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福丸小糸は兎かハムスターか

お疲れ様です。津の次です。次は目次。

まえがき:バーベキューソース美味い。

2021年8月30日、何の日だったでしょう。

 これです。シャニマスは定期的にアイドルによるTwitter乗っ取り企画を行っています。ここに彼女たちの実在性を見たり、運営の思惑を見たりして、阿鼻叫喚。そうここはツイッタランド。何度も行われていることから、人気企画なことがうかがえます。丸一日ノクチルに乗っ取られた2021年8月30日のツイッタランド、そこで我々は何を見たのでしょうか。

 雛菜が考えたノクチルの絵文字です。雛菜はユアクマでしょう。円香に苦手なテントウムシを当てるのは嫌がらせかな??浅倉のご飯も、浅倉のぼんやりしているところが何となく感じられていいですね。おなかすいたなー。小糸ちゃんのハムスターも、小糸ちゃんの小動物らしさがよく出た絵文字に見えます。

 しかし、福丸小糸は兎ではなかったのか?

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小糸ちゃんの激かわサイン

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 1周目P-SSR【ポシェットの中には】

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2周目P-SSR【おみくじ結びますか】ガシャ演出のワンシーン

 小糸ちゃんのサインも、P-SSRに描かれる小物も、すべて兎です。福丸小糸Pが「小糸ちゃんを小動物に例えると?」と聞かれたら、ほとんどの人が「うさぎ」と答えるのではないでしょうか。

 しかし、福丸小糸がハムスターであるという主張も分かります。

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「詰め込みすぎた。」

 S-SSR樋口円香【閑話】のワンシーンです。円香にもらったポテトで口いっぱいになっている小糸ちゃんは確かにハムスターみたいです。これを向かいにいる雛菜が見ていたとしたら、小糸ちゃんはハムスター!と思うのは自然でしょう。でも、小糸ちゃんのサインを見て、小糸ちゃんはうさぎ!となってもいいわけです。なぜ、ハムスターなのか。これは、私たちPとノクチルたちのズレです。福丸小糸GRAD編でも思い知らされた、私たちPとシャニマス世界とのズレを、この機にきちんとまとめなければいけないと思い、今回は筆をとりました。2か月も月日が流れていたことには触れないでください。

兎の小糸

 さて、そもそもなぜ私たち福丸小糸Pは小糸ちゃんを兎だと思っているのか、そこから確認したいと思います。サインが兎であることと、P-SSRの演出に兎が登場することは先ほど確認しましたが、もう少し丁寧に見ていきましょう。

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 P-SSR福丸小糸【ポシェットの中には】の4つ目のコミュ「公園うさぎはとべない」です。タイトルの公園うさぎとは、小糸ちゃんが乗っている兎を模した遊具のことでしょう。それはまた、小糸ちゃん自身でもあります。公園うさぎは、とべません。そういう遊具なので。ここで大事なのは、公園うさぎは跳べないし、小糸ちゃんは飛べない、ということです。小糸ちゃんが飛べないと思っていることは、小糸ちゃんがサンセットスカイパッセージ衣装の一言からもうかがえます。

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 「スタッカート。明日もし羽が生えたら」


 P-SSR福丸小糸【ポシェットの中には】登場ガシャを確認してみましょう。

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「翼があればきっと、あの空でも息ができる。」

 ちなみに、ガシャタイトルの「懸魚」とは、火除けのまじないとして、木造建築の屋根に取り付けられる装飾です。海や水をモチーフにする自由なノクチルと、283プロという空をモチーフとする理想のアイドルをつなぐのは、懸の小糸ちゃんということでしょうか。また、懸魚には毛通(うのけどおし)という種類もあるそうです。兎じゃん。

 小糸ちゃんがとべないと思っていること、同様にとべない公園うさぎがコミュに描かれていること、サイン、ガシャタイトル、様々な角度から小糸ちゃんと兎がつながっているように思います。兎は、小糸ちゃんの引け目を感じている姿の象徴なのです。しかし、283プロに入ったからには、翼を得て、アイドル・ノクチルという空で小糸ちゃんは輝いていける、そう思っていました。

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「いつかとべるように」

GRAD編でもまだとべてないと思っている小糸ちゃんつらすぎる。どうして…。


GRAD編の小糸

 先ほどのスクショを見ていただけたらお察しの通りかと思いますが、福丸小糸GRAD編はつらすぎて全然できていません。ただでさえつらいのに敗退コミュとか見たかないんじゃ…。そんなとてもとてもつらい、福丸小糸GRAD編は、シャニPの失態として名高いコミュとなっています。しかし、GRAD編を触れることで、より今回の問題を理解しやすくなるのではないかと考えているので、腹をくくります。ぎゅっ。

 福丸小糸GRAD編を、ざっくりとご説明しましょう。プロデューサーが小糸ちゃんに、GRADの話を持ち掛けます。GRADに前向きに取り込む小糸ちゃんに、張り切ったプロデューサーがSNSを使った自己アピールを提案します。小糸ちゃんの負担にならないように、プロデューサーが運営する形で、小糸ちゃんの練習風景を更新する。小糸ちゃんは、それに対して何かを言いかけますが、伝えることができません。かくして、プロデューサーが小糸ちゃんの練習風景をSNSで発信し始めるわけですが、それは小糸ちゃんの負担になってしまいます。最終的に、その理由を話し合い、2人はまた二人三脚で歩き出します。小糸ちゃんがプロデューサーにきちんと打ち明けるまでの時間が本当にしんどくて、胃腸炎まっしぐらのコミュです。しかし、小糸ちゃんの方がよっぽどしんどかったでしょう。私たちは、このコミュに向き合わなければいけません。なぜ、プロデューサーは小糸ちゃんに間違ったアプローチをしてしまったのか。

 プロデューサーは、小糸ちゃんがGRADに出るかは五分五分、なんならGRADに出たがらないかもしれない、と考えていたのではないでしょうか。なぜなら、GRADはユニットではなく1人でのイベントだから。みんなと一緒にいるために始めたアイドル。もしかしたら、小糸ちゃんは出たいと思わないかもしれない。プロデューサーはそう思ったのではないでしょうか。

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実際にこの表情である。可愛い。

 私たちは、「小糸ちゃんがGRADに出ないかもしれない」なんてことは想定しません。GRADに出場するのが、GRAD編なので。これが、私たちのプロデューサーとの大きなズレです。私たちと、プロデューサーは同一のようで、全く異なる存在です。プロデューサーになりきって考えるとか、ある程度俯瞰して考える、という次元の話ではなく、プロデューサーと私たちは大きくズレている。これが、重要なポイントとなります。

 そして、小糸ちゃんがGRADに出たいと即答する。想定外の反応に、嬉しくなりすぎたプロデューサーが暴走してしまったのではないかと私は考えています。まぁ正直気持ちはわかる。GRAD編でプロデューサー述べているように、小糸ちゃんのひたむきに頑張る姿は自然と応援したくなる気持ちにさせます。それを多くの人に知ってもらえる。そうすることでまた、小糸ちゃんもアイドルとしてさらに活躍することができる。そんなビジョンを思い描いていたのでしょう。


主人公の小糸

 喜ばしいことに、この記事にコメントをいただきまして、そこで思ったことを追記することにしました。福丸小糸ソロ曲「わたしの主人公はわたしだから!」についてです。

 福丸小糸ソロ曲「わたしの主人公はわたしだから!」収録のTHE IDOLM@STER SHINY COLORS COLORFUL FE@THERS -Luna-は2021年2月17日リリースです。先ほど触れた、小糸ちゃんがひたむきに頑張る姿が目に浮かぶ、ポップで可愛い歌となっております。

 それゆえ、2021年4月末に実装されたGRAD編にはかなりショックを受けました。WING編、ソロ曲で小糸ちゃんは努力することの才能を肯定的に受け止めることができるようになったと思っていたからです。もちろん、これもまたシャニマス世界と現実世界のズレによるものです。小糸ちゃんはアイドルとしても、人間としても、急激に成長してきました。しかし、世の中そんなに簡単じゃないぞ、と言うかのようなGRAD編でした。むしろ、その衝撃を大きくするために、先にソロ曲を出したまである。時系列をいじる運営のミスリードに完全に誘われた形です。

 それじゃあ、小糸ちゃんのソロ曲は私たちの幻想なのか?そうではありません。「わたしの主人公はわたしだから!」は、福丸小糸が目指すアイドル像であり、最終的に小糸ちゃんが到達するところです。GRAD編を、そしておそらくはLP編を超えた先に、「わたしの主人公はわたしだから!」を歌える福丸小糸が存在しているのです。「わたしの主人公はわたしだから!」を歌える福丸小糸が存在することが示されている、それは福丸小糸Pにとって福音ではないでしょうか。


ハムスターの小糸

 さて、私たちとプロデューサー、現実世界とシャニマス世界には大きなズレがある、と言いました。最初に見た「兎の小糸」を、幼馴染たちは全く知りません。とべない兎だと、雛菜は思っていません。それを私たちに明示するためのハムスターの絵文字だったではないでしょうか。実際、私は小糸ちゃんのことを兎だと強く信じていたし、それ以外のことを想定すらしていませんでした。

 メタ的に考えすぎている、という意見もあるかもしれません。


 これらツイートに対して、ノクチルの次のコミュを見越した運営の思惑が見える、というコメントを見かけました。確かにそうかもしれません。283PRODUCTION SHOP 2021に下駄箱の展示があったように、私たちは、現実世界に、シャニマスアイドルの実在性を探してしまうし、シャニマス運営側もそう見せようと意識しています。私も、小糸ちゃんとお揃いっぽいマフラーを衝動買いしたりしました。それでも、私たちはシャニマス運営を通してでしか、シャニマスを知ることができません。しかし、それは嘆くことではないと思います。三次元のアイドルも、アイドル事務所に所属し、何らかの形でフィルタリングされながら私たちに届けられているからです。アイドル、つまり偶像とは、そういう存在なのです。

 今回お話ししてきた、ズレ。これは、シャニマスをプレイしていくなかで、必ず意識させられるものであり、また意識しなければならないことだと思います。


あとがき:マスタードソースも美味い。

 今回は、福丸小糸が兎なのかハムスターなのかという問いから、私たちとシャニマス世界のズレを見てみました。結局のところ、福丸小糸は私たちにとって、兎でもありハムスターでもある。どちらにせよ、可愛いね。それでいいじゃないか。今回触れた、福丸小糸GRAD編から私の一番好きなプロデューサーの言葉を引用して、さよならしたいと思います。

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「ステージに立つのは一人でも、一人で挑まなきゃいけないってわけじゃない。」

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