お疲れ様です。津の次です。一人称が安定しません。

まえがき：シャニマスが存在している

　先日、CDショップにふらっと立ち寄ったら、THE IDOLM@STER SHINY COLORS GR@DATE WINGシリーズがずらっと並んでいたわけです。並んでいるCDを見て、シャニマスのアイドルたちはアイドルなんだな、という事実に私は初めて直面しました。ゲーム内のアイドルでしかなかった彼女たちは、私たちが生きる世界でもアイドルで、歌って、CDを販売している！！

　ライブや試合観戦なんかに行く人は分かると思うんですが、「生感」っていうのはかなり攻撃力があります。小糸ちゃんが幸せそうな表情のジャケットが目の前にある攻撃力たるや。店内で少し涙ぐんでしまいました。ぴぇ。

　そんなわけで、CDを買い込んで今に至り。ユニット曲、ソロ曲もろもろ合計80曲ほどを延々とシャッフルした中で、「一番意味わからん」と思った一曲について整理を兼ねてnoteをしたためている次第であります。

ダブル・イフェクトの翼

　アルストロメリアの楽曲は、一般的に聞きなじみのない単語が散りばめられているのが特徴です。2020.12.9リリースのTHE IDOLM@STER SHINY COLORS GR@DATE WING 05収録のダブル・イフェクトも例外ではありません。タイトルの「ダブル・イフェクト」をはじめ、プリマファキエやサクラメントなど、日常では絶対言いません。言ったことないよね。マージナル・マンは高校で習ったなあと思うので、特定の分野では割とメジャー用語なのかも。

　しかし、「一番意味分からん」となったのはそのようなジャーゴンのせいではありません。

例えば二度と飛べなくても
キミのために　ずっと
笑っていよう

例えば翼失っても
キミのもとへ　そっと
舞い降りるから

　この例示。そんなにキミのことが大事か！？確かに、アルストロメリアは恋愛ソングが多いです。それでも、翼を失って二度と飛べなくなる、というのは衝撃的です。ダブル・イフェクトと同年リリースの全体曲シャイノグラフィをみてください。

君が見るこの背中に　翼が見えるように

　シャイノグラフィのなかで、翼はアイドルたちの個性であり才能であり、アイドル性の象徴です。THE IDOLM@STER SHINY COLORS GR@DATE WING 05にはダブル・イフェクトもシャイノグラフィも収録されています。アイドルであることをやめてでも、と歌うアイドルソング、二枚舌すぎる。これが、私が「一番意味わからん」と思う所以です。もちろん、今までのアルストロメリアを踏襲して恋愛ソングとして考えることもできるでしょう。noteの記事をいくつか見ても、人間と天使との恋愛の考察記事が多いです。ダブル・イフェクトのカップリング曲、Anniversaryと合わせて、種族を超えた恋愛とその別れがひとつのストーリーとして浮かび上がってきます。異種族間恋愛、エモだもんな。しかし、それとはまた違った側面があるのではないだろうか。これが、この記事の問いとなっています。

アルストロメリアの翼

　まず、ジャケット写真。アルストロメリア4周目衣装名はガルディエーヌ(gardiene)、フランス語で守護者を意味します。大きな羽が特徴的ですが、THE IDOLM@STER SHINY COLORS GR@DATE WING 02のジャケットのイルミネや、THE IDOLM@STER SHINY COLORS GR@DATE WING 03の摩美々の衣装ブライクブランにも大きな翼があり、全体衣装サンセットスカイパッセージにも羽が使われていることから、2020年はシャニマス全体で翼が重要なモチーフなのでしょう。そのなかで、アルストロメリアの翼にはどのような意味があるのか。答えは、ダブル・イフェクトの歌詞に示されています。たぶん。

　ところで、大崎姉妹の名前ってあんまり双子っぽくなくないですか？アイドルマスターシリーズの双子は、4組。双海亜美・真美姉妹、蒼井悠介・享介兄弟、久川凪・颯姉妹、と分かりやすく対になっている他3組と比べ、大崎甜花・甘奈姉妹の字面はぱっと見たときの双子感がありません。落ち着いて考えると、甜は甘いという意味なので、甜と甘の対が見えてきますし、奈という漢字の由来は「神事に用いられる果樹」ですから、花と木の対も見えてきます。が、大崎姉妹の名前の最重要要素はそこではありません。甜花・甘奈は"天"花・"天"奈であり、その対となるのは千雪、"地"雪なのです。つまり、アルストロメリアにとって、翼は3人をアルストロメリアへとつなぐものなのです。もう1度、ジャケット写真やフェス衣装を見てください。

   ん〜天使。それぞれ、翼の色がちがいますね。もしかしたら、天使のなかでも種族がちがうのでは。また、3人とも制服風の衣装ですが、甜花・甘奈はセーラーなのに対し、千雪がブレザーなのも、天と地の対比を感じさせます。
 　さて、問題となっていた例示もちがった見方ができそうです。翼を失うというのはアルストロメリアではなくなるということであり、ソロ活動によって距離ができてしまうことではないでしょうか。コミュで言うところの、「アンカーボルトソング」ですね。歌詞のキミというのは、アルストロメリアやユニットメンバーのことと考えるのが自然です。例えば二度と飛べなくても、アルストロメリアでの活動でなくても、キミのために、アルストロメリアのために、笑っていよう。例えば翼失っても、アルストロメリアの活動でなくても、アルストロメリアを想う、キミのもとへ舞い降りる。

　ダブル・イフェクトは、アルストロメリアが人気になることで生じる3人のすれ違いを暗示する歌なのです。そして、Anniversaryはそのすれ違いを乗り越えていく心情を歌っている、そんな歌なのではないでしょうか。

あとがき：

　さて、今回はTHE IDOLM@STER SHINY COLORS GR@DATE WING 05収録曲ダブル・イフェクトの歌詞を通して、アルストロメリアの翼について考えてきました。聞きなじみのない単語が多いのがアルストロメリアの楽曲の特徴だとお話ししましたが、その単語の語呂の良さに思わず口ずさみたくなるのもアルストロメリアの楽曲のよさだと思います。ぜひ、聞いてみてください。

　最後までお付き合いくださり、ありがとうございました。また、どこかでお会いしましょう。