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【NJRPG-2ND/シナリオ】フォールス・ウインター:#10-B:オペレイシヨン・ライト

あらすじ:鷲のニンジャの次なるターゲットは、制圧した筈の暗黒メガコーポ「メイライ・コーポレーション」の専務、シロウ・イスヒ。Y2K以前の知識を持つ彼に、アマクダリ・セクトと手を結ばせるわけにはいかない。今、地上220階建てのヒラナダ・ホテルを舞台に、強行暗殺劇が幕を上げる。

これは「ニンジャスレイヤーTRPG2版」のシステムに対応した、「鷲のニンジャ」がテーマのキャンペーン『フォールス・ウインター』の第10話に該当するサンプルシナリオ記事です。

なお10話のサンプルシナリオは2種類存在しており、直前にプレイしたシナリオによって次にどちらのシナリオに派生するか異なる仕様となっています。このシナリオはBルートである【アンド・ザ・トラスト・シャル・メイク・ユー……】をクリアしたプレイヤーキャラクターが参加するためのシナリオです。

一方でNMがゲームバランスや展開に少し手を加えることで、本作はA・B両ルートのプレイヤーキャラクターが合流して【オペレイシヨン・グレイストーン】を経た後、全員で参加するシナリオとすることも可能です。

プレイ人数:3名
所要時間:8~12時間(オンラインセッション/テキストセッション)
難易度:キャンペーン専用のルールで作成後、9シナリオを踏破した程度の強さのPCを想定(成長の壁(1)をそれぞれ2~3つずつ超えている。ジツを2倍でカウントして、能力値合計30~35程度)

キャンペーン全体の背景設定やルート分岐の調整方法などは、別途CPセッティング記事も参考にしてください。

※各ゲーム要素はニンジャスレイヤーTRPG初版で行ったキャンペーン実卓を元に、2版向けへコンバートされたものです。ゲームバランスは現行環境やプレイヤーキャラクターに合わせて都度調整することを推奨します。

関連記事はこちらのマガジンから。

◇本文中に登場する略称
NM:ニンジャマスター    → ゲームの進行役。描写などを行う。
PL:プレイヤー       → ゲームの参加者。PCを操作する。
PC:プレイヤーキャラクター → ゲーム内の主人公。メインキャラ。


前シナリオ

別ルートのシナリオ


はじめに

このシナリオは【アンド・ザ・トラスト・シャル・メイク・ユー……】【オペレイシヨン・グレイストーン】のどちらからも派生する可能性がある。PCはアシッドウルフの部下、"腕"のニンジャの1人であるブルームキャットからの協力要請などをトリガーとして、メイライ・コーポレーションの元専務シロウ・イスヒの暗殺任務を遂行することになる。

シロウ・イスヒはY2K以前に『MKウルトラ』計画の日本国内の協力者として軍隊で人体実験を行っていたモータルであり、ドイツ・ナチスとの繋がりも深かった人物だ。彼はY2K以前に死亡したと思われていたが、アシッドウルフも予想できなかったイレギュラー存在として過去のMKウルトラ計画の情報を握っており、この情報が喉から手が出るほど欲しいアマクダリはシロウとの交渉の席に望むつもりだ。

PCはシロウ・イスヒがアマクダリ・セクトと手を結ぶ前に、彼を暗殺しなくてはならない。


マップデータ

このシナリオで使用するマップデータはGoogle スプレッドシートで作成されています。下記からローカルにダウンロードするか、ご自身のアカウントにコピーを作成してGoogle スプレッドシート上で使用してください。



このシナリオへの分岐条件

このシナリオに派生する条件、パターンは幾つか存在している。冒頭でも述べられたように、場合によっては分断された2チームが合流してからプレイするシナリオとなる可能性もある。

■パターン1(BルートのPCのみがこのシナリオに参加)
分断されたBルートのPCがブラックサイトに協力的な行動を取った場合に発生する。例えば単純にブルームキャットの協力要請に応えてそのままこの任に着く場合や、アシッドウルフから最優先事項としてシロウ・イスヒの暗殺を命じられる場合が想定される。

仲間との合流を図っていた場合、このパターンで【オペレイシヨン・ライト】が始まった時点で、その合流イベントは消滅してしまう(代わりにアシッドウルフが【オペレイシヨン・グレイストーン】などで彼らの相手をする)。

■パターン2(全員がこのシナリオに参加)
分断されたAルートとBルートのPCが合流したのち、全員がアシッドウルフへと従い続けることを選択した場合に発生する。このパターンでは、まず全員で【オペレイシヨン・グレイストーン】を行った後、【オペレイシヨン・ライト】が始まる。

■パターン3(PCの一部のみがこのシナリオに参加)
パターン2でPC間の争いに決着がつかず、喧嘩別れ(つまりアシッドウルフ派とそれ以外で別れる)になってしまった場合、親アシッドウルフ派のPCグループのみを対象に【オペレイシヨン・ライト】が発生する。


導入

重金属酸性雨が降り注ぐネオサイタマのハイウェイ。今日、君たちはそれに打たれることなく、一台の家紋タクシーに搭乗していた。そこには"腕"を身に着けたX人、すなわち君たち、そしてブルームキャット。そしてやや居心地悪そうな様子を見せる、ライトニンググローブの姿があった。

「絞首刑にでも処されてる気分だぜ……」ライトニンググローブは片手でネクタイを弄りながら、サケをイッキした。

「我慢して……そう、今回のターゲットはシロウ・イスヒ。もう一度概要を確認しておくわ」彼女はライトニンググローブを見てため息をついた後、任務の概要を改めて説明し始める。

このシナリオでは、全員がカチグミに変装した状態で、目的地のヒラナダ・ホテルへと向かう家紋タクシーの中から物語が始まる。生存している場合は同行するブルームキャットが、そうでない場合はアシッドウルフがIRC通信で大まかな概要を説明する。

◉今回のターゲットはメイライ社の元専務、シロウ・イスヒ。彼はカスミガセキで執り行われた創立記念の祝典以降、姿をくらませていた。作戦の目的はあらゆる手段を講じて彼を暗殺することだ。

◉対象は複合施設の入った巨大な商業ビルの最上20フロアを占拠する、キョートのネオサイタマ出向者向けの高級ホテルに滞在している。ただし正確なフロアや部屋番号までは不明であり、まずは調査によってそれを突き止める必要がある。

◉シロウはアマクダリ・セクトと接触を図った。したがって、ホテルにはアクシスやオナタカミの兵士が派遣されている可能性が高い。伴って、現在の警備状況は不明である。

◉事前の調査により、階段を除くホテルの公共部、すなわちフロントと通路には監視カメラが設置されていることが分かっている。これを経由して敵性ハッカーが監視網を引いている可能性は十分にある。

◉PCには偽の身分証と滞在予約が用意されている。少なくとも滞在客として潜入することは可能だ。ホテルのスタッフにアプローチするつもりなら、口上はうまく考えろ。

◉PCにはシロウ・イスヒの姿を捉えた写真によって外見が共有される。黒い頭髪と髭、丸縁の眼鏡が特徴的だ。


シーン1:ヒラナダ・ホテル(事前調査)

君たちは複合商業ビルの高速エレベーターに乗り込み目的の200Fを訪れる。「くっそ、納得いかねぇ…」荷物持ちをさせられているライトニンググローブを除けば、皆カチグミ・クラス然とした振る舞いで、エレベーターからホテル・エントランスへと足を踏み入れる。

導入シーンの後、一行は問題のホテルへと何の障害もなく到着する。この時点から、一行はシロウ・イスヒを暗殺するにあたって2段階の調査を行うことができる。第一段階では、安全なホテルのエントランスやフロアで行う「事前調査」を、第二段階ではセクトの警備が徘徊しているフロアを直接調べる「侵入調査」を行う。

前者は主にPLが主体となったロールプレイによって処理され、後者はダイス判定による成否によって処理される。それぞれの調査手段によって開示される情報は、以降の各セクションで述べられる。

◆想定される事前調査の内容
・ホテルの警備システムの状態について
・セクトの展開状況について
・シロウ・イスヒが滞在しているフロア及び部屋番号について
・使用可能なルートや移動手段について

エントランスなど

電子オコトの雅なバックグラウンドミュージックが流れる中、ブルームキャットは悠然と受付を済ませ、独自調査のため別フロアへと消えてゆく。君たちもまずは受付を済ませるべきだろう。「お名前をアリンス?」受付オイランがケーブル直結したUNIXのモニタを見ながら尋ねた。

この複合施設は220Fまで存在しており、200Fがホテルのエントランスとなっている。受け付けには受付オイランが数人控えているのみで、特に目立った障害はないが、中央ホールには監視カメラが設置されているため、不審な行動をするとアマクダリのハッカーに検出されてしまう。

 ここでPCはRPや交渉の方向性に応じて、キョートから訪れた一般の宿泊客か、事前予告無しのホテル外部監査員としてチェックインを行い、従業員にインタビューを行うことができる。どちらの選択肢でもダンゴウの通り、アシッドウルフないしブルームキャットが偽造IDと合わせて、偽の宿泊予約を手配してくれている。ただし、いくら交渉してもPCが利用できる最も高いフロアは215Fまでだ。

受付オイラン/ホテルスタッフへのインタビュー:巧みな口上、ジツによる魅了、帳簿への不正アクセスなどによって、ホテルの受付オイランやスタッフから次のような情報を引き出すことができる。

1)216~220FまではVIPが全ての部屋をフロアごと貸し切っている(これはアマクダリの仕業である)。宿泊名簿に先のVIPであるシロウ・イスヒは存在しており、最上階(220F)のスイートに滞在していることになっている。ただし5フロアが全て貸し切られていることから、実際どの部屋に滞在しているかは定かでなく、実質的に216F以降全てのフロアを確かめてゆく必要があるだろう。

2)VIPの要望により、貸し切られたフロアにはスタッフでさえ立ち入りが制限されている。VIPがチェックインした後、5フロアが借り上げられ、大勢の黒服が当該フロアへと登ってゆく様子が確認されている。

3)この建物に用意された移動手段はセキュリティシステムと連携したUNIX操作エレベーターと階段のみだ。あるいは特別なジツの持ち主であれば、通気ダクトを経由して移動することもできるだろう。

セキュリティルーム

エントランスと同じフロアには、全フロアの公共部を映し出す監視カメラ映像を確認できるセキュリティルームが存在する(ホテル内部には通路など公共部に限定して監視カメラが設置されている)。
 しかし216F以降はエレベーター前しか映し出されておらず、セキュリティルームのUNIXコンソールから操作しても映像を切り替えることができない。これは潜伏しているアマクダリのハッカーニンジャの仕業であり、これらの監視映像を確認するには難易度U-HARDの『ハッキング判定』に成功するしかない。判定に成功した場合、全てのフロアにオナタカミ・トルーパーが展開され、巡回警備を行っていることが明らかとなる。

 一方で、システムの制御権を奪おうとさらなる侵入を試みたり、ハッキング判定に失敗してしまったりすると、別フロアからシステムに直結しているハッカーニンジャに強制的にKICKされ、PCの存在や不審行動が検出されてしまう。

移動手段(エレベーター・階段)

ホテル内における移動手段は、PCが直接目視で確かめることもできる。実際、各フロアはエレベーターと階段を使って行き来できることはすぐに分かるだろう。
 ただしエレベーターは先述のハッカーニンジャが動作を監視している。スタッフを呼びつけるような場合を除き、誰かが216F以降に移動しようとした場合、それを不審な行動として検知し、最も低いフロアで強制的に停止させるとオナタカミ・トルーパー部隊を急行させる。

PCが一般人を装っていれば、オナタカミ・トルーパーは最初こそ穏便に対処するが、2回目以降は即時の戦闘に発展してしまう。



シーン2:侵入調査(216~220F)

順当に事前調査を行えば、受付オイランへのインタビューなどから、シロウ・イスヒの滞在先の候補は216F~220Fの5フロアのどこかまで絞り込むことができるだろう。次の段階において、PCはこのフロアへと侵入して直接調査を試みることになる。各フロアではオナタカミ・トルーパーが巡回警備を行っており、ロックされた複数の部屋が配置されている。PCは手分けをして、この5フロアを調査する。

まず各PCはそれぞれどのフロアに忍び込んで調査を行うか宣言し、そのフロアへと移動する。その後イニシアチブ順に下記の調査判定を行う。同じフロアに複数人が向かっても構わない。手番が一巡したら、同じ処理を繰り返すこと。


ホテル・フロアの調査

特定のフロアでシロウの居場所を突き止めようとする場合、「生命反応を探る」「隠密行動で部屋を探る」の2つの手段によって調査を試みることになる。いずれか判定を行ったとき、成功したダイスの数だけ、そのフロアの『調査進展度』が増加する。『調査進展度』10に到達した時点でフロアの調査は完了だ。

調査が完了したとき、それが何番目に調査完了したフロアかに応じて幾つかのイベントが発生する(詳細後述)。

◇調査判定:生命反応を探る
判定:
発動判定(難易度:NORMAL)
消費:1手番
PCは現在フロアの生命反応をニンジャ聴力や第六感などによって走査することができる。ただし大量のオナタカミ・トルーパーが配置されていることを理由に、別フロアの状態を探ったり、ニンジャソウルを見分けることは困難となっている。

ペナルティ/リスク:少なくとも1回は「隠密行動で部屋を探る」に成功しない限り、『調査進展度』が10に到達しても調査が完了しない。

◇調査判定:隠密行動で部屋を探る
判定:
【ワザマエ】判定(難易度:HARD)
消費:1手番
PCはオナタカミ・トルーパーの警備や監視カメラ網を掻い潜って、直接現在フロアの各部屋を調べることができる。ただし「生命反応を探る」ことで、どの部屋が空室なのかを確かめない限り、全ての部屋を調査する必要があるため、その判定難易度は+1されてしまう。

ペナルティ/リスク:この判定に同じフロアで2回失敗した場合、即座に敵に検出され、オナタカミ・トルーパーとの戦闘が発生する(詳細は後述)。​

◇NPCサポート

このシナリオにおいてNPCはPCのような調査判定を行わない。PCは代わりに彼らが同行している恩恵の表現として、それぞれシナリオ中1回に限り、任意のタイミングでNPCに応じた特殊な効果を発動させることができる。

ブルームキャット:判定前にサポート効果の使用を宣言すると、その判定における『調査判定』の成功ダイス数を自動的に+3する。

ライトニンググローブ:戦闘系イベントが発生したとき、それをキャンセルすることができる(敵がPCを見つける前に、ライトニンググローブの引き起こす騒ぎを確かめに行こうとする)。


フロアマップとイベント

プレイヤーの"メタ読み"によって、最も可能性の高い最上階から調査を行われることへの対策として、「侵入調査」ではフロア階数ではなく調査が完了した順番に応じてイベントが発生する。

判定失敗に伴うオナタカミ・トルーパーの襲撃を含め、各イベントでは敵に発見され戦闘が発生する場合がある。戦闘が発生した場合に限り、上記の汎用マップを使用すること。

敵に発見されたら?:「隠密行動で部屋を探る」判定に失敗した場合など、アマクダリ・セクトの警戒網にPCの存在が察知されてしまうと、もはや隠密行動は不可能となる。

この場合、「生命反応を探る」判定のみでフロアの調査が完了するようになるが、その判定難易度はU-HARDとなる。さらに、汎用マップ上でオナタカミ・トルーパーとの戦闘が発生し、場合により後述の"ブラックトゥース"がフロア間を移動して襲撃を仕掛けてくる。

「生命反応を探る」にも1手番を消費するため、その間は敵に攻撃ができないことには注意が必要だ。

◇NPCデータ:オナタカミ・トルーパー

各フロアには6体のオナタカミ・トルーパーが存在している。PCが「隠密行動で部屋を探る」に失敗したとき、まずはこの6体が相手になる。引き当てたランダムイベントによっては、他の敵が既に同じフロアに存在する場合もある。

アマクダリの警戒網がPCを捉えた場合、オナタカミ・トルーパーズは1手番を消費して、任意のフロアへと移動することもできる(エレベーターや階段を経由して即座に移動が完了する)。

◆オナタカミ・トルーパー (種別:モータル/バイオ生物/クローンヤクザ)
カラテ     2  体力     2
ニューロン   2  精神力    1
ワザマエ    3  脚力     2
ジツ      -  万札     1
近接攻撃D:2、射撃D:5
◇装備や特記事項
 装備:液晶ヘルメット(「サイバーサングラス」とみなす)
    オナタカミ武装戦闘服(「タクティカル・ニンジャスーツ」とみなす)

 オナタカミ・アサルトライフル:『遠隔武器』、『小銃』、『連射3』、『ダメージ1』


調査完了イベント:第一フロア

最初に調査が完了したフロアには何も不審なものはない。ハズレだ。NMは後述の『ランダムイベント表』をロールしておいても構わない。


調査完了イベント:第二フロア

このフロアでは、6名のオナタカミ・トルーパーを従えた警備ニンジャ、ブラックトゥースが巡回を行っている。それ以外に有用な情報はありそうにない。ハズレだ。NMは後述の『ランダムイベント表』をロールしておいても構わない。


◇NPCデータ:ブラックトゥース

ブラックトゥースは黒いボディスーツのようなテックニンジャ装束に身を包んだニンジャであり、裂傷を引き起こすカエシ付きのダガーナイフと二挺の小型サブマシンガンを得物としている。彼の役割はハッカーの護衛と、オナタカミ・トルーパーの指揮である。

カラテのワザマエは低いが、戦術指揮に長けており、相手の力量が分かるまではトルーパーを当て馬に遠隔攻撃に専念するなど、慎重なイクサ運びをする。

「オレはプロフェッショナルだ。徹底的にやらせてもらう」 /// 「減らず口もそこまでだ」 /// 「テロリストめ!国家制圧火力を喰らえ!」

◆ブラックトゥース (種別:ニンジャ)	
カラテ    7   体力    9
ニューロン  7   精神力   6
ワザマエ   6   脚力    4
ジツ     0   万札    25
近接D:8、射撃D:10、回避D:12
◆装備や特記事項
 装備  :『アクシス正式テックニンジャ装束(体力+2, 回避D+3)』
 スキル :『●連続攻撃2』、『●時間差』、『●マルチターゲット』
      『◉銃弾の見切り』、『◉ツジギリ』、『◉シャープシューター』
 サイバネ:『▶生体LAN端子Lv1』『▶テッコLv1』、『▶▶サイバネアイLv2』

『●光学ノイズ散布装置』:このキャラに対する射撃難易度は常に+1となる。

『Vzサブマシンガンx2』:
 遠隔武器、二挺拳銃、連射6、ダメージ1、基本攻撃難易度:HARD、時間差可、マルチ可

 『●射撃スタイル|全方位薙ぎ払い』:
  難易度HARDの射撃判定を行う。成功した場合、
  自身を中心とした5x5範囲内の敵全員へ自動的に1ダメージを3回与える(回避:NORMAL)

『裂傷ダガー二刀流』:
 特殊近接武器、二刀流、連続攻撃+1、ダメージ1、回避ダイスダメージ1

『戦術指揮|サンダンウチ・タクティクス』:
 手番終了時に【精神力】を1消費し、どちらかの効果を以下から選択して即座に発動する。
 
 効果1:マップ上のオナタカミ・トルーパーx3体を即座に行動させる。
     これは本来のイニシアチブの行動を消費しない。

 効果2:マップ上のオナタカミ・トルーパー*3体を即座に行動させる。
     これは本来のイニシアチブの行動を消費するが、その攻撃の回避難易度は+1される。


調査完了イベント:第三フロア

PCが3番目に調査するフロアには、施錠されたスイートが存在する。ドトン・ジツなどでダクトを経由するか、【ワザマエ】or【ニューロン】判定(U-HARD)によって内部の様子を密かに確認することができる。

ここにはアマクダリのハッカーニンジャ、フォーマルエンドが控えており、部屋のアクセスポイントからホテルのセキュリティシステムに直結し監視を行っている。彼が問題を検知した場合、部屋に待機しているオナタカミ・トルーパー3人とブラックトゥースを現場へと派遣する。

もしPCが部屋に侵入しようとした場合、フォーマルエンドは1ターンだけ戦闘した後、護衛にその場を任せてすぐに窓から離脱する。NMはPLに、彼とはすぐ再戦の機会があると伝えておくと良いだろう。一方でアマクダリ・セクトの警戒網はPCを捉え、残存戦力がPCへと押し寄せる。

PCが既に発見されていた場合:フォーマルエンドは既にこの部屋にいない。代わりにランダムイベント表(3)のようなバクチク・トラップが仕掛けられている。


◇NPCデータ:フォーマルエンド

アマクダリ・アクシスのハッカーニンジャ。前線担当ではないが、高い論理タイプ力を持ち、無数の強化装甲ドローンを無線操作して味方を護りながら、システマチックなカラテ戦闘を行う。

「野蛮人め」 /// 「そも、私は此処にイクサをしに来た訳ではない」

◆フォーマルエンド (種別:ニンジャ)	
カラテ    8   体力    8
ニューロン  8   精神力   9
ワザマエ   7   脚力    4
ジツ     0   万札    50
近接D:8、射撃D:8、回避D:8、電脳:16
◆装備や特記事項
 装備  :『イタリアン・スーツ』、『パーソナルメンポ』
 スキル :『●連続攻撃2』、『●連射2』『●時間差』、『●マルチターゲット』
      『◉◉タツジン:ミリタリー・カラテ』、『◉ウィークポイント射撃』
      『◉kill_9』
 サイバネ:『▶▶▶生体LAN端子Lv3』、『▷回避パターン解析』
 武器  :『LAN直結型ハンドガンx2』

『●サモン・ハイタカコマンド』:
 【精神力】を1~3消費し、「その他の行動」としてハッキング判定(難易度:HARD)を行う。
 成功した場合、消費した【精神力】分の「ハイタカ」をマップ上の任意の場所に配置する。
 このスキルで召喚したハイタカはマップ上に3体までしか存在できない。

『●ムテキ・ドローン』:
 重金属装甲板めいた平たい小型ドローンを大量に遠隔操作し、変幻自在の盾として用いる。
 このニンジャがPOPするとき、次の特性を持つ「ムテキ・ドローン」を同時にPOPさせる。
 
 ・ドローンは術者に重なり合うように存在し、20点の【体力】を持つ。
 ・ドローンは範囲攻撃に対してのみ『ダメージ軽減2』を持つ。 
 ・術者もしくはマップ内の味方が攻撃を受ける時、本人の回避判定を行う代わりに
  発生するダメージをドローンの【体力】に肩代わりさせてもよい。
  このとき『サツバツ!』や『ヒサツ・ワザ』からは痛打+X以外の効果を受けない。
 ・ドローンは直接攻撃することも可能である(回避不可、戦闘兵器扱い)。 

『●ムテキ・リフレクション』:
 遠隔攻撃をドローンの盾で精確に反射し、カウンター攻撃を食らわせる。
 ムテキ・ドローンが存在する限り、「遠隔攻撃」に対し「カウンターカラテ」を発動できる。
◆ハイタカ  (種別:戦闘兵器、クローンヤクザ*)
カラテ    2  体力   3
ニューロン  3  精神力  –
ワザマエ   3  脚力   6(飛行のみ)
ジツ     –  万札   2
攻撃/射撃/機先/電脳  -/4/4/4

◇装備や特記事項
 ショットガン: 銃器、連射1、ダメージ2
 小型マシンガン: 銃器、連射3、ダメージ1

『◉飛行移動』:ハイタカは6マスの『飛行移動』を行える。
『◉空中制動』:ハイタカは『飛行移動』による不利な影響を特に受けない。

*『クローンヤクザ生体脳』:
  ハイタカは精神攻撃系のジツに対しては「クローンヤクザ」とみなされる(モータルではない)。
  そのジツが【精神力】ダメージを与えるものだった場合、【体力】ダメージに読み替えられる(軽減不可)。
  このルールはジツに対してのみ有効であり、精神攻撃系のスキルは対象外である。


調査完了イベント:第四フロア

PCが4番目に調査するフロアには、それぞれモータルの反応とニンジャの反応が感知できる部屋がある。この部屋は隣り合っている。ここまでターゲットを発見できていないPCたちにとって、ここはシロウ・イスヒが居る可能性が最も高い場所だが、前者に居るのは彼ではなくダイザキ・トウゴことメフィストフェレスである(PCは彼のニンジャソウルを感知できない)。

PCがダイザキの部屋へと踏み込むことを決断した時点で、シーンは次へと進む。


◇ランダムイベント表

NMは各フロアについて、PLが調査することを決定した段階でD6をロールし、その出目に応じたランダムイベントを発生させても構わない。いずれのイベントも、ライトニンググローブのNPCサポートによって打ち消すことができる。

◇ランダムイベント表(D6)
1:赤外線センサーの電子ナリコトラップが仕掛けられている!そのフロアを調査しようとしていたPC全員は、センサーに気がついたかどうか難易度HARDの【ニューロン】判定を行い、判定に失敗すると警報が鳴り響き敵に検出されてしまう。

2:上階からショットガンで武装した3人のオナタカミ・トルーパーが階段を下ってくる!そのフロアを調査しようとしていたPC全員は、身を潜めやり過ごすことができたかどうか難易度HARDの【ワザマエ】判定を行う。失敗した場合は戦闘が発生するが、トルーパーの手番までに全滅させることができれば隠密状態は維持される。

3:ひとつの部屋に3つの生体反応がある。このイベントを引き当てた段階では何も起こらない。NMはPCが「生命反応を探る」に成功するまでこの情報を開示しなくても良い。部屋にいるのは武装したオナタカミ・トルーパーだが、扉にはバクチクトラップが設置されており、不用意に解錠を試みたPCはD3の火炎ダメージを受けてしまう。これを解除し、密かに内部を調査するには難易度:HARDの【ワザマエ】判定が必要となる。

4:6体のオナタカミ・トルーパーが巡回している。何も特別なイベントはない。すでに引き当てたイベントを再び引き当てた場合、この出目4と同じように通常の警備配置でフロアを処理する。

5:警備ニンジャのブラックトゥースが移動してくる。このイベントを引き当てると、本来のフロアからブラックトゥースが移動してくる。NMはさらに、出目1のような電子ナリコや、出目3のようなバクチクトラップが各部屋に配置されているとしても良い。

6:アサシンニンジャの待ち伏せだ!階段の天井に潜んでいたアサシンニンジャ、ワンダーパスが、このフロアへと移動するイニシアチブの最も低いPCへアンブッシュを仕掛けてくる。回避難易度はU-HARDで、そのダメージは2だ。

アンブッシュイベントを処理した後、PCは望むならワンダーパスとの戦闘シーケンスに突入できる。ワンダーパスを3ターン以内に倒せなかった場合、あるいはマッタキを見破れなかった場合、このアサシンは逃亡に成功し、侵入者の情報をフォーマルエンドへと伝える(警報が発令され、隠密行動が不可となる)。


◇NPCデータ:ワンダーパス

ワンダーパスは装束も含めた全身の体色を周囲と同化させる、タコめいた有機的なステルス・ジツを使用する。壁や天井を跳ね回り、手刀による不意打ちを主体に戦う。

ワンダーパスは不利な状況に陥ると、離脱するために『★マッタキ』を使用する。その姿は爆発四散するかわりに、薄れて背景と同化し消えてしまう。PCはワンダーパスが行ったマッタキの発動難易度+1の【ニューロン】判定に成功することで、それを即座に見破り無効化することができる。

◆ワンダーパス (種別:ニンジャ/バイオニンジャ)	
カラテ    8   体力    13
ニューロン  8   精神力   6
ワザマエ   6   脚力    5/N
ジツ     4   万札    15
近接D:8、射撃D:7、回避D:8、イニシ:9
◆装備や特記事項
 スキル :『●連射2』『●時間差』、『●マルチターゲット』
      『◉バイオニンジャ化』、『◉空中制動』、『◉翻弄』
 ジツ  :『☆ステルス・ジツLv3』、『★マッタキ』

 サイバネ:『▲▲スマート・バイオサイバネLv1』、『△隠された毒牙』、『△コブラ・アーム』
      『▲▲戦闘用バイオトルソーLv1』、『△ネコ科の下半身』
 武器  :『バイオ武器Lv0』

『●移動スタイル:跳躍踏み付け移動』:
 3マス以内の好きな地点へと、跳躍によって一直線に『飛行移動』する(曲がれない)。
 移動終了点に敵がいた場合『轢殺攻撃1』を与え、押しのけが発生する。


シーン3:ダイザキの罠(RPイベント)

部屋に踏み込み、モータルの背後へと近づく。そして君はすぐに、それがシロウ・イスヒでは無いことが分かった。その男は白髪の老人であったからだ。この男ではない。そう思い踵を返そうとする君よりも早く彼は声をあげた。「これはこれは、珍しい客人がいらしたようだね」

君のムーブメントは完璧であった。何故彼はそれに気がつけたのか?ニューロンが高速で回転する。老人は振り向く。 「ドーモ、私はダイザキ・トウゴと言う。フォーマルエンド=サンが報告してきた不穏な兆候、それは君の……いや、君たちの仕業だね?」

ダイザキ・トウゴと名乗る男は……おお……もみあげから顎までつながった白髭、しっかりとシワの刻まれた顔、しかし、なめし革めいた皮膚の下に異常な生命エネルギーが駆け巡っている事が明らかな、この不穏な老人は、余裕に満ちた態度で君に向き合った。

君は警戒する。だが相手はあまりにも無防備だ。既に100回でも彼を殺せたであろう。それが故に、君のニューロンが体を完全な警戒態勢に移行させてはくれないのだ。「落ち着きたまえ。私は他でもない、君たちと話がしたいのだ」

実のところ、PCはダイザキが張り巡らせた罠に掛かり、無意識の内にこの部屋へと誘い込まれている。彼の目的は時間稼ぎもあるが、あわよくばPCをタイジン・ジツにより絡め取ろうとしている。ダイザキはカラテ戦闘に持ち込む間もなく交渉のテーブルにつかせてくるが、その時点でPCは一方的な舌戦の場に引きずり込まれているのだ。

シロウとの会話からPCに僅かばかりの興味を持つダイザキは真実を餌に、次のような甘言でPCを懐柔し、契約書へサインさせようとする。PCは使命感を理由に彼を殺そうとしたり、シロウの居場所を聞き出そうとするかもしれないが、ダイザキの巧みな言葉回しは『もしかしたら』と有意性を感じさせ、ブレイを働くことを完全に阻害してしまう。

◇ダイザキのセリフの例
*「君たちは何らかの使命を持ってここに来たのだろう。だが、不思議とそこには迷いと、畏れを感じる」
 「そう、それは、君のアイデンティティについての問題だろう。そうだな、隠すこともあるまい。私はシロウ君と対話した。彼は想像以上に、君たちのことを知っていたぞ」

*「暗躍するニンジャエージェントが、ソウカイ・シンジケートの死せるニンジャと誤認される?そんな突飛な偶然があると思うかね?断言しても良い。君たちは"嘘"に縛られている」
 「セクトが握る情報と、シロウ君からもたらされた情報。これを繋ぎ合わせれば、幾つかの真実が見えてくる。私にはその情報を渡す用意がある」

*「力を貸そう!何がほしい。時間がないぞ。整理しよう」彼の手には何の変哲もないオフィス用紙があった。彼はそれをテーブルに置いた。
 メフィストフェレスはやや思案し、アシッドウルフ、と書いた「まずこの男アシッドウルフについて君は知っておかねばなるまい。"嘘"で君たちを縛り付けている相手だ。彼は秘密諜報の手法に熟達している。アメリカ、ヨーロッパ諸国、そして旧ソ連!」
 「セクトの強固なシステムを掻い潜るのは並大抵のことではない。それはひとえに、彼の手腕だけによらず……」ダイザキは言葉を切った。「済まん。つい話を急いた。約束の全貌を見せねばフェアではない」
 彼はアシッドウルフの名の下に「サイオコール」と書いた。「奴は射撃塾シャーテックの出身。だが、嘗ては旧アメリカ合衆国で活動していた人物だ」目を細め君を見る。

*「私は胸襟を開いて君と話している」ダイザキは胸に手を当てた。「全てを知れば、君はきっと考えを改めるだろう。解りあおう。君の力を貸してほしい。君を助けるために、私を助けてほしい」彼はソファを立ち、君の手を取った。そして万年筆を握らせた。「いざ、協力関係を」


◇NPCデータ:トスカーナ

ダイザキが待機している隣の部屋には、ローマ・カトリック系の装いをした修道女ニンジャ、トスカーナが控えている。彼女は外見からは分からないが頭部を重度のバイオサイバネ置換しており、窮地に陥ると、虹彩に十字架の紋様を持つ巨大な1つ目『ミスカトニック・アイ』が暴かれる。薄っすらと残る、顔を真っ二つに引き裂くようなカタナ傷は、実際にはこの眼のアイラインである。

華奢な体からは想像できない剛力のニンジャであり、遠距離から一方的にカラテ・ミサイル爆撃を行いつつ、連続側転で追いすがってきた敵をカウンターで迎撃し、孤立したところをカラテで押しつぶすという戦術を取る。

トスカーナはメフィストフェレスが時間稼ぎをしている間に、同フロアのオナタカミ・トルーパーを引き連れて屋上へと向かい、シロウ・イスヒの護衛に付く。

「不浄、それを滅することが私の役割です」 /// 「信徒よ、アノヨへの道に迷っているようですね。私が導いて差し上げましょう」 /// 『神託ゥ!死刑ィ!』

◆トスカーナ (種別:ニンジャ)	
カラテ    11   体力   13
ニューロン  8   精神力  16
ワザマエ   6   脚力   7/E
ジツ     6   万札   50
近接D:11(13)、射撃D:6、回避D:12、ジツ発動D:14
◆装備や特記事項
 装備  :『ローマン修道服(回避D+1)』、『クロスペンダント(精神力+1)』
 スキル :『●連続攻撃2』、『●時間差』、『●マルチターゲット』
      『◉スリケンの見切り』、『◉常人の三倍の脚力』
      『◉剛腕(出目6で近接に弾き飛ばし付与可)』
      『◉◉グレーター級ソウルの力』

『●特攻|不浄』:
 アクマ・ニンジャクラン、ゾンビーあるいはニンジャソウルの闇、狂気を持つキャラクターを
 聖なるジツが効果を及ぼす『不浄』な存在として扱うことができるようになる。

『☆ディバイン・カラテ』:
 タイミング:手番開始時、コスト:精神力1、発動:ジツ判定(HARD)
 術者の「素手」に戦闘終了時までエンハンスを施し、『カラテ判定ダイス』+2の効果を与える。
 また「素手」の『近接攻撃』は『不浄』な敵に対して『ダメージ+1』の効果を得るようになる。

『★オーラ残像』:
 敵を惑わすオーラ残像が発生し、その動きを捉えることを困難とする。
 移動フェイズに2マス以上移動した場合、即座に回避ダイスを+2する。

『★★ディバイン・カラテ・ミサイル』:
 タイミング:攻撃フェイズ、コスト:精神力2、発動:ジツ判定ダイスによる射撃(NORMAL)
 即座に次のどちらかの武器で特殊な射撃を行う。Xは術者の【ジツ】値に等しい。
  1:遠隔武器、1ダメージ、連射X+2、マルチターゲット
  2:遠隔武器、2ダメージ、連射(X/2)+1、時間差、マルチターゲット
 また『不浄』な敵に対しては、1発毎に『回避ダイスダメージ1』を追加で与える。これは累積する。

『ワザ|対空ポムポムパンチ』:
 移動スタイルを使用した敵から『近接攻撃』を受けたとき、
 『回避』判定に成功するだけで『カウンターカラテ』が発生するようになる。

『???』:
 【体力】+2、【精神力】+1の効果を得る。
 【体力】が6以下まで低下したとき、追加の効果が発生する。
===
『★ミスカトニック・アイ』:
 擬態が解け重篤バイオサイバネ置換された素顔が暴かれる。
 これ以降、『★ラピッド・カラテミサイル』が使用可能となる。


◇NPCデータ:ベンドナイト

「全く……残念だ!」スリケンがダイザキを襲う!だが、それは彼の目の前で、空中に壁があるかのように隔たれた。キネシス・ジツの類か?

PCらはその気配を察知できないが、真下のフロアや隣の部屋の何処かには、シャドウドラゴンなど極めて強力なアクシスのニンジャがメフィストフェレスの護衛に控えている。これは過去に交戦して取り逃したアマクダリニンジャなどでも構わない。

彼ら護衛ニンジャは、ダイザキが攻撃を受けたとき(または交渉が決裂したとき)キネシス・ジツやカゲのジツによって姿を見せないままそれを防いでしまう。もしPCがさらに強引にダイザキを攻撃しようとするなら、シャドウピン・ジツによって動きを完全に拘束されるなど、強烈なペナルティを受けた状態から戦闘が始まる。NMは事前に、アマクダリの大幹部を襲う行為には相応のリスクが伴う、と忠告すべきだろう。


これは【オペレイシヨン・マタドール】などでベンドナイトと交戦し、彼が生き延びていた場合のオプションでもある。ダストブレイカーが生存している場合、彼女はベンドナイトに伴ってエントリーする。爆発四散していた場合、ベンドナイトは単独である代わりに『アカシック・アイ』の能力を得ている。

「来い、カラテを見てやる。もう一度だ」 /// 「そのワザマエは既に見切っている!」

◆ベンドナイト(種別:ニンジャ)
カラテ     9  体力     9
ニューロン   9  精神力    16
ワザマエ    12  脚力     7
ジツ      6  万札     50
近接攻撃D:9、射撃D:12、ジツ判定D:16、回避D:13
◇装備やスキル
 装備  :『パーソナルメンポ』、『特殊伝導ミリタリーニンジャコート(ジツ判定D+1)』
 スキル :『●連続攻撃2』、『●連射2』、『●マルチターゲット』、『●時間差』、『●疾駆』
      『◉◉タツジン:ジュージツ』、『◉特殊近接ステップ』、『◉爆炎の見切り』
      『◉◉グレーター級ソウルの力』

『☆キネシス・ジツ』:
・タイミング:攻撃フェイズ開始時、コスト:精神力1、発動:ジツ判定(NORMAL)
 この手番のみ術者の『スリケン』に次の効果を付与する。
   『連射+1』、『射撃難易度-1』、『射撃D+3』、『障害物無視』、『隣接射撃可能』

 『●射撃スタイル|キネシス制圧射撃』:
   この手番のみ『連射+1』を『連射+3』に強化する。

 『●射撃スタイル|キネシスフェイント射撃』:
   この手番のみ『スリケン』の回避難易度を+1する。

『★★マツシタズ・ワールウィンド・オブ・デス』:
 キネシスにより大量の瓦礫などを術者の周囲で旋回させ、竜巻めいた閉鎖空間を形成する。
 術者は自身を中心とした5x5マスを効果範囲として、戦闘終了時まで次の効果を得る(自動発動)。

 ・効果範囲内の味方全員は、あらゆる遠隔攻撃に対して有効な『ダメージ軽減1』を得る。
 ・効果範囲内で『近接攻撃』を繰り出した敵は、そのフェイズの終わりに『近接攻撃』1発につき
  1ダメージを受ける(時間差、回避:NORMAL)。これはカウンターカラテに対しても発生する。

『●アカシック・アイ』:
 「回避ダイス」が最大値の半分以下(7)まで低下したとき、
 即座に【精神力】1を消費し、次のどちらかの効果を得ても良い。

 ・ターン終了時まであらゆる攻撃に対して「回避難易度-1」の効果を得る。
 ・即座に「回避ダイス」を+10する。


シーン4:ヘリコプター、そして屋上へ

「残念だが。時間切れだ」老人は契約書を掴み、テーブルの蝋燭で焼き捨てた。そして上空からは……ヘリコプターのローター音!推察するに……シロウ・イスヒは空路で逃れようとしているに違いない。ヤラレタ!時間稼ぎだ!
「彼のように君たちも欲しかったが……仕方あるまい。精々頑張り給え」

PCがあわやメフィストフェレスのタイジン・ジツにより契約を結んでしまおうかというとき、ビルの外からはヘリコプターのローター音が響いてくる。PCはその音、あるいはそれを知らせようと飛び込んでくる味方NPCの声で我に返り、ここを訪れた目的を思い出す。

ダイザキがシロウと"話した"ということは、交渉がまとまり、彼らにはすでにこの場所を離れる用意が整っているということに他ならない。PCは空路で逃れようとしている(と推測される)シロウ・イスヒを止めるべく、ダイザキとの対話を打ち切り、屋上へと向かうことになる。

PCの行動の如何によらず、ダイザキは屋上に向かう彼らを止めようとすることはない。

ボス戦1:ブラックトゥース隊

君たちは悪魔の一室から飛び出す。しかし、そこには隊列を組むオナタカミ・トルーパー小隊の姿!「ようやくお出ましか。全員、構え!」そして、その背後に控えるは、黒いハイテックスーツのニンジャだ!「ホノオ!」

PCが部屋から飛び出ると、そこには隊列を組んだオナタカミ・トルーパーと、それを指揮するブラックトゥースの姿がある。彼は容赦ない弾幕でPCを攻め立てながら、自身は油断して攻め込むことなく、シロウが脱出する時間稼ぎをしようとする。

NMはPCの範囲攻撃や対多数攻撃の取得状況に応じて、配置するオナタカミ・トルーパー(マッポガン装備)の数を調整する。もし2~3ターンで決着がつかない場合、別フロアでの戦闘を切り抜けた武闘派の味方NPC(サンプルシナリオの場合、ライトニンググローブ)がイクサ場に到達し、その場を引き受ける。

もしPLが窓を突き破ったり、何らかのジツを用いたりすることで屋上までのショートカットを試みたいと提案した場合、ブラックトゥースとの戦闘はスキップしても構わないだろう。

TIPS:サンプルシナリオにおいて、ブラックトゥースは生存することが想定されている(再登場する)。展開に合わせて爆発四散させても問題はなく、その場合は同じステータスの別のニンジャを登場させると良いだろう。


ボス戦2:待ち受けるシロウ・イスヒ

君たちは上空でホバリングしているヘリコプターを視界に捉える!降りてきているのか?飛び立とうとしているのか?分からぬ、しかし逃すわけにはいかないのは確かだ!君たちはニューロンの速度で判断する。

KABOOOM!破壊したヘリの残骸が降り注ぐ中、君は屋上の影をひと足早く視界に捉える。ニンジャ、ニンジャ、ニンジャ、クローン、モータル。

「イヤーッ!」シャウトと共に円弧を描くような稲妻が走り、モータルへと注いだ残骸を焼き払う。君はその光に照らし出される、モータルの顔を見た。シロウ・イスヒ……!

屋上ではシロウ・イスヒとその護衛が待ち受け、上空からは脱出用の武装ヘリが着地を試みている。NMはPCにロールプレイによってこのヘリを破壊させ、状況をシンプルにさせると良いだろう。

屋上には、シロウの配下であるプラズマワスプ(生存していない場合、別のメイライニンジャ)、アマクダリ側の護衛であるフォーマルエンド、トスカーナ、オナタカミ・トルーパーズ(4~6体)が待ち構えている。

NMは戦闘が発生する前に、後述のネゴシエーション・シーンを挿入し、シロウからPCへのクリティカルな情報開示とアマクダリへの勧誘を行っても構わない(アマクダリ・ルートへの分岐可能性)

戦闘の勝利条件:トスカーナとフォーマルエンドを行動不能ないし爆発四散させる。完了次第、VSシロウ・イスイへと移行する。


◇NPCデータ:プラズマワスプ

プラズマワスプは基本的にシロウの側をボディーガードめいて離れることはなく、危険な遠隔攻撃でPCを攻撃しトラブルに対処しようとする。

このシーンでは、展開によって味方NPC(ブルームキャットなど)がチームに同行している可能性がある。その場合は毎ターン、プラズマワスプとニューロン対抗判定を行わせ、成功数の差分(出目に関わらず成功数は1とカウントする)だけ判定に敗北した側が【体力】ダメージを受ける、特殊な『カラテラリー』状態に突入する。

PCが先述のショートカットなどを使用した場合、味方NPCが到着するまでの1D3ターンは彼の攻撃ターゲットとなる。

「忌々しいアサシンめ!トルーパー、備えよ!」「その余裕がいつまで続くか、見ものだな……」

◆プラズマワスプ(種別:ニンジャ)
カラテ     6  体力     8
ニューロン   9  精神力    11
ワザマエ    9  脚力     6/N
ジツ      5  万札     25
近接攻撃D:6、射撃D:9、回避D:9
◇装備やスキル
 装備  :『タクティカル・ニンジャスーツ』、『パーソナルメンポ』
 サイバネ:『▶︎クロームハートLV1』、『▷ジツ支援サイバネ』
 スキル :『●連射2』、『●時間差』、『●マルチターゲット』
      『◉スリケン乱射』、『◉シャープシューター』

『★プラズマ・クナイ』:
 >タイミング:手番開始時、コスト:精神力2、発動:ジツ判定(NORMAL)
 このマップにいる間、術者のスリケン投擲によるダメージ全てに
 『電磁ダメージ1』が追加され、基本の回避難易度がHARDになる。

『★チェインライトニング・ジツ』:
 対象を選択し難易度HARDで発動。距離無制限で視線の通る対象2体にそれぞれ電撃を放つ
 電撃は回避HARD、電磁ダメージ2、回避ダイスダメージ1、時間差不可である。
 ただしこの攻撃が命中したとき、その対象に隣接する敵にも同様のダメージが伝播する。


◇NPCデータ:シロウ・イスヒ

このモータル、シロウ・イスヒの正体は「コスモクライム」がニューロンに上書きされた人格代行者である。これに伴い、【オペレイシヨン・ミッドナイト・クライマックス】より前までの「コスモクライム」の記憶は完全に引き継いでおり、PCらの存在を最初から認知しているが、【オペレイシヨン・ミッドナイト・クライマックス】以降については把握しておらず、全く同じセリフを口にしたり、同じようなウカツを踏んだりする可能性が高い。

シロウはアマクダリ・セクトのニンジャ2人(トスカーナとフォーマルエンド)が爆発四散するまでマップには配置されず、攻撃できない(彼もPCを攻撃することはない)。

「ハハハ、ムカつく?今の貴方は過去の貴方では既にない。その感情は一体誰のものなのでしょうね」

◆シロウ・イスヒ(種別:モータル)
カラテ     3  体力     15
ニューロン   6  精神力    6
ワザマエ    3  脚力     2
ジツ      -  万札     0
近接攻撃D:3、射撃D:3、回避D:-
◇装備やスキル
 装備  :『高級スーツと丸眼鏡』
 サイバネ:『▶生体LAN端子』

『●ニルヤ警護兵』:
 シロウ・イスヒは白いサイバー鎧をまとう2人の重サイバネ兵士に護衛されている。
 この表現として、彼は【体力】+14の効果を得る。
 
 また毎ターン、次の武器で2回攻撃を行うことができる(判定自動成功)。
 
 『内蔵型スマートショットガン』:遠隔武器、連射2、時間差、ダメージ2⇛1、小銃、接射可能
  ※連射時、1発目のダメージは2、2発目のダメージは1となる。


*1手番につき、シロウには最大で5ダメージしか与えることができない。
 これにより、1ターンで倒すには最低でもPC3人の集中砲火が必要となる。


◇NPCデータ:スワッシュバックラー

このシナリオが【オペレイシヨン・グレイストーン】と同時並行で行われていない場合(つまり、PCが【オペレイシヨン・グレイストーン】をプレイしてからこのシナリオに辿り着いた場合)、ここにはスワッシュバックラーも待ち受けている。

イクサは更に激しく、過酷なものになるだろう。

TIPS:サンプルシナリオにおいて、スワッシュバックラーはここで爆発四散することを想定していない。もし追い込まれる場合があれば、爆発四散するかわりに撤退や生死不明の状態で処理するのが望ましい。

◆スワッシュバックラー (種別:ニンジャ)
カラテ    7   体力   10
ニューロン  7   精神力   11
ワザマエ   15  脚力   8/N
ジツ     3   万札   30

攻撃/射撃/機先/電脳  7/15/7/7
回避/精密/側転/発動  15/15/15/-

◇装備や特記事項
 装備 :『刺突剣(カタナとみなす)』
 スキル:『●連続攻撃2』、『●連射3』、『●時間差』、『●マルチターゲット』、『即死耐性』
     『◉◉◉忠誠心:アマクダリ』、『◉マーク・オブ・アマクダリ』、『◉電光石火』
     『◉バック転回避』、『◉殺人剣』、『◉◉タツジン(イアイドー)』
     『◉ヒサツ・ワザ:タイノサキ』、『◉銃弾の見切り』、『◉ツジギリ』

『●戦闘スタイル:連続精密刺突』:「刺突剣」装備時のみ使用可能
 『●連続攻撃5』となり、【ワザマエ】で『攻撃判定』を行う。
 『ターゲット敵1体固定』、『1ダメージ固定』、『カウンター不可』、『サツバツ!不可』

『◉戦闘スタイル:針の穴』:「刺突剣」装備時のみ使用可能
 【精神力】1を消費して使用。【ワザマエ】で『攻撃判定』を行う。
 『ダメージ1』、『痛打+1』、『回避難易度:HARD』、『装甲貫通1』、『ターゲット敵1体固定』

『●ハタモトの矜持』:
 ・マップ上の味方のニンジャが爆発四散、もしくは撤退するたびに『緊急回避ダイス』を+2する。
 ・『サツバツ!』などによる能力値ダメージを受けたとき、【精神力】1を消費して無効化しても良い。
 ・『●即死耐性』によるダメージ変換を『痛打+2d6』まで軽減する。


シロウの勧誘

そして最後に、2人の白甲冑の兵士たち……即ちニルヤ・トルーパーに護衛された男がゆっくりとアイサツを返した。「ハハハ、やはり、貴方達でしたか。ドーモ、シロウ・イスヒです」

珍しく晴れ渡った空の星々を、彼は無感動的に眺めていた。

NMの判断に応じて、シロウ・イスヒは「戦闘前」「戦闘中」「アマクダリ・セクトのニンジャが全員爆発四散した直後」のいずれかのタイミングで、PCをアマクダリ・セクトへと勧誘してくる。彼の態度は超然的で、自身の身に迫る脅威を正常に認識していないように思われる。

セリフの例
*「ダイザキ=サンとの対話を経て、なおセクトに歯向かおうとは。大変興味深い。ですが、どうでしょう。私と貴方の仲だ。今一度、話をしませんか?」


*「アマクダリにもたらされた貴方たちに関する情報、そして私の持つ知識。今宵この2つが出会い、ようやく貴方がたの正体に合点がいきました。つまるところ……この私と同じような存在であったのですね」


*「私はかつて、ヒトの生理学を研究していました。そして、そこに宿る精神についても。ですが、それは私に限った話ではない。列強諸国がそうしていた。そしてそこには……彼らも居た」

「ハハハ、アメリカ合衆国のCIAですよ。彼らはヒトの精神を操作する手法を研究していた。そして、貴方がたの"ボス"は、他でもないCIAの出身だ」

「だからこそセクトの裏をかけた、だからこそセクトから逃れられた、だからこそ……貴方がたの心を掌握することができた。もう気づいているでしょう、今の貴方は過去の貴方では既にない」


*「どうでしょう、私とセクトに来ませんか。さもなくば、利用され続けるだけだ。私が市井の人々をそうしているように」


*「ブラックソーサラー=サンの死によって、実際ニルヤ兵のカラテは衰えました。ですがこのように、私と脳をLANによって繋ぐことで…多少は補間が効くのです。何故なら彼らは別人と成るものたち。」


*「ニンジャのジツの源はどこだと思いますか。それはここならぬ次元、アノヨに由来しています。」

◇死亡時セリフ
・「全てが普遍的に、コトダマと繋がっていないことがもどかしい。私と世界は次元的に離れ過ぎている……ですが……また、お会いしましょう」

勧誘に乗った場合は?

シロウの勧誘に乗った場合、それが「アマクダリ・セクトのニンジャが全員爆発四散した直後」であれば「第三勢力ルート(コスモクライム・ルート)」へと分岐する。
 そうでなければ、【オペレイシヨン・グレイストーン】でスワッシュバックラーの誘いを断っていない限りは、「アマクダリ・セクトルート」へと分岐する。

サンプルシナリオでは想定していないケースではあるものの、シロウの勧誘に乗った場合、ブルームキャットに加え、アシッドウルフが潜ませていたメイライ・コーポレーションの伏兵ニンジャが乱入し、ボスキャラクターとなる。

このパターンでは、ボスキャラクターを全て爆発四散させるか、撃退することでシナリオクリアとなる。

TIPS:このパターンではアマクダリ・セクト側の戦力がかなり優勢になる。NMは生き残っているセクト側PCの人数に応じてPOPするボスの数を減らしたり、あるいはセクトNPCとぶつける形で任意のボスを除外できるものとして調整しても構わない。


◇NPCデータ:ファルシャムイェーガー

巨大な重サイバネアーマーに身を包む、メイライ・コーポレーションのニンジャ。サターンの実戦データに基づく様々な試験的武装が搭載されており、電磁クローアームによる近接戦闘だけでなく、圧倒的な火力による制圧戦も難なくこなす。

もし【オペレイシヨン・グレイストーン】で爆発四散していなかった場合、このニンジャがボスキャラクターとして登場する。既に爆発四散している場合、代わりに「サターン」を2体POPさせる。

『コーッ……シュコーッ……』 /// 『俺は、任務を、遂行している』 /// 『再装填、完了。ファイエル!』

◆ファルシャムイェーガー(種別:ニンジャ/重サイバネ)
カラテ    9   体力   20
ニューロン  7   精神力  7
ワザマエ   8   脚力   6/H
ジツ     2   万札   25
近接D:12、射撃D:11、回避D:10
◆装備や特記事項
 サイバネ:『▶生体LAN端子Lv1』、『▶▶▶テッコLv3』、『▷赤外線レーザーサイト』
      『▷電磁クローアーム』、『▷アーム射出ユニット』
      『▶クロームハートLv1』、『▷第二の心臓』

 スキル :『●連続攻撃2』、『●連射2』、『●時間差』、『●マルチターゲット』
      『◉重サイバネ化』、『●脆弱性(電磁1)』、『◉空中制動』、『◉ツジギリ』
      『◉◉防弾装甲(銃弾の見切り+スリケンの見切り)』、『◉滅多斬り』
      『◉タクティカル移動射撃』、『☆ビッグニンジャクランLv2』

『▷アーム射出ユニット』:シナリオ中3回までの使用。
 ・手番「終了フェイズ」に、「瞬時行動」として射撃可能。自動成功。
 ・3マス以内の敵1体(隣接不可)に、2ダメージ(基礎1+電磁1)を与える(回避:HARD)。

『メイライ社製LAN直結式サイバーアーマー』:
 ・着用者は『●移動:飛行移動(8マス)』かつ飛行移動中のみ有効な『轢殺攻撃2』を得る。
 ・『▷ファイアウォール』と『▷電脳戦用デッキ』の効果を得る。

 『マルチロックオン・ランチャー』:2ターン連続使用不可
  重火器、射撃難易度:HARD、時間差、連射3、カトンLv2

 『アーム・ガトリング』:2ターン連続使用不可
  小銃、射撃難易度:NORMAL、時間差、マルチターゲット、連射6、1ダメージ、回避:EASY

 『マイクロミサイルポッド』:シナリオ中1回までの使用。
  ・手番「終了フェイズ」に、「瞬時行動」として射撃可能。自動成功。
  ・視線の通る1マスを中心にカトンLv1を発生させる。
『スシ・アンプル自動注入装置』:シナリオ中2回までの使用
 手番開始時に瞬時行動として使用する。【体力】を2点回復するが、即座に『回避ダイス』が-2される。


◇NPCデータ:サターン(戦闘兵器)

メイライ社が開発中のOEMロボ・ニンジャ。オムラ社の試作型モータードクロを素体にオナタカミ装甲を採用。失われた技術であるV3ロケットエンジンを搭載しており、殺人轢殺タックルで全てを破壊し、分離変形した四本腕で破滅的全方位攻撃を繰り出す。

◆サターン(種別:戦闘兵器、大型2x2)
カラテ     8   体力     16
ニューロン   2   精神力    -
ワザマエ    12  脚力     3/6
ジツ      -   万札     30
近接攻撃D:8、射撃D:12、回避D:2
◇装備やスキル
 スキル :『◉ツジギリ』、『◉タクティカル移動射撃』、『◉緊急ブリッジ回避』
 サイバネ:『▷▷▷ジェットパックユニット』、『▷脚部内蔵型マイクロミサイルポッド』

 『電磁クローアームx2』:特殊近接武器、ダメージ1、電磁ショック1、連続攻撃2
 『ダブル・オムラ・マシンガン』:遠隔武器、連射6、ダメージ1、小銃、マルチターゲット

 『ゼンメツ・アクション・モード』:
  【体力】が半分以下まで低下したとき、常時『キリングマシーン』と同等の効果を得る。

 『●移動スタイル:殺人轢殺タックル』:
  『突撃』と同様の効果に加え、通過した障害物や厚さ2ptまでの壁を貫通・破壊する。
  さらに『●轢殺攻撃2』の効果を得る。


◇NPCデータ:シュトーストーペン

変形機構を有する不気味なサイバネボディを持つ、メイライ・コーポレーションのニンジャ。サターンの実戦データに基づく様々な試験的武装が搭載されており、昆虫めいた地を這う特殊なムーブメントと多腕を組み合わせた高速の近接戦闘で対多数をも難なくこなす。

『SSSSHHHHHHH!』 /// 『トーテン!トーテン!』

◆シュトーストーペン(種別:ニンジャ/重サイバネ)
カラテ    7    体力   12
ニューロン  6    精神力  6
ワザマエ   10   脚力   5/N
ジツ     3    万札   25
精密D:12(14)、射撃D:10、回避D:13
◆装備や特記事項
 サイバネ:『▶生体LAN端子Lv1』、『▶▶▶テッコLv3』、『▷▷▷内蔵型電磁チェーンブレード』
      『▶▶クロームハートLv2』、『▷▷胸部ブレードアーム展開』

 スキル :『●連続攻撃2』、『●連射2』、『●時間差』、『●マルチターゲット』
      『◉重サイバネ化』、『●脆弱性(電磁1)』、『◉◉タツジン:ジュー・ジツ』
      『◉◉防弾装甲(銃弾の見切り+スリケンの見切り)』
      『☆ドトン・ジツLv3』

『内蔵型電磁チェーンブレード』:
 大型近接テック武器、3ダメージ(1+痛打1+電磁1)、HARD、連続攻撃上限2

 『電磁強化』:
  手番「攻撃フェイズ」の開始時に使用を宣言できる(戦闘スタイルとは別枠)。
  このフェイズ中、電磁チェーンブレードによる電磁ダメージボーナスを+1ではなく+D3に強化する。
  シナリオ中1回限りの使用(リチャージ2)。

『●戦闘スタイル:強化精密攻撃』:
 【ワザマエ】で『攻撃判定』。『サツバツ!』は【6,6】、『ナムアミダブツ!』は【6,6,5】で発生。


◇NPCデータ:ブルームキャット

ブルームキャットは特殊なブンシンのジツで盤面を翻弄する。強力な範囲攻撃のジツや、対多数のマルチターゲット攻撃の手段を持っていればそれほど厄介ではないが、近接攻撃主体のPCは非常に苦戦させられることだろう。

「許されない。こんな……ヤツを目前にして……ボスを、裏切るなんて!」

◆ブルームキャット(種別:ニンジャ)
カラテ    6		体力    6
ニューロン  10		精神力   17
ワザマエ   7		脚力    5
ジツ     6		万札    50
近接D:9、射撃D:9、回避D:14、発動D:16
◆装備や特記事項
 装備  :『ホロ加工フードジャケット(回避D+1)』
 スキル :『●連射2』、『●時間差』、『●マルチターゲット』
      『◉常人の三倍の脚力』、『◉◉グレーター級ソウルの力』
      『☆ステルス・ジツ』、『★ステルス・アンブッシュ』、

 サイバネ:『▶生体LAN端子』、『▶▶▶鷲の腕Lv3』
      『▷▷▷内蔵型トキシンブレードx2(ダメ1&精神ダメ1、連続攻撃+1、内蔵型)』

『★★雑踏の猫』:
 自身の姿を雑踏に溶け込ませたり、その位置を錯覚させる強力な認識阻害を生じさせる。

 手番終了時に【精神力】1を消費して発動(難易度NORMAL)。
 術者は周囲5x5マス内の好きな場所に、「分身コマ」を4体配置する。
 このジツの効果中、術者本体か分身コマが攻撃を受けた時、術者はそれを「分身コマ」として
 即座にマップから除外してもよい(残った1体がつねに本体とみなされる)。

 また手番開始時、術者は分身コマを本体として、その位置から移動を開始しても構わない。
 このとき、本体以外の分身コマは消滅し、その数だけ「近接攻撃ダイス+X」の効果を得る。


◇NPCデータ:ライトニンググローブ

もしボスNPCが不足している場合、ブルームキャットの増援としてライトニンググローブをエントリーさせる。彼は余暇におけるPCとのカラテ・トレーニングや、【アンド・ザ・トラスト・シャル・メイク・ユー……】におけるイクサの経験から1段階強化された状態で登場する。

「テメー、なんで裏切りやがった?!」 /// 「さっきまで仲間だっただろうがッ!」

◆ライトニンググローブ(種別:ニンジャ)
カラテ     10  体力     13
ニューロン   6   精神力    6
ワザマエ    6   脚力     4
ジツ      3   万札     25
近接攻撃D:11、射撃D:6、回避D:12
◇装備やスキル
装備   :『伝統的ニンジャ装束』、『ニンジャレガース』
スキル  :『●連続攻撃2』、『◉一瞬の勝機』、『◉滅多打ち』、『◉頑強なる肉体』
サイバネ :『▶テッコLv1』

『☆デン・エンハンスメント』:
 手番開始フェイズに【精神力】1を消費して発動(難易度:NORMAL、瞬時)。 
 『素手』攻撃時、エンハンスによる「回避ダイスダメージ1」を得る。
 
 エンハンス持続中、さらにこのジツを発動した場合、
 本来の効果に加えて「電磁ダメージボーナス1」を得る。

『☆◉ヒサツ・ワザ:デン・パンチ』:
 素手の『近接攻撃』で『ナムアミダブツ!』を発生させた場合、その効果を置き換えてもよい。
 この攻撃は『電磁ダメージ+1D3』かつ『回避U-HARD』となる。



シーン5:シロウとの決着

「私はかつて、ヒトの生理学を研究していました。そして、そこに宿る精神についても。だからこそ、その脆く壊れやすいソウルの綻びが手にとるように分かる!」シロウの語気が強まったそのとき。

彼の背後、即ちビルの外壁から、ガチリ、ガチリ、という音と共に、巨大な機械の鉤爪が屋上の縁にかけられた。君たちはかつて、この鉤爪を目にしたことがある……。これは、メイライ社のサターンか…!?

だが続いてその中央から現れたのは、あの危険なロボ・ニンジャのシャーシではなく、オナタカミ社の戦車兵器、シデムシであった!腕の生えた……シデムシ!コワイ!

トスカーナとフォーマルエンドを撃退すると、マップ上には初めてシロウ・イスヒが配置される。さらにマップ北側からは巨大な戦闘兵器『サンセイ・シデムシ』が登場し、マップオブジェクトとしてPCに凄まじい火力で攻撃を浴びせかけてくる。

PCはこの銃撃を掻い潜りながら、シロウ・イスヒの体力を削りきり、トドメを刺すのが目的となる。

TIPS:シロウはそれなりの体力を持つが、PCの集中砲火を受けるとひとたまりもない。ある程度、RPを交えた戦闘のフィナーレを演出したいなら、回避ダイスを多少持たせるか、完全にロールプレイのみで処理を終えても構わない。

*もしスワッシュバックラーがこのシーンに存在する場合、彼からダメージを受けたPCは次の手番でシロウを狙えない、など足留めの効果を持たせても良いだろう。

*別のオプションとして、サンセイ・シデムシに一定以上のダメージを与えると、初めてシロウをターゲットに選択できるようになる……としても良い。

◇NPCデータ:サンセイ・シデムシ(戦闘兵器)

メイライ社の特殊処理頭脳を3機搭載した、試作型のシデムシ。常人による操作は想定されていない。アクマめいた鉤爪付きの腕が増設され、三叉に分離する頭部は神話のトライヘッズ・ドラゴンを彷彿とさせる。

シロウ・イスヒの注文によって製造された特注モデルであり、2体は存在しない。その「特殊処理頭脳」とはニューロンチップ化されたコスモクライムそのものであり、シロウ・イスヒとニューロンを同調した状態で操作される。

「貴方がたを説得するのには骨が折れそうだ。故に、アマクダリに技術提供し作らせたこの玩具……このボディでお相手しましょう」彼は薄ら笑った。

◆サンセイ・シデムシ (種別:戦闘兵器、大型3x3)
カラテ    6   体力    24/-1
ニューロン  6   精神力    –
ワザマエ   12  脚力     6
ジツ     –   万札   12
近接攻撃D:6、射撃D:12
◇装備や特記事項
 ファイアウォール  :ハッキング由来のダメージ1発を無効化する、使い切り
 熱線トーチ     :近接武器、連続攻撃1、D3ダメージ、貫通1
 電磁クローアームx2 :近接武器、連続攻撃2、ダメージ2、電磁ショック1

 『●即死無効』、『●轢殺攻撃2(基本使用せず)』、『●ダメージ軽減1』

 『ニ連装アンタイ・ニンジャ・ライフル』:
  銃器、連射2、ダメージ1、装甲貫通2、時間差、射撃難易度:NORMAL、回避:HARD

 『ブラックアウト・メーザー』:
  電子回路の破壊や表皮水分の急速加熱による激痛を引き起こすマイクロ波兵器。
  ・銃器、爆発(3x3)、火炎ダメージ1、精神力ダメージ1、射撃難易度:NORMAL、回避:HARD

 『●戦闘スタイル:薙ぎ払い&クラスターミサイル追撃』:
  チェーンソーめいた尾部で敵を薙ぎ払った後、ミサイルによる絨毯爆撃で追い撃ちする。
  隣接する任意の3x3範囲へ自動的に「ダメージ1」と「弾き飛ばし」(回避NORMAL)を与えた後、
  次の武器によって射撃判定を行う。1ターンに1回までの使用。
  ・銃器、連射6、爆発(3x3)、ダメージ1、時間差、マルチターゲット、射撃:NORMAL、回避:EASY

 『●トライヘッズ・ドラゴン』:
  この個体には3つの頭脳が搭載されており、頭部を三叉に分離し、それぞれを独立して操作できる。
  手番開始時に三叉モードへの変形を宣言した場合、「攻撃フェイズ」で3回行動する。
  ただしこの場合、次の手番開始時まで、『●ダメージ軽減1』の効果を失う。


結末

シロウ・イスヒは、死んだ。それと同時に、凶悪な改造シデムシもぐったりと動作を停止し、屋上から階下へと……「イヤーッ!」

それよりも早く、プラズマワスプはクナイ・ダガーでその頭部を切開。何かを精密に摘み取ると、君たちを一瞥し、下界へと自由落下していった。

一瞬遅れ、動作を停止したシデムシのボディが自重で下界へと落下を始めた。「彼の言葉は……本当にすべて虚言だったのかしら」ブルームキャットは黒い血を流す"腕"を僅かに持ち上げ、見た。

4人のニンジャはビルの屋上を後にした。残される残骸、死体、死体、死体。任務は達成された。しかし、ニューロンの片隅に引っ掛かるのはシロウ・イスヒの言葉。それは全てが虚言であったのか?ダイザキ・トウゴと示し合わされた?そして彼の口ぶりは、かつて何処かで……。

シロウ・イスイがPCによって暗殺されると、プラズマワスプは崩れ行くシデムシの頭部からニューロンチップを回収して撤退してゆく。PCが知る由もないが、これは無線LANで同調接続していた"シロウ・イスヒ"の記憶をそのまま引き継いだ「コスモクライム」であり、彼はこのイクサの記憶・経験を持ったままに再登場を果たすことになる。

シロウ・イスヒの言葉に引っかかりを覚える様子を見せるブルームキャットらと共に、ホテルから脱出を試みる場面で、このシナリオは終了となる。


エピローグ

NMはシナリオ終了後に、次のようなショートエピソードを開示し、シナリオの背景で起こっている出来事を描く。

物語の背景ではニンジャスレイヤー・トリロジー1部のクライマックスのように、ネオサイタマ都知事選が始まろうとしている。シバタ・ソウジロウすなわちアガメムノンは、トリロジー通りニンジャスレイヤーなどを誘導して彼を暗殺するつもりであったが、アシッドウルフとPCの先手を取る活動により、その計画は全く順調に進行していない。

これによって、アガメムノンはあくまでも裏社会から統治を完成させることを目論んでいるものの、アシッドウルフの狙いがジグラットにあることに気がついており、多かれ少なかれ強引な手段で問題に対処しなければならないと考え始めている。

【カスミガセキ・ジグラット|シバタ・ソウジロウ】
「エー、こうして、締め切り前日に電撃的に立候補を表明したラオモト・カン候補ですが……」テレビ音声は続ける。ラオモトの肉声だ。「私は経済界の実際的な視点にもとづき、これまで言わば屋台骨としてネオサイタマの発展に尽力させていただいた。周囲の人々からの政界進出の勧めを断り続けるのも心苦しい。それゆえ立候補を決めた。やるからにはシッカリやる」

ネオサイタマ市街を見下ろすシバタの灰色の瞳には、見る者を畏怖させる怒りが隠し切れずにあった。だがその怒りは、サキハシ知事の対抗馬として急遽出馬したラオモトに向けられたものではない。想定された動きだ。

そして彼には"落選"してもらう筈であった。

何故、はセクトを、アガメムノンを出し抜けたのか。王の"所有物"を横から奪いさることができたのか。答えは明白だ。「叛逆者め」雷鳴が轟き、彫像めいた眉目秀麗な顔を照らし出す。

敵の次なる目的物はカスミガセキ・ジグラットにある。そして、それは何としても、先にこの手中へ収める必要がある。

猶予は残り少ない。この知事選には、"どのような手段を使ってでも"勝利しなくてはならない……。


◇報酬(PC1人あたり)

基本報酬:40万札 ※爆発四散させたキャラクターの所持万札の代わりに得られるものとする。

またNMは余暇を与える代わりに、万札を消費した能力値の固定成長や『成長の壁2』の突破を許可する。
これ以降のシナリオでは余暇がなく、万札の使い道は消耗品や武器・武器の業物化しかない。

※【フォールス・ウインター】の最終チャプター(序破急の3シナリオ)については、各キャラクターが
「成長の壁2」を1つだけ突破した直後程度の強さを想定している(つまり、能力値上限が実質13~14)。
ゲームバランスの調整が困難となるため、NMは最上位級スキルの取得は許可しないのが無難だろう。


補足コメント

シナリオタイトルの由来となった「Operation Lightライト作戦」は第二次世界大戦中にイギリス海軍が実施した作戦で、北スマトラの日本軍基地に対する航空攻撃と周辺諸島の偵察が目的でした。この作戦は色々な問題を抱えており、不手際で航空機を総定以下の数しか発艦させられなかったばかりか、事前の偵察不足によりパイロットたちは目標の情報をほとんど把握できていませんでした。あるレポートでは、結果的に彼らが「大物がいそうな目立つ建物を探して機銃掃射をおこなった」という半ば運任せの方法を取ったらしいことも報告されています。

本作【オペレイシヨン・ライト】では特に深い意味合いでこの作戦名を引用してはおらず、「少人数しか出動できない」「目標の位置がわからない」「大物がいそうな場所を総当り」「旧日本軍の関係者がターゲット」という幾つかの要素での共通点を考慮したタイトルとして設定されました。

これに紐づく「高級ホテルでシロウ・イスヒを暗殺する」というシナリオ設定は初期から決まっていたものの、「彼がシデムシのニューロンチップに退避して逃げ果せる」という展開はシナリオ作成の後半で急遽追加されたものです。これは【オペレイシヨン・ライト】の執筆が始まった時点で、既に最終話の構成案の整理に取り掛かっていたためです。
 元々最終話で「コスモクライム」の本体が登場することは確定していましたが、やや唐突感がありました。それを解決する手段として、「シロウ・イスヒ=コスモクライム」が再登場するも実は……という前座的な展開を加えようと思いつき、逆算的に彼はこのシナリオを生き延びる設計となります。

別のパターンでは、【オペレイシヨン・ミッドナイト・クライマックス】でデッカーの肉体を奪って逃げ延びたコスモクライムがこの役割を担うことも想定されていました(実卓プレイのショートエピソードでのみ描写されており、公開されたシナリオにこのシーンは含まれませんでした)。


シナリオ構成としては、ここまで殆ど盛り込めていなかった「探索・調査」の要素を一定以上のボリュームで採用していると同時に、初めてアマクダリ・セクト側に真正面からぶつかりにゆくという、転換点を象徴するような内容となっています。実際、トスカーナのような特定のPCに対するメタキャラクターが登場するなど、アマクダリ側もブラックサイトの存在を認知してピンポイントな対抗策を講じており、もはや両者とも引き返せない関係になっているのは明白でしょう。ルート分岐が確定する最後のシナリオということもあり、これ以降、サンプルシナリオの物語は対アマクダリへと大きく舵が切られます。


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