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【NJRPG/プレイエイド】恐怖判定を追加する

その顔は内側から膨張したとでも言うのか、下に透ける一回り大きな頭蓋によって皮膚がゴムのように引き伸ばされ、信じられないほど不健康に青白く、さながら水死体のごとくして腫れ上がっていたのだった。"それ"がさらに一歩踏み出したとき、彼が抑え込んでいた恐怖は爆発した。「アイエエエ!?アイエエエエ!アイエエエエエエエエ

この記事はニンジャスレイヤーTRPGに「恐怖」判定を導入するルールを提案するものです。要するに某呼び声の正気度判定ですね。

え?プレイヤーキャラクターはニンジャなんだから、そんな情けない悲鳴はあげない?またまた.....。

基本の判定

「恐怖」判定は、キャラクターの現在の【精神力】と同じ数のダイスを振って行う。この判定は、特に指定がない場合は難易度:EASYとして扱う。当然、精神集中のルールも適用することができる。

失敗すると?

「恐怖」判定に失敗したキャラクターは即座に【精神力】を1消費するか、1D6をロールして次の表から恐怖による影響を決定する。ただし難易度がHARD以上の場合、消費する【精神力】は1D2となる。恐怖表をロールした後にその効果から逃れることはできない。

1~3:「ワッザ!?」動揺し、次の行動が遅れてしまう。:次に行うダイス判定の難易度が+1される。
4:「アイエッ!?」動揺のあまり、ウカツを演じてしまう。:次に行うダイス判定の難易度が+2される。直後に戦闘に突入する場合、1ターンの間あらゆるダイス判定の難易度が+1される。
5:「アイエエエ!」恐怖!もはや逃げ惑うしか無い!:【精神力】を1点喪失する。『恐慌』状態に陥り、1D6ターンの間『連続側転』の難易度が+1され、その他あらゆる能動的判定は自動失敗する。『カウンターカラテ』は発生しなくなり、恐怖存在に攻撃を受けた時には回避ダイスを全て使い切らなくてはならない。
6:「あ……アアア!」「アイエエエ!」原初の恐怖がニューロンを満たす!:【精神力】を2点喪失する。武器を取り落とし、その場に凍りつく。『悚然』状態に陥り、正気に戻るまであらゆる行動が取れなくなる。

ニンジャマスターは「恐怖」判定の難易度に応じて、恐怖表に制限を設けても構わない。その場合、難易度:EASYでは1~3の効果しか発生せず、それ以降は難易度が上がるたびに、ひとつ大きい番号の効果が発生するようになるものとする。基本的にはこのオプションの採用を推奨したい。

このオプションを採用すると、例えば難易度:NORMALでは「1~3」と「4」の効果が発生する。この中途半端な表をD6で判定するとき、ダイスツールを使うなど工夫しても構わないが、単純に上限を超える出目の場合は、表の中で最も大きい番号の効果が発生するとしてもよい。つまり難易度:NORMALでは「4~6」の出目が「4」と同じ効果を持つことになる。

状態異常からの脱却

「恐怖」判定に関連した状態異常に陥ったキャラクターは、幾つかの方法でその影響から逃れて正気に戻ることができる。

『恐慌』:基本的にはD6の出目だけ戦闘ターンが経過したとき、もしくは戦闘から離脱した(恐怖から逃れた)とき、キャラクターは正気に戻る。非戦闘中なら、その効果の期間はニンジャマスターの判断に委ねられる。

 他のキャラクターは『その他の行動』として難易度:NORMALの【カラテ】か【ワザマエ】に成功すれば、「トロ粉末」や「ZBRアンプル」など薬物を消費してキャラクターを正気に戻すことができる。

『悚然』:戦闘から離脱した(恐怖から逃れた)とき、または味方が恐怖の原因に対して『サツバツ!』を発生させたときキャラクターは正気に戻る。非戦闘中なら、その効果の期間はニンジャマスターの判断に委ねられる。

 『悚然』状態のキャラクターは戦闘ターンの手番が来るたびに、現在の【精神力】と同じ数のダイスを振って「正気」判定を行い、成功すると正気に戻る。ただし判定の難易度はULTRA-HARDから始まり、1ターンが経過するごとに-1される。

 他のキャラクターは『その他の行動』として難易度:NORMALの【カラテ】か【ワザマエ】判定で自身の移動力分だけ『悚然』状態のキャラクターを動かす、あるいは「トロ粉末」や「ZBRアンプル」など薬物を消費してキャラクターに「正気」判定を引き起こすことができる。ただしその時、アイテムの本来の効果は発揮されない。

恐怖への耐性(能力値)

内在的な自負は恐怖に対抗する武器になる。「成長の壁(1)」以上に達した能力値があるキャラクターは、その数と同じ番号まで恐怖表の影響を無視することができる。一例として【カラテ】【ワザマエ】【ニューロン】がそれぞれ6以上のキャラクターは、恐怖表の「1~3」から影響を受けない。(オプションを採用している場合は、難易度:EASYの恐怖判定を完全に無効化する。)

例外的に「ノーカラテ・ノーニンジャ」を採用しているニンジャは、「成長の壁(1)」を突破した能力値がひとつでもあれば、無視できる恐怖表の上限値を+1しても構わない。

例:ソニックブームは【カラテ】【ワザマエ】【ニューロン】がそれぞれ6以上あり、幾つかの能力値は成長の壁(1)を突破している。彼は「ノーカラテ・ノーニンジャ」の体現者でもあるので、恐怖表の「1~4」までの結果を完全に無視することが出来る。

神経衰弱:精神力とニューロンの関係

ニューロン値の半分以下(端数切り捨て)まで【精神力】が低下しているキャラクターは、通常より恐怖への抵抗力が衰えている『神経衰弱』状態とみなされる。

『神経衰弱』状態で恐怖判定が発生するとき、プレイヤーは難易度を+1して判定するか、失敗時に恐怖表の結果をひとつ繰り上げるか決めてからダイス処理をおこなう。

難易度:ULTRA-HARDを超える

めったにそんなことはないが、何らかの要因で難易度がULTRA-HARDを上回る恐怖判定が発生したとき、対象となったキャラクターは即座に超過分だけ【精神力を喪失する。主にこれは『神経衰弱』状態や、強大なニンジャ存在の干渉により特例的に引き起こされる。

精神力がマイナスになったら

通常であれば【精神力】が0未満になったキャラクターは死んでしまうが、この追加ルールの導入環境ではその限りではない。恐怖判定によって【精神力】が0未満まで低下したキャラクターは、死亡する代わりにその値だけ【ニューロン】値を一時的に減少させる。一度【ニューロン】値が減少すると、そのデバフは【精神力】が0以上に回復するまで解除されない。

【精神力】が0未満の状態で、恐怖判定以外の要因によって【精神力】の減少が発生した場合、あるいはこのルールによって【ニューロン】が0以下まで低下した場合、キャラクターは通常通り死亡する。

例:ボブのニンジャは恐怖判定に失敗し、【精神力】が-3点まで低下してしまった。彼のニンジャは【ニューロン】が5点あったが、この結果により2点まで低下してしまう。ボブは慌ててアイテムで【精神力】を-1点まで回復したが【ニューロン】は回復しない。厄介なことに、最低でも0点まで回復しないと一度受けたデバフは解除されないのだ。

トラウマの蓄積と耐性の獲得(オプション)

恐怖判定の原因は潜在的に3つに分類される。ゴアを伴う『暴力/バイオレンス』、理解を超えた『神秘/ミステリー』、そして原初的な『ニンジャ』

恐怖判定に失敗するたびに、キャラクターはこれら3つから該当するカテゴリに「トラウマ」を獲得する。特定のカテゴリに3ポイント蓄積したとき、そのキャラクターは該当カテゴリから「トラウマ」を全て失い、『恐慌』状態に陥る。

もしくはニンジャマスターの判断で、トラウマが溜まりきったとき、初めて恐怖による影響が発現するものとしても構わない。その場合は恐怖判定に失敗するたびに精神力を失うものとし、表の内容をよりシビアなものに差し替える。これは『恐慌』や『悚然』の他、錯乱など異常行動の発現を含めた「狂気表」であることが望ましい。

◆恐怖耐性の獲得◆
ニンジャマスターはキャラクターの背景設定に応じて、特定のカテゴリへある程度の耐性を与えても構わない。例えば快楽殺人鬼は半端なゴアに動揺することはないだろうし、コトダマの探求者は超常にネガティブな恐怖を感じることはないだろう。耐性を持つキャラクターは該当カテゴリの恐怖判定の難易度を-1することができる。
◆狂気表の例(持続:1d6+1ターン)◆
・錯乱:恐怖のあまりやたらめったらに攻撃を繰り出す。その対象は敵味方関係なく、ランダムで選択される。
・幻覚:いないはずの存在が見え始める。あらゆる攻撃判定の難易度はULTRA-HARDに跳ね上がる。
・幻聴:叱責や呼び声が聞こえ始める。精神集中とジツが使えなくなる。
・昏迷:現実逃避を始め、一切行動ができなくなる。

「恐怖」は何によって引き起こされるのか

基本的には上述したトラウマのカテゴリが恐怖の起点となる。敵対存在の振るう一方的な暴力やツキジめいたゴア、正体不明の神秘やジツの行使、リアルニンジャ真実。あるいはニンジャスレイヤーリアリティーショックも当然含まれる。

特に、ニンジャスレイヤーは独創的なエントリーで不意をつくことによって、敵対者の恐怖を煽り立てる。『ニンジャ』カテゴリの恐怖は何者にも逃れがたい原初の恐怖であり、彼のエントリーはその影響を増幅させる。

ニンジャマスターが独創的なエントリーを生み出すことに成功したなら、それは恐怖判定の難易度を引き上げる権利を手にしたということである。

◆恐怖判定が発生するシーンの例◆
◇「バイオレンス」カテゴリ
 ・オブジェめいた殺戮死体を目撃する
 ・何者かに生み出されたツキジめいた光景に遭遇する
 ・残虐なインタビューを受ける
◇「ミステリー」カテゴリ
 ・黄金立方体に気がつく
 ・正体不明のジツの行使を受ける
 ・不可解な邪悪儀式を目撃する
 ・天狗
◇「ニンジャ」カテゴリ
 ・ニンジャ真実を知る
 ・恐るべきリアルニンジャと遭遇する、あるいは目撃する
 ・ニンジャスレイヤーに襲われる
 ・ニンジャスレイヤーに独創的なエントリーやアンブッシュを受ける

精神力を回復する

このルールを導入すると、キャラクターたちは通常より多くの精神力を消費すると共に、精神力を消費するあらゆる行動を制限される。

これは行き過ぎると円滑なプレイを阻害し、精神力の低いキャラクターやジツ特化のキャラクターに行動上の不利を強いることになってしまう。

したがって、ニンジャマスターはシナリオ中に恐怖判定で減少した【精神力】を回復する手段を用意しておくことが望ましい。次には【精神力】を回復するルールの例を示している。

◆精神力を回復する手段
キャラクターは恐怖判定で減少した【精神力】に限り、様々な手段で回復を試みることができる。それは大まかに、トロ粉末やZBRなどの薬物、アルコールやタバコなどの嗜好品を消費する「アイテム消費型」と、ショドーやアグラで精神統一を図る「アイテム非消費型」に分類される。

◇アイテム消費型:マスターが適当と判断したアイテムを消費する。キャラクターは非戦闘ターンが3巡するまでその場に留まり、【精神力】を毎ターン1点ずつ合計で3点回復する。ただしこの方法は繰り返すたびに回復可能な【精神力】が減少し、最終的には3ターン目に1点しか回復しなくなる。

◇アイテム非消費型:ショドーやアグラなど、そのキャラクターに相応しいと判断される方法で精神統一を行う。キャラクターは非戦闘ターンが3巡するまでその場に留まり、3ターン目に【精神力】を1D3点回復する。ただしこの方法はマスターが設定した「安全な場所」で行う必要がある。

最後に

このプレイエイドはホラーシナリオ向けのデザインを暫定的にまとめたもので、まだ未完成です。今後大きく加筆修正が入る可能性もありますが、自由に改変してシナリオやキャンペイグンに導入していただいて構いません。是非あなたのプレイグループにホラーのエッセンスを加えてみてください!


.....え?ところでその棺はなんだ?中身が気になる?

見ないほうがいいと思いますよ。いやいや、本当に。

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