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世界の色は何色


友達と連絡がとれなくなって約2週間が経った。
いつも外では笑顔で、でもたまに塞ぎ込みがちになることがある人だったけど、失踪の兆候は誰にも分からなかった。想像力を働かせてあれこれ考えても意味がないと分かっていても、その理由は分からないままなので心配で仕方がない。そんな日々だ。

今日「嘘を愛する女」という映画を観た。高橋一生目当てで観に行ったようなものだったが、なかなか考えさせられるポイントのある作品だった。現実によくありそうな話では決してないけれど、人間が持つ"混沌"の描写はリアルに感じられた。

誰しも自分のことがどうしようもなく嫌になることとか、こんな自分消えてしまえばいいのにと思うことがあるのかもしれない。 
自分というのは、思ったことが跳ね返ってくる不思議な存在だ。他の人にとやかく文句を言ったとき、その言葉は体内から出て外に向けられる。ストレス発散や自己肯定感の向上につながることもある。一方で、自分を否定するということは、そのメッセージを受けとるのも自分であるという点で、残酷さを孕んでいるのだ。

誰かをすごく妬んだり嫌ったりすることもあるけど、その誰かも他の誰かにとっては愛すべき存在であるわけで、とか、
ちょっとした親切であいつのことを見直したり、頑張った自分を褒めてあげたくなったりとか、
他人とか自分とか色々なものに惑わされて、いちいち評価したり考えたり口にしたり、人間って本当に面倒な生き物だ。

最近は、世界ではいたるところで分断が起きていると感じる。分かり合えないものって分かり合えないままで、いつか変わるとしても今が全てで。
もちろん分断は悲しいからできるだけ減らしたいし、世界平和とか大口叩けたらいいよね。分かんないけど。

世界の色はひとつじゃない、今日の夜の新宿は灰色に見えたし、明日はどうなるか分からない。
色を映すのは自分の瞳で、世界を作るのは自分だ。

みんながどうだとか、あいつはこう言ってたとか、あれが正しいとかそれはらしくないとか、そんなことばっかり言ってても自分が思う幸せになんか近付けない。
その不思議な"自分"が世界を作る。諦めずに願い続けたいこと。

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