ヒキャク_サイバネティクス_アドイン

【NJRPG/プレイエイド】ヒキャク・サイバネティクス・アドイン

アゾットは瞬時にガーランドの眼前へ接近した。「イヤーッ!」「イヤーッ!」「イヤーッ!」「イヤーッ!」たちまちワン・インチのカラテ応酬が始まる。ガーランドはムチを引き戻しながら素手のカラテに切り替え、短打で応じた。アゾットは関節部から圧縮空気を吐き、凄まじく加速した。
「ア・デッカーガン・イズ・マイ・パスポート」より

この記事は「ニンジャスレイヤーTRPG」のプラグインシリーズから「サイバネの拡張」を採用している環境向けに、いくつか追加の脚部拡張サイバネを提案するものです。

ただし特別ゲームバランスを考慮して作成されてはおらず、幾つかのアイデアをとりあえずデータの体裁に整えてみた程度の内容なので、実際の導入にあたってはプレイグループの参加者とよく相談して、その性能や制限について十分に検討・調整をおこなってください。

追加の戦闘スタイル:キックスタンス

「▷▷▷高機動脚部ユニット」を装着しているなどの例外を除き、二本脚で活動しているあらゆるニンジャには手番ごとに宣言できる戦闘スタイルに「キックスタンス」が追加される。

「キックスタンス」を宣言したキャラクターはその手番で通常の近接武器や腕部サイバネの『特殊近接武器』で攻撃できなくなる代わりに、脚部サイバネに搭載した『特殊近接武器』を使用できるようになる。

「キックスタンス」による攻撃時には、一時的に武器スロットが使用する脚部サイバネの武器と入れ替わるため『タツジン(コッポ・ドー)』や『タツジン(ジュー・ジツ)』などの『素手』装備時を条件とするスキルの効果を近接攻撃に乗せることはできない。(当然ながら脚部武器を搭載していない、『内蔵型』武器を使用しない場合はこれに限らない。)

「キックスタンス」の宣言や脚部武器の装備の有無にかかわらず、被攻撃時には『素手』状態の判定に通常の武器スロットが参照される。つまり脚部の『特殊近接武器』は「キックスタンス」による攻撃時のみ参照される、『内蔵型』の武器のような扱いとなる。

蹴り技を主体とする「キックスタンス」による攻撃で『サツバツ!』が発生した場合、その効果は次の表から1d6で判定する。その出目が5-6であったとき、例外的に追加のダメージ+1が発生する。

サツバツ!(キックスタンス)
1-2:「死ねーッ!」腹部に強烈な一撃!
3-4:「苦しみ抜いて死ぬがいい」急所を情け容赦なく破壊!
5-6:「逃げられるものなら逃げてみよ」敵の脚を粉砕!

追加の脚部拡張サイバネ

足技を繰り出すとき、その間通常は片足だけで重心バランスを取らなくてはならない。脚部サイバネに近接武器を搭載する場合その影響は顕著に現れるため、腕部のように武器を左右に内蔵しても安易に手数を増やすことはできず、バランスを崩しやすくなる大型の武器に至っては需要的な問題でほとんど流通していない。

このアドインでは主に脚部サイバネによる機動力をさらに向上させる、あるいは蹴り技主体のカラテムーブメントと組み合わせて使えるような、ミニマルな拡張サイバネを取り扱っている。腕部武器ほど手軽に強くなることこそできないが、こうしたサイバネを装備したニンジャはより変則的な戦術をイクサに組むことができるようになるだろう。

====== ADD-IN LOADED ======

▷スパイクソール
『壁面歩行』
足の裏から内蔵型スパイクが飛び出す。壁面に垂直に立つなど、トリッキーな移動が可能になる。

▷▷脚部クロー
『特殊近接武器』、『壁面歩行』、『天井歩行』
足部を猛獣めいた金属の鉤爪に換装する。壁や天井を鉤爪で掴み、各面に垂直の状態で移動できる。
このサイバネを持つニンジャは、「キックスタンス」による攻撃時にのみ『肉体破壊』の効果を得る。

▷姿勢制御用補助スラスター
『連続側転』と同様に『ダッシュ移動』でナナメ移動が可能となる。
『突撃』を使用した次のターン、「回避難易度:HARD」で回避が可能になる。

▷▷姿勢制御用補助スラスター+
『連続側転』と同様に『ダッシュ移動』でナナメ移動が可能となる。
『突撃』を使用した次のターン、「回避難易度:HARD」で回避が可能になる。
「キックスタンス」で近接攻撃を繰り出したとき、もしくは攻撃の回避に成功したとき、
ナナメも含む任意の方向に1マス移動しても構わない。

▷拡張関節
脚部が延びる、関節が増えるなどの特殊変形機構を組み込む。『●特殊近接ステップ』を自動獲得。
「キックスタイル」宣言時、『ノックバック』と『近接攻撃リーチ+1』の効果を得る。

▷ホバーホイール
水上を地上と同様に移動できるようになり、
流砂や沼地などの悪路から【脚力】や『連続側転』にペナルティを受けなくなる。


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▷ヘビーアーマー
脚部サイバネを重装甲で覆う。【脚力】-1。
『サツバツ!』による【脚力】の減少が確定したとき、
代わりにこのサイバネを破壊することでそのダメージを-1し、【脚力】減少効果を無効化する。
このサイバネが破壊されたとき、本来の【脚力】-1効果は0になる。

▷脚部自爆装置
『サツバツ!』により【脚力】が減少したとき、【ニューロン】判定を「難易度:HARD」で可能。
成功したとき脚部サイバネを全て切り離して自爆させ、その『サツバツ!』を与えてきた相手に対して
D6ダメージを与える(回避難易度U-HARD)。その後【脚力】は自動的に1まで低下し、
そのシナリオ中はあらゆる攻撃に対する回避難易度がU-HARDとなる。

▷マルチプルフレア
カラテミサイルや追尾型武器の攻撃対象となったとき、「マルチプルフレア」の使用を宣言できる
このとき『戦闘中1回限り』回避ダイス+2、一連の攻撃に対する攻撃回避難易度-1の効果を得る。

▷スモーク発生装置
戦闘中一度だけ、手番開始時に「スモーク発生装置」の使用を宣言できる。
使用宣言したターンの間、移動後のマス全てに「スモーク」を設置する。
特殊遮蔽物である「スモーク」越しに射撃をおこなうとき、その判定難易度は+1される。
「スモーク」は設置から1ターン後に消滅する。

▷▷ニトロターボ機構
シナリオ中一度だけ、手番開始時に「ニトロターボ機構」の使用を宣言できる。
宣言したターンの間、【脚力】が2倍、『連続攻撃+1』の効果を得る。宣言系移動スキルとは併用不可。
またこのとき、攻撃難易度とダメージ、その攻撃を受ける相手の回避難易度はそれぞれ+1される。

▷▷マキビシ・スキャッター
戦闘中一度だけ、手番開始時に「マキビシ・スキャッター」の使用を宣言できる。
使用宣言したターンの間、移動後のマス全てに「非人道兵器マキビシ(マキビシ)」を設置する。
全てのキャラは「連続側転」中を除き、「マキビシ」の設置マスを通過するたびに回避ダイスが-1される。
「マキビシ」は一度効果を発揮するか、何らかの攻撃を受けたとき即座に消滅する。


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▷▷膝仕込みショットマグナム
『内蔵型』、『特殊近接武器』、『ダメージ2』
膝蹴りをトリガーに、ゼロ距離からマグナム弾や散弾、爆風などを浴びせかける非道武器。
近接攻撃が命中したとき、本来のダメージが発生し、その後ショットマグナムによるダメージ2が発生する。
この武器を使用するとき『近接攻撃リーチ』の増加効果は無視される。

▷ガンソルレット
『内蔵型』、『特殊近接武器』、『ダメージ1』
トーキックをトリガーに、内蔵式拳銃からゼロ距離射撃を浴びせかける危険武器。
近接攻撃が命中したとき、本来のダメージが発生し、その後内蔵式拳銃によるダメージ1が発生する。

▷▷▷内蔵型ツジギリブレード
脚部から左右に鋭利なブレードが展開する。
このサイバネを仕込んだニンジャが横をすれ違うだけで、犠牲者は脚を切り飛ばされる。

移動フェイズの開始時に『ツジギリブレード』の使用を宣言してもよい。
このとき『連続側転』に難易度+1で成功すると、他の能動的行動は取れなくなるが、
この『連続側転』で通過した敵全てに対して「難易度:EASY」で特殊な攻撃判定を行えるようになる。
判定は分割数無制限の「連続攻撃」として、近接攻撃ダイスを任意で分割して行なう。
発生するダメージは1固定で強化はできず、「サツバツ!」も発生しない。

『ボス級の敵』はこの攻撃に対して回避難易度-1で回避を試みることができる。
カウンターカラテは発生しない。同じ敵と二度すれ違ってもダメージは増えない。

▷▷▷試作型ベイルファイア・ジェット
『内蔵型』、『特殊近接武器』、『攻撃難易度:HARD』、『ダメージ1』、【脚力】+1
『●ダッシュ移動』自動取得(移動後に難易度+1で行動可能)

脚部全体を攻撃用途の内蔵型ジェット機構に改造する。
近接攻撃に成功したとき、通常のダメージに加え、その対象を中心に『カトン・ジツLV2』を任意で使用可。
この攻撃は敵味方を巻き込み、当然使用者自身もその対象となる(回避判定は可能)。
出目1が3つ以上ある状態で攻撃判定に失敗したとき、このサイバネは故障し、
使用者は回避不可のd3ダメージを受ける。


『壁面歩行』:スパイクを突き刺す、鉤爪で掴むなどして姿勢を安定化し、壁面に垂直の状態で移動できる。このルールを持つ間、使用者は移動フェイズでマップの壁や遮蔽物に隣接しているとき『壁面歩行』を宣言できる。床から壁へと「移動」を行うので、宣言時には移動可能距離が1以上残っていなくてはならない。『壁面歩行』状態では「キックスタンス」と宣言系移動スキルを使用できないが、『壁面歩行』状態の解除を宣言するとき、一時的に『◉トライアングル・リープキック』と同様の効果を得る。『壁面歩行』を宣言したターンでは、その状態の解除を行うことはできない。

『天井歩行』:鉤爪などで天井や装飾を掴み、逆さまの状態で天井を垂直に歩いたり、張り付いて移動したりすることができる。このルールを持つ間、使用者は移動フェイズで『壁面歩行』状態のとき『天井歩行』を宣言できる。壁から天井へと「移動」を行うので、宣言時には移動可能距離が1以上残っていなくてはならない。『天井歩行』状態では「キックスタンス」と宣言系移動スキルを使用できないが、近接攻撃と敵からの近接攻撃それぞれに難易度+1の補正が与えられる。『天井歩行』状態の解除を宣言するとき、自動的に「連続側転」状態となり、そのターンの全ての近接攻撃ダメージが+1される。『天井歩行』を宣言したターンでは、その状態の解除を行うことはできない。

『ノックバック』:このルールを持ち『近接攻撃リーチ』+1以上が適用される攻撃が命中したとき、攻撃者は自身とは逆方向に対象を1マスだけ押し出しても良い。(他のキャラと重なる位置は不可。)押し出される先が移動不可の壁や障害物の場合、そのキャラクターの位置は変わらないが、激突によりさらに1ダメージが発生する。この激突ダメージに対しては改めて『回避判定』を行っても良い。

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