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【20190613】Excel方眼紙という負の遺産【雑記】

 今日はちょっと娯楽コンテンツの話題から離れて、おビジネスの話です。

 概念を知らない方のために軽く説明すると、「Excel方眼紙」とは本来表計算ソフトであるMicrosoft Excelを方眼紙のごとく用いて文書を作成するという歪んだ手法のことです。類義語として「神(ネ申)エクセル」というのもあり、こちらは主に紙媒体書類のごときレイアウトをExcelのセル結合やら罫線やらを多用して「再現」したブツを指すニュアンスが強い。
 これらの手法でつくられた文書は入力や編集に手間がかかる、印刷ずれが発生しうる、などの理由から生産性を悪化させるとして非難が絶えないのですが、文書作成の慣習として現代日本のビジネスシーンに根深く浸透しているため、問題視されています(ググったりTwitterでタグ検索したりすると呪詛が溢れているのがわかる)。
 Webで見つかる事例などよりははるかにマシなものの、私の職場でもこの慣例は幅を利かせており、実害を身に染みて実感している。何とか働きかけて別の手法にシフトさせていけないか……と考えているのですが、中々うまくいく気がせず、つらい。2019年にもなってこんなの扱いたくないよ。

 Excelを使う使わないにかかわらず、紙媒体に肉筆で記入する書類と電子的に入力・管理するファイルとでは、運用に適した様式というのは根本的に異なります。なので紙媒体運用されていた様式を電子媒体上で”再現”しても不便になるのは当然であり、電子媒体なら電子媒体に適したフォーマットを別途構築することが必要になるのは当たり前です。
 なぜそういった真っ当な配慮がなされず、アナログ書類を模倣するという奇妙な慣習が定着してしまったのかについては、Excelにセル結合や罫線などの「それっぽい外観にする」機能が妙に充実していたことや、フォーマットを変更することに対する漠然とした不信感や思考停止など、いろいろな要因の相乗作用があったのではないかと個人的に推察しています。

 失礼を承知の上で言うと、「そのままデータ化しとけばいいだろう」みたいな半端な態度で電子化を実施したツケが、令和の時代になっても延々と尾を引いている……そういった印象です。愚痴ばかり言っても無益なので、引き続き解決に向かう道筋は模索していきたいところ。

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