転勤

「夫の転勤を前向きに考えられません...」|編集長がこたえます

大きな声では言いづらいちょっとした悩みや、あえて近い存在のひとには話しにくい悩みは誰にでもあるもの…。

この連載では、みなさまから匿名で募集したお悩みに、NEXTWEEKEND編集長 村上萌が答えていきます。

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今日のお悩みは、「夫の転勤を前向きに考えられません」。


旦那さんのお仕事の都合で、別の場所へ引っ越し。
大変なことを挙げたら色々ありますが、引っ越したおかげでできることを考えてみてください。
すごく楽しいことだと思いますよ!

そもそも、これだけネット環境が整って、仕事を始めどこにいてもコミュニケーションができるようになった今の時代、「移住」に憧れる人だって沢山いますが、「前のめりで引っ越してみたら現地で理想通りの仕事がなかった」「地方にも家を借りたけどたまに行くだけで終わってしまった」とか、失敗の声を聞くことだって少なくありません。

そんな中、旦那さんの仕事の都合という、奥さんにとってはある意味受け身な条件で新しい場所に住むということ。
誰かの反対を押し切ってきたわけでもなければ、大きな野望を掲げてきたわけでもない。
誰に説明する必要もなく、何も気にせず思い切り楽しめる、とてもラッキーな環境…!
是非謳歌していただきたいです。

知り合いもいなくて土地勘もないとのことですが、「両親を連れて行きたいレストラン」とか「連休を使っていきたい旅先」とか「行きつけの店」とか、これまでの人生で積み上げてきた自分の手札が急に倍になるんだから、ぐっと幅が広がると思ったらワクワクしませんか。

たとえば私は以前神戸に4年住んでいましたが、今でも、春になったら山が桜色に染まる奈良の吉野、夏になったらキャンプをしに淡路島、秋になったら紅葉を見ながら有馬温泉、冬になったら雪の京都で朝粥…、などなど、挙げたらキリがないほど四季折々に「あぁ、行きたいなぁ」と思い出す場所が沢山あります。

実際に、今は旅先として、気軽に選べるようにもなりましたし、なにより自分の生まれ育った場所以外で「おかえり」と言ってもらえることは、すごくありがたいことだと思っています。

最後に、相談者さんの旦那さんは、またいつか転勤があるようなご職業なのでしょうか?

私の場合、サッカー選手の夫の仕事に移籍はつきものです。
それを「落ち着いたらすぐ引っ越すから面倒くさい」とか「毎回寂しいから嫌だ」と言ったらそれまでですが、逆に言うとそのおかげで、常に「今年の夏が最後かもしれない」なんて思いながら、全ての一期一会を深く感じられている気がします。

おそらく常にその思いがあったことで、小さな行動に繋がったり、大切な人と出会うきっかけになりました。
そんな生活を10年近くしているうちに、人生も本当は期限があるのに、変わらない生活を続けているとそれに気づけないのかもしれないな、と思うようにもなりました。

相談者さんは、今、身をもってそれを感じられるチャンスに直面しているはずです。

もし旦那さんに今後転勤の可能性がなかったとしても是非、久々に味わう新生活で、小さな野心を大切にしながら沢山の場所へ行って、沢山の人に出会ってくださいね。