【雇用形態】

※この記事は派遣会社の回し者が派遣業を称賛する内容ではありませんので、ご承知おきの上、興味があれば読み進めてください。

私は直近5年以上、派遣会社に正社員採用された状態で各企業に派遣される特定派遣の労働形態で働き続けている。
元々は大学卒業後に正社員として企業に入り込んだが、飽き性なこと、企業への執着がないこと(企業を自分よりもメインに持っていけなかった)、他企業(というか他業種)に興味が湧いた事等の理由から、2~3年で転職を繰り返すという生き方をしてきた。

しかし、30歳を超えた辺りから転職までの期間が長くなり始めたため、どうしようかと思案に暮れていた際にちょうど特定派遣の労働形態がでてきた。
当時、給与総額も下がらないこともあって特定派遣の労働形態を選択してみたのだが、これが自分には合っていたように思う。

一番良かったことは派遣先の企業のイベント(運動会やお祭り等)に強制的な参加要請が来ないことだ。
元々、企業に自分の人生を捧げる的な考えを持っていなかった上に、私が若い頃に属していた企業は各種イベントが多く計画され、実行されていたのである。
イベントの都度、準備やイベント当日にサービス残業や休日対応を強制され、得られるものは疲労と当日の残り物くらいだった。
今派遣されている企業でも毎年、マラソン大会や地域で開催されるお祭りへの参加等のイベントが開催されているが、私には一切声がかからない。
若い社員の中には苦痛に感じている人も一定数いるようで、大変だよねぇと蚊帳の外から眺めている。

他は基本的に派遣先との差異は多くないように感じている。
もちろん、派遣先の福利厚生は使用できないし、ボーナスが無いことや業績が傾いた際に真っ先に切られる等のデメリットはある。
人によってはデメリットに捉えない人の方が多いかもしれないが、派遣先から直接雇用の話を受けることも多い。
多いとは言っても、私が特定派遣で働いているのは2社目であり、そのどちらからも直接雇用の話を受けたというだけなので、これから先も同様の話があるというわけでもないのだが…。
直近で派遣されていた会社は私の能力と派遣先が私に要求する能力の格差が大きすぎたことから、直接雇用をお断りするとともに次の派遣先を探すようになった。
そのまま派遣社員として雇用が継続される可能性も高かったのだが、当時から自分の能力不足に思い悩んでいたことが離社の大きな理由であった。

次の派遣先(=今の派遣先)は派遣された当時から直接雇用の話を持ち掛けられていた(初めから紹介予定派遣を採用すればいいのにとは思った)。
とりあえず派遣社員のまま2年働かせてくれとお願いしていたのだが、そろそろ2年経過してしまう。今のところ、直接雇用を受ける気はないのでお断りをしなければならないのだが、断るという行為自体が苦手なので心苦しい限りだ。
人間関係や必要な能力等で不満はない為、直接雇用を前向きに考えたこともあるが、人によっては超絶ブラックな働き方をしている方がいたり、体育会系のノリでイベントを実施することが多い(誘われた際に断れない)為、断る方向で進めている。
コロナの影響で直接雇用する余裕がなくなっているのではないかと淡い期待を寄せているが、どうなることやら…。

ニュース等を見ていると、どうも正社員になれなければ即負け組になるとの誤解が強く残っているように思える(報道の仕方と受け取り方によると思うが…)。
しかし、派遣社員として働いて派遣先から認められれば直接雇用の道も充分にあることは認識しておいてもよいのではないかと思う。
初就職が派遣会社でも、1~数年間を派遣先で努力し、直接雇用されれば新卒で正社員になれなかったといってもそこまで大きな差は発生しないように思う。
特にこれからは定年が伸びる可能性が高い為、スタートの数年を異なる状況で過ごしたとしてもその後にリカバリーすることが絶対にできないという状況にはないと感じる。

例え就職活動に漏れたとしても、別のルートから企業に就職する方法があることを知っておいてほしい。
ちなみに、私が派遣された企業は上場企業と上場企業の100%子会社である為、直接雇用されれば俗にいう大企業の社員という括りにはなる。

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