【NJRPG/ソロシナリオ】ペイント・ザ・ハイドアウト・レッド・オールモスト・ブラック

(あらすじ:オハナ・バロウでの任務直後、緊急IRCノーティスを受けた君は、ソウカイヤのアンダーニンジャであるブラックリベットと合流する。散発的な強盗を繰り返す無軌道ニンジャのアジトを突き止めた彼は、今晩を好機と見て襲撃をかけようとしていた)

0:初めに

このシナリオは「ニンジャスレイヤーRPG」に対応する、ゲームブック方式を採用した1人向けの簡易シナリオである。一部戦闘処理ではニンジャマスターの役割を兼任する必要があるが、基本的には下に読み進めながらダイスを振るだけでプレイすることができる。
 プレイヤーキャラクターはソウカイニンジャ、あるいはヨロシサンやオムラと契約する企業ニンジャ、フリーランサーのいずれでも構わない。

0-1:難易度適正について
このシナリオではデッドリーな対ニンジャ戦闘が発生する。何度か経験を積んだキャラクターが望ましいが、オプションにより難易度を下げることもできる。新規キャラクターの場合は最低でも【カラテ】か【ワザマエ】が3以上、特別ルール下において最終的に回避ダイスを3つは確保しておきたい。

より具体的な例を挙げるなら、ブラックマンバと1対1もしくは2対1で戦えるかどうかを難易度の指標として考えよう。当然、生存には運も絡む。

0-2:進行をスムーズにするためのルール
このシナリオでは進行をスムーズにするため、各シーンでは幾つかの限定的な選択肢が提示される。ただしその場面で他に妥当だと思う選択肢があるなら、君はそれを採用しても構わない。

◇その他の特殊ルール
その他特殊なルールが適用される場合、該当シーンで注釈が挿入される。例外的に、次のルールはプレイ前に確認しておくべきだろう。

回避ダイス:ニンジャ同士の戦闘では、互いに回避ダイスの数を半分にする(端数切り上げ)。テッコ等のボーナス分は、この処理後に追加される。
アトモスフィアの適用範囲:難易度+1を上限に、【射撃】もアトモスフィア環境下における回避難易度上昇の影響を受ける。





1:導入

ここはネオサイタマ南部のオハナ・バロウ。君はその中でも中心部から離れた過疎エリアにやって来た。ソウカイヤからのIRC任務通知を受け取ったのだ。雨の降る薄暗闇の中、腰までの草をかき分けて進むと、岩のせり出した高台には既に黒いニンジャが待機していた。
◆忍◆ ニンジャRPG名鑑#XXX 【ブラックリベット】 ◆殺◆
ソウカイニンジャ。
大量にリベット止めされた黒染めの革鎧を身に着けている。
メンポに打ち付けられた口は滅多に開かないが、IRC上では饒舌。
ピボッ!ニンジャが君の姿を認めた途端、IRCノーティスが鳴った。『ドーモ、ブラックリベットです。近くに君が居てくれて助かった』奇妙だが、彼の主なコミュニケーション手段はIRCらしい。

ブラックリベットはソウカイヤのアンダーニンジャである。ソウカイヤと繋がりのある君は、以前にも彼と任務に従事したことがあるかもしれない。




『君に協力してほしいのは、無軌道ニンジャのアジトへの襲撃だ。敵ニンジャは2人、だが見てくれ』彼は双眼鏡を手渡し、眼下の廃工場を見るように促す。するとそこには、複数の武装したクローンヤクザの影!

無軌道ニンジャには過ぎた警備の備えだ。しかし敵のアジトを見誤ったわけではない。理由は不明だが、何らかの後ろ盾を得ている可能性もある。




2:潜入開始

『奴らの行動には奇妙なパターンがあった。目的は不明だが、ザイバツの息がかかっている可能性もある』彼は見取り図を取り出し、君に侵入ルートの説明を始める。二手に分かれて東西の入り口から侵入し、挟撃する構えだ。

A1:通路、A2:搬入搬出口、A3:資材倉庫、A4:製造プラント
B1:通路、B2:事務所、B3:トイレ、B4:休憩室、B5:工場長室、B6:製造プラント
黄色いマスが初期配置エリアだ。君はどちらから侵入するか好きに選んで構わない。水色の箇所は侵入できる窓だが、基本的には壊して入るしかない。騒ぎを起こしたくなければ最後の手段にしよう。=の開口部は通常の扉を、波線部は電動シャッターを示している。シャッターは内部からスイッチで開閉できるが、大きな音を立ててしまう。



◇選択肢
1:東側から侵入する(Aルート)
2:西側から侵入する(Bルート)

東側と西側、どちらから侵入するか決定してから先に読み進めよう。以降、選択肢が登場した場合も基本的には同様にして読み進めること。







『そのようにしよう。ニンジャ接触可能性が高いのはA4とB5のエリアだ。気をつけよ。では、サラバ!』彼は君の選択に頷くと、高台から飛び降りて逆側の侵入ルートへと移動を開始した。遅れを取るわけにはいかない!

どちらのルートを選択しても、まずはクローンヤクザ警備を切り抜けて初期配置エリアに辿り着かなくてはならない。

◇選択肢
1:警備の隙を突いて走り抜ける(脚力:3以上)
2:【連続側転】で警備の隙間を掻い潜る
3:スリケンで警備を始末しながら進む(難易度:EASY)

選択肢で脚力が要求される場合、不足分の値をアイテムの使用や連続側転によって補っても構わない。ただし判定の失敗は敵の警戒を招く。





成功:君は難なくクローンヤクザ警備網に対処し、一切気が付かれることなく廃工場の入り口まで辿り着いた。扉は施錠されているが【ワザマエ】か【カラテ】で解錠できる。失敗した場合は選択したルートのエリアに繋がる窓のどこかから内部に突入しよう。詳細は下記。
失敗:ウカツ!クローンヤクザのひとりが君に気がついた!【ワザマエ】判定でスリケン殺を試みる。失敗すれば警備網に引っ掛かり、ただちに1ダースのクローンヤクザ軍団の襲撃を受ける。もはや強行突入しか手はない!選択したルートのエリアに繋がる窓のどこかから内部に突入しよう。その際、【回避】判定に失敗すると被弾して1ダメージだ。
窓から侵入する:扉からの侵入に失敗した場合、残る選択肢は2つ。窓を突き破ってエントリーするか、【ワザマエ】で窓を解錠するかだ。ただしB2~4にはクローンヤクザが控えているため後者の方法は使えない。


窓から突入するなどして敵に存在がバレた場合、以降はハードモード・アトモスフィアが適用される。ハードモードではトレジャーの取得に制限が掛かるので、実入りを増やしたいなら慎重に進もう。

また登場するクローンヤクザにステータスが必要なら、ルールブック掲載の「クローンヤクザY-10型」にチャカ・ガンを持たせたものを採用すること。




2:廃工場

廃工場の内部には明かりが灯っている。また、放棄されているにしては綺麗に掃除が行き届き過ぎている。最初から分かっていたことではあるが、やはり何者かがここをアジトとして出入りしていることは間違いないようだ。

工場への侵入後、基本的にはひと部屋ずつ敵の存在を確かめながら奥へと進むことを想定している。残念ながらnoteには目次やジャンプ機能はないようなので、他のルートを通りたい場合などは少し工夫して読み進めよう。

Aルートの場合:A1→A2→A3→A4
Bルートの場合:B1に沿って→B2→B3→B4→B5→B6

また君とブラックリベットはおおよそ同じペースで移動するものとして、以降は群像劇風にAルートとBルートの内容が交互に記載される。複数人でプレイするなら、ツーマンセルを組ませて2ルートに割り当てよう。





A1~A2(通路、搬入搬出口)

通路(A1)に敵の気配はないが、A2からはクローンヤクザの声が聞こえる。数は3。覗いてみると、トラックに木箱の積み込み作業を行っているようだ。彼らは無防備だが、放っておいても問題はなさそうだ。

マップ上の青いタイルはBルートで現在活動しているエリア赤いタイルはAルートで現在活動しているエリアを示している。また縦をY軸、横をX軸として(X軸,Y軸)というようにマップ上のタイル座標を示す場合がある。

クローンヤクザたちは木箱を運んでいるのですぐには反撃できないが、敵に気がつけばヤクザスラングによって侵入者の存在を知らせてしまう。ハードモード・アトモスフィアだ。

◇ハードモード突入の目安
クローンヤクザは君の存在に気がつくと警戒状態に入り、次の手番に銃声やヤクザスラングで味方に敵の侵入を警告してしまう。つまり、隠密行動中には(君が先に行動できると仮定して)戦闘状態に突入するまで2回は行動する猶予がある。敵が1体なら何か失敗しても取り返しがつくと考えよう。

既にハードモードの場合、運搬クローンヤクザ*2がA1で待ち構えている。ドス・ダガーとチャカ・ガンによる決断的アンブッシュ!【回避】に失敗すれば2ダメージだ。戦闘シーンは2体を排除するまで継続する。



◇選択肢
1:放置して先に進む(A2に入らない)
2:スリケンとカラテで仕留める(参照:複数の敵を仕留める1)
3:スリケンで各個撃破を試みる(参照:複数の敵を仕留める2)
◇複数の敵を仕留める1:【連続側転】→【ニューロン】→【カラテ】+【ワザマエ】
脚力が3以上あるなら、君は物陰を伝って素早く敵に近づける。不足しているなら【連続側転】だ。
次に3体の敵をそれぞれカラテとスリケンのどちらで倒すか決定し、順に判定を行う。
最初の判定後【ニューロン:EASY】に成功すると全く気づかれずに1体を倒せたことになる。
つまり、2回目の攻撃判定は隠密状態としてスタートすることができる。
◇複数の敵を仕留める2:【ニューロン】+【ワザマエ】
【ニューロン】+【ワザマエ】を足した数のダイスを任意で3つに分け、
D6で判定(難易度:NORMAL)を行う。成功した数だけ音もなくスリケン殺できたことになる。
精神集中を使用する場合、3つのうち1つのダイス判定が自動成功することになる。

攻撃や移動判定に失敗してしまった場合、先述の「ハードモード突入の目安」を参考に処理を行おう。




A2(搬入搬出口)

事前情報の通りここは搬入搬出口のようだ。塗装が劣化して邪悪な様相に変貌した『ニャンチャン運送』のキャラクターロゴが付いた、古びたトラックが2台停められている。クローンヤクザはフォークリフトも使いながら木箱をこのトラックに積み込んでいた。

ブラックリベットはこのトラックに関する情報を把握しているのだろうか?君からのIRCノーティスに彼は即座に反応する。『イエス。そのトラックを尾行してアジトを突き止めた。無軌道ニンジャ共の移動手段だ。だが貨物の積込みとは不可解。なにか裏がありそうだ』

注意:ハードモードに突入している場合、このエリアで調査できるのは怪しげな木箱だけだ。敵ニンジャを逃さないよう、急いで所在を突き止める必要がある。


◇木箱を開ける
木箱を【カラテ】で破壊した場合、中からはいくつかの「謎のマキモノ」「トロ粉末」の袋が転がり出てくる。マキモノを開いてみるなら、中にはエンシェント・カンジらしき謎の文字が羅列している。唯一君が判読できるのは『超越・忍者・秘技』という3つのキーワードだ。
◇トラックの調査
1D6で判定を行う。偶数の場合「万札3」、奇数の場合「ウイルス入りフロッピー」がトラックのダッシュボードから見つかる。また別の一台には雷神紋の小型コンテナが搭載されており、【ニューロン:HARD】で解錠すると、「オムラ・マシンガン:遠隔武器、連射3、ダメージ1」が手に入る。





B1~B2(通路、事務所)

通路の角(5,6)に歩哨が1体、B2に警備クローンヤクザが2体待機している。B2では「そろそろ交代の時間ですか?」「そうですね、行きましょう」と会話をしており、どこかへ移動しようとする気配がある。

◇選択肢
1:歩哨をスリケン殺して奥に進んでしまう
2:先に進まず様子を見る

既にハードモードの場合、B2のクローンヤクザ*2がB1で待ち構えている。ドス・ダガーとチャカ・ガンによる決断的アンブッシュ!【回避】に失敗すれば2ダメージだ。歩哨クローンヤクザはその場で敵を待ち構える。






◇歩哨をスリケン殺して奥に進んでしまう
【ワザマエ】判定を行う。成功した場合、君は押し殺したシャウトで歩哨クローンヤクザを始末し(5,6)まで移動する。しばらくしてB2のクローンヤクザは上の扉から部屋を、次いで西側の扉から外に出ていく。侵入前に警備クローンヤクザをスリケンで殺していた場合、少しまずいかもしれない。
先に進まず様子を見る
君は(3,1)で息を殺す。しばらくすると2体のクローンヤクザは上記の通り動き始めるので、最悪なことに君は通路で彼らと鉢合わせてしまう。【カラテ】判定を2回行い、両方成功すれば素早く2体を始末できる。この場合、歩哨クローンヤクザは「音がしました」と調査にやって来る。【カラテ】で始末しよう。

どちらのパターンでも、判定に失敗し戦闘が発生した時点でハードモードに突入する。



B2(事務所)

おそらくここはヤクザの息のかかった工場だったのだろう。君が踏み入った事務所には、明らかにヤクザオフィス・アトモスフィアが漂っていた。クリスタルテーブルに黒い革張りソファ、金庫、巨大招き猫。そんなところだ。

注意:ハードモードの場合は探索を行えず、また窓からこの部屋に飛び込んだ時点で先程のクローンヤクザ*2との戦闘が発生する。

◇金庫を調べる
廃工場の金庫が無施錠であっても驚きではないが、何故かこの金庫には中身が入っている。中身はコモンランダム・トレジャーの表で判定する。
◇巨大招き猫を調べる
【カラテ】で招き猫を粉砕!成功すれば中から「万札1D6」が撒き散らされる。6の目があれば「トロ粉末」もオマケだ。失敗すると君はかなりネガティブなムードを手に入れることになる。




A3(資材倉庫)

この場所は資材倉庫というにはあまりにも寒々しい。運搬パレット用の錆びついた棚が幾つも並んでいるが、貨物は全く置かれていない。
倉庫は2階まで吹き抜け状態になっており、(13,4)の階段から手すり付きの足場に上がることができそうだ。

1Fに居るひとりのクローンヤクザは棚の間で無意味な巡回警備をおこない、別のひとりは何かが入った木箱を見張るようにその場から動かない。また巡回クローンヤクザは『散弾』と書かれた腕章を身に着け、「スダチカワフ・ショットガン」を装備している。

◇選択肢
1:クローンヤクザを無視して2Fに移動する
2:散弾クローンヤクザから武器を奪う
3:巡回警備をやり過ごし、監視を始末して木箱を調べる
◇散弾クローンヤクザから武器を奪う
【ニューロン】で監視の死角に入る瞬間を見定め、カラテかスリケンで始末する。
カラテの場合、脚力は4以上必要となる。
「スダチカワフ・ショットガン」の残弾は8発、ハードモードの場合は1d6で判定しよう。
なお万札1も手に入る。
◇巡回警備をやり過ごし、監視を始末して木箱を調べる
脚力5以上、もしくは【連続側転】で巡回警備を潜り抜ける。
成功すれば、次いで【カラテ】か【ワザマエ】で監視クローンヤクザを殺害する。




◇木箱を調べる
木箱には何故か「木人」「ZBRアンプル注射器」が収められている。さらに1D6で判定し、偶数の場合はコモンランダム表のアイテムを入手する。



B3(トイレ)

何の変哲もないトイレ。中にはクローンヤクザが1体居るらしく、威圧的アトモスフィアからスダチカワフ・ショットガンを装備していることが察せられる。万札の予感がするが、下手に相手をする必要もない。どうすべきか。

君は任意で【カラテ】判定を行い、クローンヤクザを倒しても構わない。
成功すれば「スダチカワフ・ショットガン」と万札1が手に入る。残弾は8発、ハードモードの場合は1d6で判定しよう。

ハードモードの場合、B3の前を通過しようとしたタイミングか、B4を出ようとしたタイミングで上記のクローンヤクザが突撃してくる。散弾を【回避】してから叩きのめそう。



A3(資材倉庫→2F)

君は階段を登り、2F部分に相当する足場に辿り着いた。ここには何も置かれていないが、A4の2Fに繋がるであろう小さなドアが壁に備わっている。またA4からは複数のバイタル反応と、ニンジャの気配を感じる。

A4に飛び込めば間違いなく戦闘が始まる。君は2Fのドアを使ってもいいし、1Fのシャッターを操作して使ってもいい。ただしA3のクローンヤクザを始末していない場合、後者は少し厄介なことになるだろう。

アンブッシュを試みるなら、【ワザマエ:HARD】か【脚力:5】以上を確保した上で【カラテ:NORMAL】判定だ。アイテムも活用しよう。



B4(休憩室)

休憩室には2人分のバイタル反応がある。木を弾くような音からして、クローンヤクザが将棋を指しているに違いない。当分彼らが動き出すことはなさそうだが、どうしたものか。

◇選択肢
1:放置して先に進む
2:物音で誘き出し、カラテとスリケンで始末する
3:【連続側転】で飛び込みカラテで同時始末する






◇放置して先に進む
余計なリスクは冒せない。君は将棋クローンヤクザの状態を見定めると、今は放置して先に進むことにした。
物音で誘き出し始末する
君は扉をノックし、クローンヤクザの片方をおびき寄せた。【カラテ】で片方を叩き、将棋盤を見つめるもう片方を間髪おかずに【ワザマエ】で始末しなくてはならない。また判定後に1D6をロールし、偶数が出るとB3のクローンヤクザが物音を聞きつけて調査にやって来る。
◇連続側転で飛び込みカラテで同時始末する
【連続側転】次いで【カラテ】の判定を行う。【カラテ】判定は一度で構わない。成功すればダブルチョップがクローンヤクザの首を同時に撥ねる。

この場所には特別調べられる場所はないが、クローンヤクザたちが食べていた「粉末成形スシ」を拝借して体力を2回復することができる。




A4(製造プラント)

かつてこの場所は、何らかの食品を製造するプラントであったのだろう。しかしこの部屋に飛び込んだ君が目にしたのは、着流しのクローンヤクザ軍団がベルトコンベアを流れるマキモノへと一心不乱に何事か書き続けるという狂気的マキモノ工場の様相だった!

そして2FのVIP監督エリアからそれを見下ろすのは、猛獣めいたメンポを付けた上半裸のニンジャ!彼はオイランをファックしていた。

侵入方法に関わらず、着流しのクローンヤクザ軍団は敵に一切反応しない。アンブッシュを仕掛けていた場合、相手は【回避】を試みる。敵ニンジャに攻撃が命中すれば1ダメージを与える(サツバツは考慮しない)。

判定後、君がアイサツをした時点で戦闘シーンが開始するものとして扱う。またここからはハードモード・アトモスフィアとして処理を行う。

◇対ニンジャ戦闘における特殊ルール
回避ダイス:互いに回避ダイスの数を半分にする(端数切り上げ)。テッコ等のボーナスダイスは、半減処理後に追加される。
アトモスフィアの適用範囲:難易度+1を上限に、【射撃】もアトモスフィア環境下における回避難易度上昇の影響を受ける。
位置関係の処理:このシナリオではキャラクター同士の位置関係を考慮しない。伴って攻撃集中のオプション類も適用できないが、望むなら厳密に移動力などを考慮してそれぞれのキャラクターを操っても構わない。
サツバツ!:敵ニンジャは近接攻撃による『サツバツ!』の条件が、ダイスの出目に6が3個以上含まれている場合、に変更される。


「ドーモ、ツヴァイヘンダーです。貴様.....ニンジャか。ちと早すぎるな。どうやってここを嗅ぎつけた?」彼は傍らの大剣を手に取ると、おもむろにオイランの首を落とした。
◆ツヴァイヘンダー (種別:ニンジャ)	
カラテ		5	体力		4
ニューロン    	4	精神力		4
ワザマエ		1	脚力		3
ジツ		1	万札		10
							
◇装備や特記事項
 『ヘンゲヨーカイ・ジツ』、『突撃』

ツヴァイヘンダーは非常に攻撃的なニンジャだ。スリケンは使わず、両手持ちのグレートソードを構え、強烈な刺突攻撃を繰り出しながら肉薄してくる。回避時には全てのダイスを一度で使い切ってしまうが、ヘンゲ時の爆発的なカラテによる高いサツバツ可能性は非常に危険だ。

短期決戦を望むなら、お互い常に『攻撃集中』による難易度補正を得るものとしても構わない(この場合、遠隔攻撃は一切できなくなる)。

◆難易度のオプション
ツヴァイヘンダーを倒せそうもないなら、IRCでブラックリベットに助力を求めることができる。その場合、ニンジャから入手できる万札は半減するが、2ターン目から2対1の状況に持ち込むことができる。




◇1ターン目
もし君と距離が開いている場合、彼は最初の手番で『突撃』を使用し、大剣による恐るべき刺突攻撃を繰り出してくる。命中すれば2ダメージだ。
既に肉薄しているなら、彼は『強烈なイアイドー斬撃』を繰り出す。





◇2ターン目
通常通り【カラテ】で攻撃してくる。既に体力が2以下の場合、彼は『ヘンゲヨーカイ・ジツ』を使った後、『強烈なイアイドー斬撃』を繰り出す。
「ARRRRRRRGHhhhhhhhhh....!!!!」ツヴァイヘンダーの上半身が突如として肥大膨張!どす黒く硬化した皮膚がトゲめいて隆起し、鎧のように彼を覆う!グレートソードは異常変形した左腕に飲み込まれ、さながら長大な騎兵槍めいた様相を呈していた!

「難易度のオプション」を採用しているなら、このターンからブラックリベットが加勢に現れる。吹き飛ばされた敵ニンジャがB6からA4へシャッターを突き破り、続けて現れた彼が戦いながらチャカ・ガンで君を支援するのだ。

ツヴァイヘンダーは【カラテ】判定に使用できるダイスと
ターン開始時に入手できる【回避】ダイスの数がそれぞれ-2される。





◇3ターン目以降
『ヘンゲヨーカイ・ジツ』の効果中でない場合、彼はここでジツを使う。以降は精神力が続く限りジツを継続し、【カラテ】でひたすら単純な近接攻撃を行う。






ツヴァイヘンダーの体力を0以下まで低下させる事ができれば戦闘は終了だ。インタビューを行いたいかもしれないが、彼は意味深なセリフを残してすぐに爆発四散してしまう。

「ゴ、ゴホッ...バカな...俺のカラテを...!!」異様なヘンゲ・ジツが解けたツヴァイヘンダーは大量出血し、重症だ。「マ、マキモノ.....!ハッ!これでは...割に合わんな.....サヨナラ!!」彼は自嘲的に嗤うと、爆発四散した。

以降Bルートのボス戦の描写を読み飛ばし、「4:UNIX」へ進む。





B5(工場長室)

情報通りここは所長室のようだ。古びているが、十分に質のいい調度品が備えられている。だが、散らばる雑多な略奪品と、その部屋の主!最奥にはデスクに足を投げ出す、ファイアパターン装束のニンジャの姿があった!

君がアイサツをした時点で戦闘シーンが開始するものとして扱う。またここからはハードモード・アトモスフィアとして処理を行う。

◇対ニンジャ戦闘における特殊ルール
回避ダイス:互いに回避ダイスの数を半分にする(端数切り上げ)。テッコ等のボーナスダイスは、半減処理後に追加される。
アトモスフィアの適用範囲:難易度+1を上限に、【射撃】もアトモスフィア環境下における回避難易度上昇の影響を受ける。
位置関係の処理:このシナリオではキャラクター同士の位置関係を考慮しない。伴って攻撃集中のオプション類も適用できないが、望むなら厳密に移動力などを考慮してそれぞれのキャラクターを操っても構わない。
サツバツ!:敵ニンジャは近接攻撃による『サツバツ!』の条件が、ダイスの出目に6が3個以上含まれている場合、に変更される。



「あ....?ニンジャ?ニンジャナンデ?.......ドーモ、ドレッドソードです」ニンジャは違法ヘンタイプログラムを視聴していたサイバーサングラスの透過度を調整し、アイサツした。
◆ドレッドソード (種別:ニンジャ)	
カラテ		3	体力		3
ニューロン    	5	精神力		5
ワザマエ		2	脚力		2
ジツ		2	万札		10
							
◇装備や特記事項
 『カトン・ジツ』

例外的に、ハードモードでB5に突入した場合、敵ニンジャのアンブッシュが発生する。薙ぎ払うようなカトンに対して【回避】判定を行い、失敗すると1ダメージを受ける。(精神力を1減少させておくこと)

「アイエッ?お前....ニンジャか?ニンジャナンデ?.......ドーモ、ドレッドソードです」アンブッシュを仕掛けたファイアパターン装束のニンジャはあからさまに動揺しながらアイサツした。その手にはカトン・ジツの名残!



ドレッドソードは奇妙なカトン・ジツを使う。彼がジツを発動したとき、炎はチョップ斬撃の軌跡に沿って発生する(即ち近接攻撃扱いとなる)。また命中時に1ダメージ、纏わりつく炎により、術者の次の手番に追加で1ダメージ合計で2ダメージを与えるという特殊仕様になっている。

◆難易度のオプション
ドレッドソードを倒せそうもないなら、IRCでブラックリベットに助力を求めることができる。その場合、ニンジャから入手できる万札は半減するが、2ターン目から2対1の状況に持ち込むことができる。




◇1ターン目
彼はカラテの不足をジツで補っている。初手はまず間違いなくカトン・ジツによるフレイムソードで攻撃を仕掛けてくる。




◇2ターン目
彼はカラテの不足をジツで補っている。次の手番もまず間違いなくカトン・ジツによるフレイムソードで攻撃を仕掛けてくる。
◇イベント:カラテラリー
2ターン目の終了時(難易度のオプションを採用しているなら開始時)にこのイベントが発生する。君とドレッドソードは激しいカラテ押収を繰り返しながら、窓を突き破ってB6へともつれ込む。どちらかのHPが半分以下(端数切り捨て)だった場合、B5の窓際にある略奪品の山も巻き込み、落下した2人の眼の前には雑多なアイテムが転がっている。お互いに1D6をロールし、出目に応じたアイテムをとっさに掴み、その効果を即座に得る。

1-2:
オーガニックスシ:【体力】を2回復
2-4:トロ粉末:【精神力】を2回復
5-6:濃縮ZBRアンプル:この戦闘中、体力が0でも活動できる

「難易度のオプション」を採用しているなら、このターンからブラックリベットが加勢に現れる。敵ニンジャが大剣でシャッターを突貫してB6にエントリーし、次いで現れた彼がオムラ・マシンガンで君を支援するのだ。

ドレッドソードは【ジツ】判定に使用できるダイスが-3
ターン開始時に入手できる【回避】ダイスの数が-1される。




◇3ターン目以降
彼はカラテの不足をジツで補っている。次以降の手番もまず間違いなくカトン・ジツによるフレイムソードで攻撃を仕掛けてくる。精神力が尽きれば、カラテによる近接戦闘に移行する。





ドレッドソードの体力を0以下まで低下させる事ができれば戦闘は終了だ。このとき彼の体力が0を下回っているなら、ドレッドソードは意味深なセリフを残してすぐに爆発四散してしまう。

「アバ....アバッ....!!俺は...俺はニンジャなのに!話が、話ガ違ウ......!!」血走った目で喚く。「ニ、ニンジャ.....!こんなの...聞いてねぇ.....サヨナラ!!」ドレッドソードは爆発四散した。

「4:UNIX」へ進む。彼の体力が0で終わったなら、「3:インタビュー」のイベントが発生する。






3:インタビュー

君がBルートを選択し、ドレッドソードが爆発四散しなかった場合、彼に対してインタビューが行われる。

『お喋りしたい気分にしてやれ』「イヤーッ!」「グワーッ!」秘密マキモノ工場の中心で、関節をへし折られたドレッドソードは君とブラックリベットにインタビューを受けていた。「ま、待て!俺はた「イヤーッ!」グワーッ!?」特に意味もなく、カラテの洗礼が行われる。

シーンはA4のマキモノ工場に移っている。必要ならシナリオをさかのぼってA4の描写を確認しよう。




「ま、待ってくれよォ!俺はただ『イヤーッ!』グワーッ!?い、言われた通りやってただけなんだ!ツヴァイヘンダー=サンはお目付け役で「イヤーッ!」アバーッ!?」指がへし折られる!

インタビューへの反応を見る限り、彼は本当にただの無軌道ニンジャだ。何かを企めるような知性も感じられない。この工場に居たもうひとりのニンジャ、ツヴァイヘンダーが彼を扇動していたのだろうか?





「アイエエ....本当なんだよォ!金を集めてマキモノ工場を回してれば、俺を強くしてくれるって.....!!」ブザマに泣きながら訴える。『どう思う?』黒いニンジャは微かに首を傾げ、君に視線をやる。『誰の命令だ?』「誰って...知らねぇんだよぉ...ただ、あのマキモノを...アイエッ!?」突然、ドレッドソードが凍りついた。

次の瞬間、着流しクローンヤクザの頭が連鎖爆発し、緑色の鮮血が部屋を染め上げる!コンベヤーベルトの操作UNIXには瞬きする眼のアスキーアート!これは一体!?




『これは!!』「アバ....アバーッ!!話が、話ガ違ウ......!!俺ノジツハ....!!」ドレッドソードは突如として自然発火!「マキモノ.....!オノレ.....!ニ....ニンジャアー........サヨナラ!!」彼は目を蒸発させながら喚くと、爆発四散した。

ドレッドソードは何らかの干渉を受け爆発四散!直後、UNIX端末も極度負荷により爆発してしまう。背後から操っていた何者かが存在するらしきことは判明したが、肝心なところで重要な情報は得られなかった。

「5:共通シナリオエンド」へ進む。





4:UNIXイベント

君はA4のマキモノ工場でブラックリベットと合流する。彼は敵ニンジャを爆発四散せしめたが、随分と手ひどくやられたらしく、メンポは剥がれ、血みどろの状態だ。

ドレッドソードにインタビューを行っていない場合、ここでUNIXのイベントが発生する。

ピボッ!『油断ならない相手だった。情報は引き出せなかったが、何か裏があるに違いない。ザイバツ?』ブラックリベットは首を傾げる。君も大した情報は得られなかった。手掛かりといえば、今も作業を続ける不気味な着流しクローンヤクザたちと、その傍らのUNIX。しかし!




次の瞬間、着流しクローンヤクザの頭が連鎖爆発し、緑色の鮮血が部屋を染め上げる!コンベヤーベルトの操作UNIXには瞬きする眼のアスキーアート!これは一体!?




5:共通シナリオエンド

君はUNIXを経由した何者かの視線を察知するが、それと同時に端末は極度負荷によって爆発してしまう!「シマッタ.....!」これで邪悪マキモノ工場の秘密は永久に失われてしまった.....かに思えたが!

この時、他の部屋のクローンヤクザたちも連鎖爆発によって血液を撒き散らし、周辺の手がかりを台無しにしてしまっている。

しかし君がシナリオ中に選んだ選択肢によって、幾つかのパターンで異なる手がかりを入手している可能性がある。

◇手がかり(1D6をロール)
謎のマキモノ:
Aルートの調査により入手
謎のオリガミメール:ツヴァイヘンダーの爆発四散痕より入手
破損したIRCログ:ドレッドソードのサイバーサングラスより入手

Aルートを選択:君は調査中に「謎のマキモノ」を入手しているかもしれない。加えて1D6の出目が偶数の場合「謎のオリガミメール」を、奇数の場合「破損したIRCログ」をどちらかが入手している可能性がある。

Bルートを選択:1D6の出目が偶数の場合「謎のオリガミメール」を、奇数の場合「破損したIRCログ」をどちらかが入手している可能性がある。またその値が4以上だった場合、ブラックリベットが「謎のマキモノ」を手に入れている。
『謎のオリガミメール』:コブラのオリガミ。解くとカンジのような不気味な意匠が大きく1字だけ書かれているが、意味はわからない。
『破損したIRCログ』:サイバーサングラスから抽出された断片的なログ。「YOGI」なるアカウントと会話しているが、支離滅裂で要領を得ない。



この手がかりを前に、君たちは怪訝な表情で顔を見合わせる。ザイバツか、あるいは他の何者かが裏から手を回していたことは間違いない。しかしこれは.....あまりにも奇妙だ。然るべき調査が必要になるだろう。

君とブラックリベットは可能な限りの情報を回収し、現場を後にする。「6:報酬」へ進む。





6:報酬

マキモノ工場から怪しげな証拠物品を回収したことで、全員に「万札:5」が与えられる。ダイスロールの結果、君が自分の選択したルートに関係のある「手がかり」を入手しているなら、追加で「万札:5」が得られる。

またAルートを選択していたなら、ツヴァイヘンダーの「グレートソード」をカタナとして入手することができる。
◇ソウカイネット
任務後、ソウカイネットの情報から、ツヴァイヘンダーはフリーランスのヨウジンボとして存在が確認されていたことが判明する。しかし彼がいびつなヘンゲヨーカイ・ジツを使うなどという情報は見当たらない。ジツの存在を慎重に隠していたのだろうか?君は疑念を深めた。


裏で糸を引いていたのは何者なのか、何のために謎のマキモノを量産させていたのか、そして君たちはそれを突き止めようとするだろうか?このプロットがどのような結末を迎えるかは、君の今後のキャンペイグン次第だ。

カラダニキヲツケテネ!





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