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7月33日 思い出の振り分け作業

7月23日(土)

潮井エムコさんと不定期でやっている「しりぷりラジオ」第七回。猛暑を乗り切るためのパワーアイテムを募集&トークするという内容で、「ホント暑いですよね」と言いながら散々対策を語り合ったが、最後の最後に九州に住むエムコさんと北海道に住む私の暑さに対する危機感の差が露わとなり、申し訳なくて面白かった。


7月24日(日)

ファミレスに行ったら、店員がしっかりと目を見て接客するタイプの人だった。座っている私の高さに合わせて膝を屈め、真っ直ぐに私の目を見て、ゆっくりと丁寧にメニューの説明をする。あまりに丁寧なので、私もつられて丁寧になる。丁寧な店員が運んできたステーキを、丁寧な客は豪快に食べた。


7月25日(月)

この夏、素麺を丁寧に作ることにハマった夫だったが、素麺へのこだわりは次のフェーズ、アレンジメニューへと移行した。テレビで紹介されていた「韓国風油そうめん」に食いついたのである。確かにおいしそうではあったのだが、少々手間がかかるレシピだった。いつもの私なら、そうめんを茹でる鍋、スープを作る鍋、肉みそを作るフライパンと、コンロを三つ必要とする時点で、コンロが二口しかない我が家の昼食メニューとしては確実に却下しているところなのだが、夫がどうしても食べたいと、瞳をウルウル、よだれをジュルジュルさせながら懇願するので、しぶしぶ一緒に作ってみることになった。私が肉みそを作り、夫がスープを作った。肉みそが先に出来上がったので、入れ替わりで素麺を茹でるお湯を沸かした。その間に私は洗濯物を干した。干し終わるころには夫が素麺を茹で終わって、二人で盛り付けをした。結婚して二年、果たしてこれほどまでに完璧な連携があっただろうか。二人掛かりなら二口コンロの可能性は無限大。ところで二口コンロって字面が紛らわしい。韓国風油そうめんはとてもおいしい。


7月26日(火)

友人が、「寝ないので2ポイズン」とTwitterで呟いていた。「2ポイズン」とは何だ?と気になった。推理した結果、友人には今年子どもが生まれたばかりなので、おそらく子育て界隈のスラングである可能性が高いと考えた。また、「寝ない」というキーワードから、「寝かしつけ」にまつわる何かであると踏んで、「ポイズン」「寝かしつけ」とGoogle検索してみたところ、「反町隆史のPOISONが赤ちゃんの寝かしつけに効果的」との記事がヒットした。マジかよ。「言いたいことも言えない」という歌詞が、まだ自分の要求を言葉にすることができない赤ちゃんたちの共感を呼ぶのだろうか。友人の子が今夜は1ポイズンで眠ってくれることを影ながら祈る。


7月27日(水)

蛙が嫌いな夫に、「私が蛙だったらどうする?」と聞いたら、「俺も蛙になる」とのことだった。確かに蛙になってしまえば蛙を嫌いではいられない。非常に納得感のある回答だ。ちなみにこれは私がよく夫に仕掛ける「私が○○だったらどうする?」シリーズの一環である。過去には「私がギャル曽根くらい食べる人だったらどうする?」などもあった。夫からは「大喜利として難しすぎる」と大不評である。しかし私としては雑な出題に対して夫がどうにか答えをひねり出そうとする姿も含めて面白いのでこれからもやる所存。ただし、こんな面倒なことばかりさせていたら蛙じゃなくても嫌われそうなのでほどほどに。


7月28日(木)

長らく通っていた歯の治療が全て終了した。私はパーフェクトなトゥースを手に入れた。パーフェクトゥースだ。


7月29日(金)

最近ダイエットをしている夫が「ちょっと痩せたと思わない?」と言ってペロンと腹を出してきて、確かに痩せたように見えたので、褒めるつもりで、「これ、へこませてないの!?」と驚いた感じで聞いたら、「ちょっとへこませてる」とのことだった。へこませてるのかよ。


7月30日

スーパーで買った、ネギ塩味が付いている焼くだけの豚タンを調理して食べたら、めちゃくちゃ生臭かった。食べ物を残さないことで有名なこの私が、半分以上残すレベル。冷凍していたせいもあるかもしれない。食べ物を残すことに並々ならぬ罪悪感があるので、落ち込んだ。口直しだ!と言って、夫がコンビニでコロッケを買ってきてくれた。コロッケは生臭くないのでとてもおいしかった。


7月31日(日)

フジロックをYouTubeで観る。ハナレグミ、すごく良かった。好きな曲ばかりで、「これ私の人生ベスト10に入る曲!」って何回も言っていたら、夫に苦笑いされた。私の人生ベスト10ソングは30曲くらいある。


8月1日(月)

父方の祖母に会った。私のnoteを見せたら、「天皇陛下にレスを……レスって何?」と聞かれた。

「えっとね、アイドルのコンサート行ったときに、例えばキムタクとかとね、目が合ったり、こっちに合図してくれたりすることを、ファンの人たちがレスって呼んでるっていうのがあって、レスって返事みたいな意味ね。で、ほら、私が天皇陛下にすぐ近くで手を振ったことあったじゃん? そのときのことをレスっていう風に表現してみたら面白いかなって思って、そういう風に書いたんだよ。」

ボケを説明させられているお笑い芸人の気分である。


8月2日(火)

一昨年、父方の祖父が亡くなり、祖母は叔母と暮らすようになったので、祖父母の家は今月中に取り壊されることになっている。そのための片づけを手伝う。今日はアルバムになっている写真を台紙から剥がしに剥がした。叔母の家に持って行くのに、アルバムごと持って行くとあまりに嵩張るからだ。ほとんどが孫の写真。私が初孫なので、私が生まれてからの写真ばかりだ。私と、私の弟たち、そしていとこたち。しかし、時々私の知らない親戚の写真も出てくる。知らない夫婦の結婚式の写真があったので、祖母に「これは誰?」と聞いたら、「あーこれは、離婚した人たち」とのことだった。離婚した人たちは叔母の家に持って行かずに、そっと処分された。本人たちもその方が本望であろう。思い出の振り分け作業を終え、私は一時間半ほど運転して帰宅した。

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