ワタクシ的戦後70年談話

21世紀構想懇談会で示された5つの論点を踏まえて、国民ひとりひとりが戦後70年を振り返ることの方が、首相の談話を論評するよりも遥かに重要なことである。

第1 20世紀の経験からくむべき教訓は何か
第2 戦後日本の歩みをどう評価するか
第3 戦後日本が欧米やアジアの国々とどのような和解の道を歩んできたか
第4 21世紀のビジョンをどう描き、日本がどのような貢献をすべきか
第5 戦後70周年にあたって日本が取るべき具体的施策とは


20世紀は国家の暴走の世紀であり、国家の欲望が最も大きく膨張した。その結果として、科学技術は飛躍的に進歩したが、人類史上最も多くの戦死者を出した。善意によって考え出された国家という区別が、最も多くの戦死者を出す悲劇をもたらした。つまり、21世紀は国家という枠組みを超えて人々が平和と繁栄のために協力する挑戦の世紀だと言える。

戦後の日本は欧米追従を至上命題にしたが、追従したテーマは日本人にとって見えやすいテーマが多く、欧米以上の大量生産大量消費社会を構築することになった。大量消費社会によってGDPという指標上は世界の大国になったが、良き人生を謳歌していると実感できている人の数は極めて限られており、戦後の日本は薄っぺらい社会になった。

経済大国になっても国連の常任理事国にはなれないということは、敗戦国という理由が大きいが、薄っぺらい社会の代表者が国連を大きく左右することで国際社会の秩序が毀損すると各国の代表者が考えているからだろう。また首相が頻繁に代わったため、各国から見て、日本は責任者不在だと映った。責任者不在であれば謝罪をしたり慰謝料を支払ったりしても、侵略戦争の責任を償ったとは認識されにくい。その上、真実とは程遠いニュースを元に慰謝料を請求し続ける不当な行為に対して、慰謝料を支払い続ければいつか彼らも許すだろうと思い、世界に類を見ないほど、国益を毀損する外交を展開した。

日本の家電や自動車等の機械が世界中で受け入れられたことで、多くの人々の生活の質向上に貢献した。それに際して、日本の優れた発想も世界中に浸透し、各国で生み出される新しい発想の原点が日本の発想にあることも頻繁に見受けられる。つまり、政治的な和解の道は失敗に終わったが、経済人と文化人による間接的な和解を日本は実現した。

21世紀の最大の課題は環境対策である。人類が存続できるかどうかという危機を多くの人が実感できるほど見えるものになってきたが、世界は微々たる対策しか取っていない。日本企業だけではなく、日本全体の環境対策を加速させ、省エネ立国として世界の環境改善に貢献すべきである。新聞、紙の本、切符、fax、レシート等の紙を大量に消費する手段や、自動販売機や24時間営業店等の過剰な便利さによる電気の大量消費を放棄すべきである。100年以上住める家や、長期間補修作業なしに利用できる道路や橋等の長期間利用できる物で社会を構成し、微生産繁栄社会を実現すべきである。

安物買いの銭失いという発想が蔓延している21世紀初頭だが、質素倹約は1000年以上続いた日本の伝統文化であり、質素倹約の視点から日本が世界に貢献できることは数限りないのである。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?