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《2021.07.31》暑中おみまいもうしあげます。

暑中おみまいもうしあげます。

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写真はポン介作、オオムラサキの幼虫キャラ大村さんシリーズの新作、〈大村さん、スイカで夏休み〉です。

大村さん本体より、レジンで氷水の質感を表現するのにめっちゃ時間をかけてました。上からみるとこんなかんじ。

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けっこう涼しげです。

…。

……。

涼しげ、って。

■〈げ〉って。

いやもうそんなじゃ戦えない。〈げ〉付きの涼じゃ戦えない。なんなの、この連日の暑さは。なんなの。わたし札幌に住んでるんじゃなかったの。ここは北海道なんじゃないの。

…ひょっとしていつのまにか引っ越してたの!?

て、錯乱するほど毎日暑いスね。

…暑中おみまいもうしあげたかったのに、かえってあつくるしいかんじになってごめんなさい。

でもでもでもね、さいきん、そんな暑さも忘れるくらい、嬉しいことがありました!

すこし前に、モンブランパークさんの銀婚式の記事から妄想した物語をnoteに書いたのですけれども、それをね、モンブランパークさんが気に入ってくださって、

(それだけでもヒャッホイと声が出るくらい嬉しいのに、さらに!)

stand.fmでご自分の番組を放送されている、Mami Mayamaさんに朗読をおねがいしてくださったんです!

それに関する、モンブランパーク兄さんの記事と、Mami Mayamaさんのすてき朗読は、こちらです。 ↓ 

聞いてくださった方はおわかりのとおり、まみさん、とってもやわらかでやさしいお声なんです💕

ふだん尾藤尾藤ゆってるあつくるしい(いいえ、パッションと言ってください…)わたくしの文章も、あらふしぎ、パステルカラーの絵本のように聞こえます。ありがたや。

■えー、

モンブランパークさんにご紹介いただいたとおり、わたくし、札幌でふんわ〜りと演劇活動をしているものなのですが、ええと、実はですね、ふだん、演劇のために書いているものって、〈コメディ〉なのです。

ええあの、正しい演劇用語のほうでなく、近来の日本語で言われるところの〈コメディ〉、ふつうの意味で〈コメディ〉です。つ、つまり、お客さんに笑っていただくところをゴールとして意識したものを書いたり作ったりしている、わけでして、

なのでなので、こんなやさしいお声のかたに、こんなゆったりとあたたかな調子で朗読をしてもらうというのは今までにあまりない体験で、くすぐったいような、はれがましいような、ふしぎな気持ちがいたしました。

あと、私の文章って読みづらい(朗読しにくい)んです、じつは。わりと意図的に、ふつう切れないところに句読点うったり、てにをは(助詞)を取ったり入れ替えたりしてるので、たとえば教科書を朗読するようには、スラスラ読めない、はずなんです。

それはたぶん私が、〈標準からやや外れたところ〉を見ることが、その人物について理解するいちばんの近道だとおもってるからなんだとおもいます。

珍しく真面目なことを言ってますが、おんなじ理由で、わたしは、〈正しく話す(書く)〉ひとよりも、〈自分のやりかたで話す(書く)〉ひとのほうにより魅力を感じるようです。

…で、なにが言いたかったかというと、そういう思想(?)のもちぬしが書いたものなので、たぶんすごく読みづらかったとおもうんです。なのに、こころよくひきうけてくださったまみさん、ほんとにほんとにありがとうございました。

読みづらいって、どのくらい読みづらいの?とおもわれるかた、実際の原稿はこちらです。

チャレンジしてみたい方がもしいたら(お暇なんですか?)、まずはざっと黙読してみてください。わりと、サラサラ読めるはずです…たぶん。で、次に、声に出して読んでみてください。なんでかしらんけど、〈読みづらっ!〉て、なるとおもいます。

そしてそして、生意気なことを言うようですが、なんでわざわざ読みづらく書いてるかというとですね(今回は偶然朗読していただく形になったわけですけども)、

《読みやすい文章(セリフ)って、誰が読んでもだいたいおんなじ》

かんじになる気がして、聞き手としての自分がつまらないからなんです。(←そこをどうやって差異化するか、というのが役者さんの腕の見せどころ!という考えかたもあるかもしれませんけども。)

その点、たとえば、(自分がふだん使わない語彙)とか、(文法的には間違った助詞)とか、(やたら倒置されてる)(やたらカタカナ使う)(単語しか言わない)(やたら饒舌)、みたいな、標準的な日本語からの〈ちょっとの逸脱〉≒〈ちょっとした読みづらさ〉≒〈ひっかかり〉は、

教科書どおりに正しく読めないから → 

読み手(や、役者)のなかの、そのひとにしかない〈解釈〉とか〈個性〉とか、言ってみれば〈武器〉を、引き出すんじゃないか、と、今のところ私は考えているのです。…けれども、まだまだ勉強中の身ですので、これからいろいろ試行錯誤して、すこしでも(じぶんなりの)正解に近いところにゆけたらいいな、と、おもっています。

…みたいなこととか、とくに、〈読みづらいと思いますよ?〉ということなどは、今回は、まみさんにはお伝えしないまま朗読していただいてしまいました。(←ずるい)

や、ずるいのもちょっとはあるけど、そういう先入観なしで読んでいただいたものがどんなふうになるのか、楽しみだったんです。(←ひどい)

でね、でねでね、読んでいただいたのを聞いて(おこがましいかもしれませんが)、この読み手のすてきなところはここだな!とおもったのは、もちろん第一には声のトーンのやさしさ、やわらかさ、なのですけど、次におもったのは、(明るさ)でした。

いわゆる陽キャ・陰キャ、とかの意味での明るさではなくて、朗読の質感の、《光明るさ》。

たぶんここ、読みづらいだろうな、というところって、書いた側にはわかるのですが、そういう箇所にさしかかると、まみさんの声、〈ちょっと笑む〉気がしたんです。や、朗読ちゅうなので、笑う、っていうほど笑ってはないんですけど、ほんのちょっと、〈おもしろがってる〉感じがする。その音が、なんだか、そう、光明るいのです。

思いつきから妄想を経由して、ちょっとしつれいします、というくらいの気持ちで書いたものがたりですが、よい人に見つけてもらってよかったね、よい人に読んでもらえてよかったね、と、すごくおもいました。

■(わたし、)

夏はにがて。

だけど、すごく夏でも、すごく暑くても、いいことのある日には、いいことがある。

■(ここまで目を通してくださったみなさまに、)

しょちゅう、おみまい、もうしあげます、こころから。


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