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7月11日 今日はここまで。

7月4日(月)

甥っ子(一歳)の近況。甥っ子はまだ意味のあることはほぼ喋れない感じなのだが、そのせいでペラペラお喋りできる半年違いのお友達に「赤ちゃん」と呼ばれているらしい。超ナメられてんじゃんと爆笑。いや、もちろんお友達にも悪気はなくて、恐らく喋れるようになったことで日々親から「お口で言おうね。お口で言えないのは赤ちゃんだよ」とか言われているせいなのだろう。「一年生めっちゃ若いピチピチ~!」とか言ってる高二はちょっとウザいけど、赤ちゃんが赤ちゃんを赤ちゃん呼ばわりしているうちは可愛いな。


7月5日(火)

スーパーで買い物をして帰り、卵をパックから取り出し冷蔵庫の卵用の穴にスポスポ並べていると、そのうちの二つにひびが入っていることに気が付いた。このような卵のひびには毎度悩まされる。持って帰る途中で割れたのであれば今日のうちにさっさとスクランブルエッグにでもして食べてしまうところだが、スーパーで割れたまま数日陳列されていたのであれば、食べるのは危険である。勿体ないので本当は食べてしまいたいが、いつ割れたのか確かめる術がない以上、泣く泣く捨てるしかない。刑事裁判では疑わしきは罰せずが原則だが、卵ひび割れ裁判においては疑わしきはゴミ箱行きだ。中には冤罪もあるだろうが、お腹の平和を守るためには致し方ない。せめてもの気持ちを込めて残りの卵たちを丁重に扱うとともに、TKGや茹で卵、出し巻や卵とじ、味噌汁や炒め物など、多岐にわたる活躍を祈念するほかない。


7月6日(水)

職場のロッカーは帰るときに毎回空にして鍵を中に入れておくことになっているのだが、今日仕事を終えて家に帰ってから、鍵を外側に挿しっ放しにしてきたことに気付いた。小さなことだが、どうにも気になって仕方ない。そんなことで怒られたりはしないとわかっているのだが、やたらと不安になる。いや、鍵が外側に挿しっ放しになっていたとして何だというのだ。職場恋愛中の二人が些細なことですれ違い、かっこよく引き留めようと壁ドンした際に手の平に鍵がぶっ刺さるとか? 確かにそれは痛そうだが、ドンする前にドンする場所の安全を確認することはドンする人間の最低限の責務であろう。私の責任ではない。というわけで、もう気にしないようにしよう。


7月7日(木)

毎年参加している短歌の同人誌のため、久しぶりに連作をつくっているのだが、難航している。〆切は近い。机に向かっているより、歩いたりしているときの方がアイディアが浮かびやすいという話はよく聞くので、散歩ついでにコンビニでアイスでも買おうと思い立った。炎天下の中、コンビニまで歩く。かなり暑いが、確かにずっと机に齧り付いているよりは頭が働きそうだ。いつも車移動でほとんど歩かないが、たまには散歩も悪くない。そう思いながらコンビニに到着。入店しようとしてハッした。マスクしてくるの忘れた。別にいいか?とも一瞬思ったが、たくさん歩けばそれだけアイディアも生まれるに違いない。どうせなら二往復してやろうじゃないかと、来た道を戻る。がしかし、戻りはじめてすぐ限界がきた。暑い。暑すぎる。家に入り、マスクと車の鍵を手に取った。車でコンビニにアイスを買ってきて、私はまた机に向かった。


7月8日(金)

昨日が二回目の結婚記念日だった。今日は札幌に行き、去年と同じイタリアンの店で二人でお祝いをした。そのイタリアンの店にはペアリングコースというのがあり、料理ごとにワインをグラスで出してくれる。酒好きの我々にとっては料理とワインのマリアージュを楽しめる最高のコースなのだが、このコース、驚くべきはその量である。①前菜、②前菜、③パスタ、④パスタ、⑤魚料理、⑥肉料理、⑦肉料理、⑧デザート。相当な大食いであることを自覚している我々夫婦だが、毎回腹がはち切れそうになる。いつも③パスタくらいまでは余裕で、せっかくだしこのあともう一軒行こうぜなどと話していたりするのだが、⑤魚料理で「ふう…」となり、⑥⑦の肉料理ダブルで「げふ…」、⑧デザートを食べ切ったときには「むり…」と白目。今回も腹をさすりながら大人しくホテルへと帰還した。


7月9日(土)

積丹へ向かう。二人共はじめての積丹。目的はうに丼である。かなり並ぶらしいと聞いたので出来るだけ早めに出発したが、店に着くとすでに大行列。一時間ほど待ち、無事ありつけた。丼の上にうにが敷き詰められている様はそれだけで圧巻。オールうには途中で飽きるのではという心配もあったが、ぺろりと平らげた。本当においしかった。とろっとろクリーミーで、うにの嫌なところが一切ない、イノセントうに。

イノセントうにを満喫したあと、せっかくなので神威岬まで行ってみようということになった。駐車場に車を停めたあと、20分ほど歩くという。まあ大丈夫だろうと軽い気持ちで歩きはじめたが、その道のりはアップダウンが激しく、気分的にはほとんど登山であった。すでにゼェハァしている私の視界には、すれ違う復路の人たちの疲れ切った表情、そして聞こえて来る「帰りは帰りで辛い」などという弱音。これは気軽に来るべきではなかったのでは……と絶望しながら、サンダルで山道をゆく。肩で息をしながら辿り着いた神威岬はそれはそれは素晴らしい景色だった。360度ほとんど海。積丹ブルーと呼ばれる海の青さ。満身創痍で駐車場まで戻り、ソフトクリームを食べた。

夜は札幌に戻り、久々にすすきのを満喫した。飲んで食って、最後はカラオケにも行った。延長延長で結局三時間いた。三時間カラオケで盛り上がれるうちは我々夫婦は安泰だなと思った。夫がトイ・ストーリーの俺がついてるぜ~ってやつを歌ったときが爆笑最大風速だった。

帰り道、酔っ払った私は「〆にカレーライス食べたい」と主張したが、夫が「それは幻覚だ」と言って止めた。結構しつこく食べたいと言ったが、夫は身を挺して止めた。不満に思いつつ、ホテルに着いて即寝た。


7月10日(日)

朝起きて、カレーライスが食べたかったのは幻覚だったな、と思った。夫は正しかった。これからも夫を信頼して生きていこうと思った。


7月11日(月)

夫が外で肉を焼きたい、昼から焼きたい、と言うので、急いで日記を書いている。全力で書いているが、なんやかんやでもう14時。後ろで夫がせかせかと動き回り、肉を焼く準備をしている。圧がすごい。もう行かねばならない。というわけで、今日はここまで。


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