女妖退魔録:卍眼

「卍眼」(マンジガン)は西行の残した古文書「女妖全書」に記述のあるとされる魔道器のこと。

女性の怨念から生じる妖怪を退治するための魔道器であり、女妖全書と共に、長らく「伝説の類であり虚実」であると考えられていた。

しかし卍眼は実在しており、数奇な運命からその所有者となった主人公は、女妖退治の宿命を背負うことになる。

[キャラクター]

工藤勘馬:
主人公。私立探偵。自称「災い事に抜群の嗅覚を誇る」、生まれつきの男。元外務省調査局3課に属していたが、宮使いに嫌気がさして退職。在留外人相手の探偵業を営む。父親は著名な軍事ジャーナリストで、幼い頃に母と死別してからは、父と共に戦地を転々としてきた。
その際の経験で、中東の一部族に古代から伝わる馬上格闘技「チャクラム」を習得。偶然の経緯から「卍眼」の所有者となる。工藤には「卍眼」を守護する巫女神(人間と神仙の混血)4姉妹が付き従う。

青龍天月雷:
巫女神四姉妹の長女。人間である父親の形見の日本刀を用いて、触れた周囲の水分を刃のように自在に操る暗殺剣「水刀」の術を使う。また、水面を使って遠隔地に転移する「水鏡」の術や、空気中の水分を氷結させて防壁とするなど、「水龍八法」の使い手。

白虎天雪々:
次女。一子相伝と呼ばれる「北山白虎掌」の使い手。八つの節を持つ「八卦棍」を使う棒術も得意とする。普段は台湾「北山寺」で武術指南を務める。

玄武天水姫:
「紙金剛」と呼ばれる、折り紙を使った式神を使役する。元は紙であるが、起動すると燃えないし刀などでは切れない。人間の血が濃く、近眼。ファザコンの気があり、亡くなった父親に対する感情を、工藤に投影している。

朱雀天眠仔:
普段から工藤と共に暮らしている。母親の形見である「朱雀扇」を使い炎を自由に操る。「朱雀扇」の効力を使い、短時間なら飛行も可能。雪々直伝の「北山鳳凰脚」を会得。また、「鳳凰転生」という秘術を使い、致命傷で無い限りは不死に近い存在なのだが、月雷の元で修行中。「天命の巫女」と思われている。

黒後家蜘蛛のマリア:
「バーマリア」の女主人。実は東ヨーロッパ最強と噂された「黒後家蜘蛛」の妖怪だが、日露戦争中に出会った日本兵と恋に落ち、戦争終了と共に日本に移住してきた。男が死んだ後も、彼の遺影を守って新宿に住んでいる。闇の世界における工藤の後ろ盾。

伝馬霜雪:
陰陽師。齢120歳だが現役の退魔師であり、陰陽師集団「伝馬衆」の総帥。「卍眼」の一件から工藤には一目置いているが、あわよくば「卍眼」を手中に収めるべく画策する人物。

五木田徹:
公安3課の捜査員。FBIの「特定緊急事案対策室」勤務の実績を持ち、その際には、吸血鬼を自称するサイコパスに誘拐された大統領の娘を救出するという手柄も立てている。工藤の父親とも懇意にしていたらしい。何かと工藤を目にかけている人物。

[ストーリー構成]

第1話「香港炎上」
工藤と、中国で発見された「卍眼」、そして巫女神四姉妹の出会いが描かれる。また、「卍眼」を巡る黒後家蜘蛛の妖魔との戦いがテーマ。その妖魔こそ、巫女神4姉妹の父と母を殺害した張本人だった。

第2話「渋谷道成寺」
渋谷で同時発生した女子高生誘拐事件。実はエステスタジオを多数経営している間島絹子が、自分の若さを保つために、妖魔蛟を使って誘拐し、生気を集めていたのだった。

第3話「大阪兵馬俑」
秘密裏に大阪城跡地に持ち込まれる兵馬俑。女性の考古学者、小田切茜が名声のため中国から盗んできたものだった。その兵馬俑に、人の生き血で呪文を書き入れると動き出し始めた!

「天命の巫女」
巫女神とは 神に近い存在とされ、悠久の平穏を招く存在だが、巫女神に4人目の娘が生まれた場合、「天命の巫女」と呼ばれ、一説には「大災を招く」とも言われている。

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