かに過ごしたい子を無視して毎晩お祭り騒ぎをしているのも見てきた。


もちろんそういったことが日本にないわけじゃないけれど、きっと少ないはずだ。世界の中でも、もっとも少ない国に入るんじゃないかと思う。



悪いと思うところは、裏返してみるといいところ。

いいと思うところは、実は悪いところだったりもする。


わたしは日本のことがいま大好きで、日本以外で(長く)暮らしていくのは自分にはありえないなあと思っている。

だから日本のことを悪く言いたくないし、言おうとも思わない。なぜならオーストラリアから帰ってきたときの「日本さいこおおおお!!!キャッホーーーーー!!!!」という気持ちを、今も鮮明に覚えているからだ。


いいところを見るのか、悪いところを見るのか。

結局はそれだけの違いなんだと思う。

どうせならいいところを見よう。その方が自分が幸せに過ごせるから。


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