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概念に縛られず、ジャンルに固定されず、ただ自分という人間を表現すればいい。

ニューヨークで日本人ダンサーの女の子と仲良くなった。


日本で働きながらダンスをしていた彼女は、ダンスの道を目指すためニューヨークに3ヶ月の期限つきでダンス留学に来た。


日本にいた頃の彼女は、仕事とダンスを両立させながらも、どこか「中途半端な自分」が嫌だったと言っていた。


いつかはダンスで食べていきたいと思いつつ、仕事との兼ね合いで時間的にも精神的にも全力を傾けられない自分。

いまいち「これ!」というジャンルがなく、はっきり「◯◯ダンスやってます!」と胸を張って言えない自分。


そんな中途半端な自分が嫌で、ずっともやもやしていたそうだ。





そんな彼女がニューヨークで目にしたのは、ジャンルにとらわれず、自分の「好きなもの」を大切にして踊る人たちだった。


日本にいる頃は、「ヒップホップやってます!」「わたしはこのジャンルでトップを目指してます!」と堂々と言うことがいいことだと思っていたし、そういう風潮だった。

だからこそハッキリと決められず、堂々と言えないことに負い目を感じていた。

けれどニューヨークでダンスレッスンを受けるうち、ジャンルに縛られず、好きなものは好き。それでいいんだと気づいたのだそう。


たとえばヒップホップひとつとっても、男性らしいもの、女性らしいもの、ゴリゴリなもの、セクシーなもの、様々ある。

その中で自分の得意なもの、苦手なもの、好きなもの、やりたいと思わないものがある。

それでいいじゃないかと。

「このジャンル!」と言えなくても、「こういう感じが好き」「こういう感じが踊ってて楽しいししっくりくる」。それでいいじゃないかと思えたのだそう。


概念に縛られず、ジャンルに固定されず、ただ自分という人間を表現すればいい。自分の感性に従えばいいいのだと思えて、すごく楽になったと言っていた。


ニューヨークに来て2ヶ月ほど経った彼女は今、とても輝いている。



ニューヨークでは、ダンスは技術よりも自分の情熱や想いをどう表現するかが大事なのだそうだ。

それはニューヨークで暮らす人たちの行き方にも通じる。

ジャンル、概念、形、枠、型、ルールにとらわれず、ただ自分の心地良いと感じたことをして、自分の生きたいように生きる。


シンプルなことだ。


シンプルなことは大抵難しい。けれどきっとニューヨークの人たちにできているなら、わたしたちにもできるはずだ。


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