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「アクティベーション」の事例

「アクティベーション」という言葉をご存じでしょうか?スポーツ業界では「スポンサーの権益を用いた企業のマーケティング手法」といった意味で使われることが多いです。

 従来のスポンサーは広告を出す、チケットを買うといった受動的な協賛のかたちが主流でしたが、アクティベーションは文字通りよりアクティブにその権益を用いることで効果的なPRを狙ったもので、最近は特徴的なものが多く見られます。


エンゼルス(大谷翔平選手)×Coors Light

 米大リーグの当時エンゼルス所属の大谷翔平投手は2023年8月26日、特大ファウルを放ち球場の電光掲示板にボールをぶつけ、広告を表示していたビール「Coors Light」の一部が壊れて黒くなってしまいました。

 なんとCoors Light社は数日後、壊れた看板をデザインしたレプリカ缶(中身は空)を17ドル(約2500円)で発売。翌日には完売と大好評でした。

 公式SNSにイメージを掲載した際反響の大きさから数日内で販売を決定。強気の値段設定もなんのその。ユーモアと機転の利いたアクティベーションでした。


福岡ソフトバンクホークス×ECC

 英会話教室の運営など外国語の教育事業を行うECC。福岡ソフトバンクホークスの本拠地福岡PayPayドームでは、1試合に1回イニング間に子どもたちを対象に即席英会話教室が行われます!大型ビジョンで4万人の来場者も前にスタジアムMCとやりとりをする経験は、子どもたちにとって一生の思い出になることでしょう。

 球場来場者へECCのブランドや事業内容をインプットするだけでなく、その試合のチケットを英会話教室利用者へプレゼントするなど、足元の売上にもつなげています。


各スポーツチーム×エミレーツ航空

 ACミラン、アーセナルFCなどのサッカークラブをはじめ、野球やラグビー、テニスなど幅広いメジャースポーツのスポンサーを行っているエミレーツ航空。スポーツツーリズムの旅行客は通常の旅行客より2倍弱消費額も大きいという調査もあるので、スポーツ産業への投資には大きなリターンがあると踏んでの戦略でしょう。

 写真はサッカーの試合前にCAの方々がスタジアム内で機内アナウンスに模した場内案内を行っている様子です。CAの方々が悠然とスタジアムに入ると、機内放送のように女性の声で試合前アナウンスが始まり、CAの方々が指差し確認などで場内を盛り上げます。観客も一緒になって楽しめるエンターテインメント性の高いアクティベーションです。


まとめ

 以上近年実施されたアクティベーションを3つご紹介させていただきました。スポンサーシップの契約を交わさずにこうしたアクティベーションを無許可で行ってしまうことは「アンブッシュマーケティング」といってトラブルになるのでくれぐれもお気を付けください。 広告を出す、チケットを買うというのも立派な協賛のかたちですが、一工夫することで自社ブランドとチームの相互作用でより高い効果が得られるかもしれませんね!


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