年齢を重ねると、自分にとって必要なものとそうではないものがわかって来る。すると必要でないものを取り除いて、必要なもの、大切なものだけを大切にしながら生きることができる。

それはとても身軽で、楽な生き方だ。

エアーズロックなどを回りながら、オーストラリアを6日間かけて縦断するツアーに先日参加したのだけど、そこでひとりの日本人女性に出会った。

彼女は以前化粧品会社に勤めていて、仕事がら二ヶ月ごとに出る新しいリップを全色持ち帰り、家中がリップであふれていたのだそう。

たくさんのリップを持っていても、結局使うのはごくわずか。未使用の大量のリップを見ながら、「たくさんの物を持つことにうんざりした」と言っていた。

今はお気に入りの数色だけをのこしてすべて手放し、本当に好きなものだけで満足しているそう。

わたしたちは、たくさんの物を持つこと、たくさんの選択肢を持つことで安心感を得ようとする。選べる満足感が欲しいのだと思う。けれどそれらを得るために必要ではないものをたくさん集めていても、いつまでたっても本当の安心感と満足感を得ることはできない。

それらを得るには、彼女のように、本当に好きなものだけをそばに置くことが大切なのだと思う。

大切なものが何かわかってくると、お金もあまり減ることもなくなる。なんとなく買うことや、刺激に負けて買ってしまい、後から後悔することが減るからだ。

お金を使うのは、本当に必要なときか、好きなものを買うときだけ。だから買うときには満足感が得られるし、お金を使うことに幸せを覚えるようになる。

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自分が大切だと思える物だけ、身の回りに置こう。自分の心が満たされることに、お金を使おう。それはきっとわたしたちの心を豊かにしてくれるから。