閨芥

ツイッター@neyaakuta1299

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最近の記事

奇妙なものが見られるページ

本題以下はきわめて私的な作品なのですが、しかるべき処理を施したため公開可能になったものです。 (文字が小さい場合は印刷して読んでください) なにぶんインターネットへのアップロードを念頭に置いて作られたものではないため、本来の意図が不明な段落や文章が複数含まれているかもしれませんが、それを差し引いても十分すぎる量の牧歌的な断章を閲覧することができます。 正直なところ、この作品を公開することが誰かにとって良い結果を生むかどうかについては全く不明であり、なにもわからずにやって

有料
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    • ナツメグニン

      最近どうも寝覚めが悪い。五月の東京である。晴天である。我が大井大学の学生心得によれば、「学生の有徳なる本分は勉学である。」つまり講義に出席しろとの事だが、それはともかくとして、俺は安アパートの三階の一室の隅で、昼になるまでは布団に包まっている。腹が減ればやっと起き出す。それから適当に飯を準備して、一日が始まる。自堕落と云えばそれまでだが、午後になると今度は、むしろ生きる活力が湧いてくるのは不思議である。着替えをして髭を剃り、散歩に出掛けたりする。美術展の観覧に行く事もある。ち

      • 放縦

        例えば私の前回の文章を見てもらえばわかるんですが、ある二人が街を歩いていて、何やら罵り合いが始まり、突然トラックがやってきて二人を轢き殺してそれで終わり。本当にそれだけなのでまだ読んでない方、今から読みにいってくれ、じゃないと話が繋がらないんだ、リンクならここに貼っておくからとわざわざこう要求するようなことでもないが、とにかく今回は彼ら自身についての文章を書きたいと思います。前回が余りにも薄すぎたからね。というか本来こんな前置きも必要なくて、えーと、なんだっけ? そうだ、ゴホ

        • 完全に終わっているリサとガスパール

          リサとガスパールはとってもなかよし!今日も二人でおでかけをしています。 デパート、レストラン、大きな書店と行き、喫茶店前の信号を過ぎたあたりでリサがガスパールに話しかけました。ねえガスパール、昨日の夜からわたし、文学ってくだらないなって思い始めたの。ガスパールは驚きました。どうしてだいリサ、こないだまでは沢山小説を買って読んでたじゃないか。リサは答えます。だってわたし馬鹿馬鹿しくなっちゃったのよ、みんなして文学性があるみたいな顔して、小説は特にそうだけど、完全に嘘の話を書い

        奇妙なものが見られるページ

          追憶

          仕事を辞めた直後に向かったのはファミリーマートだった。賢くない人間なので明日のことを考えられた試しがなかった。それに、今日はほとんど何も食べていないから、などと考えつつ半ば習慣で帰路途中のコンビニに入るというのは、情けないながら余りにも自然だった。入店音が鳴ったはずだが覚えていない。店員の一人がこちらを見やり、また視線を戻した、とかそういうことは覚えている。いつものように弁当の棚に向かう。途中、陳列の都合で充電コード類が目に入る。何度か世話になった棚だ。中小企業製のイヤホンは

          追憶

          無駄

          あるところに、おじいさんとおばあさんがいました。これをそれぞれ甲と乙とします。並びにこれらは、その両方とも一般的な日本人とします。 乙は、小さな美容室を営んでいました。甲はそのすねかじり、つまりいわゆるヒモでした。ここで既に理解できることは、この文章はあの始まり方にも関わらず、比較的現代のお話であるということです。予備知識の無い読者に説明をするとすれば、日本で最初に美容室が生まれたのは明治39年ですから、これは少なくとも明治39年以降のお話というわけであります。もっと言うなら