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生理用品、俺が買って変じゃないかな。
娘が生理になったとき、自分に何ができるだろう。
彼女が生理痛で苦しんでる、どうしよう。
この記事の主人公は3人の男性記者。
それぞれの体験をきっかけに、生理のこと、そして大切な人の体のこと、ほんの少し立ち止まって考えてみました。
32歳、初めての…
「きゃー!」
とある5月の昼下がりのことでした。
在宅勤務中だった私(國仲)の妻が突然、悲鳴をあげました。
生まれてから32年、生理用品なんて一度も買ったことがない私には、そもそも商品に関する知識もほぼありません。妻に商品名を聞いて、急いで近くのドラッグストアへ向かいました。
▲当時のイメージ▲
「このエリアは初めて入ったかも…」
生理用品が置いてあったのは、店の奥のほうでした。棚には『昼用』や『夜用』『多い日用』など多種多様な商品が並んでいます。値段は300円くらいで、サイズもさまざまでした。
棚の前で立ち止まってじっくり探すのはなんだか気が引けて、何度か行ったり来たりしながら、見つけるとすぐにレジへ。
何事もなく会計が終わり、店員は慣れた手つきで商品をサッと袋にしまいました。
その夜。
食卓を囲みながら、聞いてみました。
結婚8年目、知り合ってからは20年以上になりますが、こんな風に妻の生理について真っ正面から話をしたのは初めてのことでした。
いちばん近くにいる人のことなんてすっかり知ってるつもりでいましたが、そうではなかったと気付かされた1日でした。
「そんなことも知らないの…?」
私は知らないことだらけだった生理用品の話。
みんなはどれくらい知ってるんだろう?そう思って今回の取材チームに聞いてみました。
生理についての取材を続けている女性記者と、3人の男性記者というチームです。
★取材チーム
・國仲真一郎記者(右上)
生理用品を初めて買った32歳。
・高杉北斗記者(右下)
交際相手と暮らし始めたばかり。
・加藤大和デスク(右下小)
10歳の娘と3歳の息子の父。
・吉永なつみ記者(左)
「生理の貧困」の取材を続ける。5歳と1歳の2児の母。
吉永記者が見せた「そんなことも知らないの…?」という反応に、男性記者はみな戸惑いました。
女性にとって“当たり前”なことも、私たちにとっては知らないことだったからです。
そこで、ミーティングはここから、3人の男性が生理のことを聞いていく展開になりました。
パパも知りたい
小学校高学年の娘がいる私(加藤)。
ことばや話題が大人びてきて、娘もいよいよ思春期かな、と思うことが増えました。
学校生活や友達のことなど、わりと話せる関係だと思っているけれど、娘と「生理」の話はしたことはありません。
妻とだってほとんど話したことのないテーマです。
「父親だから・男だから」と生理の話はなんとなく避けていたけれど、「家族のこと」に置き換えてみたことで、知っておかなきゃいけないことがまだあると気付きました。
一緒に暮らし始めたら…
つい先日、交際相手と一緒に暮らし始めた私(高杉)。
ある日、彼女がうつむいて食事もできないほどの腹痛を訴えました。
そのときは「生理だからだと思う」と話していたのですが、痛みが続いたため婦人科を受診したところ「子宮内膜症」の疑いがあると言われました。
吉永記者が見せてくれたのは数年前の日記です。
▲吉永記者がPMS(月経前症候群)の際に書いた日記▲
体調がすぐれないなか家事や育児に追われ「消えてしまいたい」ということばまでありました。
大切な人のことだから
男性記者たちの疑問や会話を記事にしてみて、同僚からは生理についてのほんの“入り口”でしかないとの声がありました。
実際、話の最中、吉永記者は何度も「そこから説明しなきゃいけないのか!」と思っていたと後に明かしてくれました。
でも、その入り口すらきちんと分かっていなかったことを知り「大切な人の体のことをちゃんと知りたい」との思いを強くしました。
「経験できないから知りようがない」
「この程度しか分かってもらえない」
そう思うこともあるけれど、身近な人と話してみるのが大事な一歩だということに気付くことができました。
國仲真一郎記者・高杉北斗記者・加藤大和デスク・吉永なつみ記者
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