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えぶりツアー レポート編


えぶりツアー レポート編

目次
1.デニムが出来るまでの流れ
2.その中で見学した工場 (染め、織り)
3.どう感じたか
4.どのように活用するか

12月1日に店舗メディアの皆様とえぶりツアーに行ってまいりました。
えぶりツワーとは、EVERY DENIMのクラウドファンディングのリターンの一つで
EVERY DENIMの島田さん筆頭に、岡山の工場を周りデニムの製造過程を直接実感するという素晴らしいツワーです。
(藍染ワークショップもあり、皆でジャブジャブと染めました!)

結論から言うと、あまりの手作業の多さに衝撃を受けました。


デニムには、染め、織り、加工など様々な工程がありますがそれら一つ一つ、一本一本工場の職人さんが手作業で行っていたのです。
知識としてはありましたが、実際に目の当たりにすると感じるものが違います。
段ボールにパッケージされて届く完成品しか知らない私たちは、一番上澄みしか知らなかったんだなと感動とも感傷とも殊勝とも言い表わせない複雑な気持ちになりました。
もちろん職人さんの手さばきや力織機に感動しっぱなしだったのは言うまでもありません!

ではそれぞれの流れについて見ていきましょう。
デニムが出来るまでの工程は主にこうです。

1.綿花を収穫 → 2.糸にする → 3.織る(生地にする) → 4.パターンを取る(ジーンズの形にする) → 5.加工する(染め、ダメージ、色落ちなど) → 6.パッケージ → 7.お店に配送 → 8.私達の手元へ

今回のツワーでは3.織ると5.加工するを担当する工場にお邪魔しました。

因みに、雑誌の影響もあり曖昧な使い方になっていますが、
デニム = 縦糸を染めて、綾織りした生地の名前
ジーンズ = デニム生地を用いて、5ポケットのあるパンツ

です。

最初に向かったのはニッセンファクトリー株式会社さん。
2011年よりスタートした加工工場です。(通販のニッセンとは何の関係もないとのこと笑)

ショールームにある、様々な色の染めや加工を施されたジーンズ達に一同大興奮!
荷物を置くのも忘れ質問の嵐でした笑

(photo by kimura)

渋柿染めのジーンズ。昔は傘に使われていたんだとか。

(photo by kimura)

こちらはストーンウォッシュに使われる石。
手前が機械に入れる前、奥が洗い終わった後です。
丸みが全然違う!

加工の程度によっては、ゴルフボールを使ったりもするとのこと。
嬉しそうな島田さん。

一本一本手作業でジーンズにシワを入れていきます。

同じように、機械で削って色落ちさせていきます。
何十本、何百本と同じ色落ち具合にしなければいけない….。
まさに職人です。


(photo by kimura)

(photo by kimura)

このようにして、デニムが出来上がっていきます。

最後は、皆んなで藍染ワークッショップ!
藍染を機械ですると染料がなかなか落ちないため、いまだに手作業。
デニムを絞るのは大変そう….
ちなみに私はTシャツを染めました。


(photo by kimura)

お話を聞くなかで驚いたのが、染料の配合パーセンテージが1/100変わるだけでも色が変わってしまうそうです。糸の太さ、染料と布の相性、光の当たり方など様々な要因で見える色は変わってきます。そんな中で試行錯誤をしながら目的の色を目指す。それは並大抵のことではないでしょう。

「大変だけど、布が好きだから。」と仰っていた一言が印象的でした。


(photo by kimura)


続いては篠原テキスタイル株式会社さん
創業1907年。100年以上続く老舗の織り屋さんです。

ここでのお目当てはなんと言っても力織機!!
デニム好きなら頷いてくれるはず….?

現在の機械に比べると、織れる幅も狭くスピードも遅いのですが昔ながらの生地を編むことが可能。よく聞くセルビッチデニムとはこの力織機を使って編まれたものを指します。
よく見ると端の方に赤い糸が!感動。
現在の機械は、カッターで耳部分のあたる布の両端をカットしてくれるので赤耳は残りません。


(photo by kimura)

篠原さん(生粋のデニムラバー)も最初に見た時は興奮してたとのこと。
はたから見たら変態ですが、その気持ちわかります!
私もずっとニヤニヤしていました。

倉庫には編まれる前の縦糸のロール。これ実はめちゃくちゃ大きいんです。

(photo by kimura)

別の倉庫には編み終わったデニム生地ロールが。
ここまで大きいロールは業界でも珍しいらしいです。
「これ1ロールでデニム2000本くらい作れます。」と篠原さん。

(photo by kimura)

もちろんここでも人の手による細かな作業がなされています。
編み機に最初に縦糸をセットするとき、針に糸を通すのは手作業ということ!
見せて頂いた編み機には4320本との表記が……
4320本の針を持つアームが4本重なっていたので計算したくない数字です….
デニムはおおよそ4本くらいですが、絨毯や柄物になってくるともっとアームの数が増えてくるという話を聞いて編み物に対する考えが一変しました。
「ペルシャ絨毯は女の一生を吸い取る」と最所さんも一言。


(photo by kimura)

真剣な表情で織り機を見る島田さんと篠原さん。

(photo by kimura)

篠原テキスタイルさんも例に漏れず、職人不足に悩まされています。
針に糸を通すのが好きな人はぜひご一報を!

ショールームでは何百枚ものサンプルを拝見。
ゴワゴワしたもの、ツルッとしたもの、テカテカしたもの、パイルがあるもの。
糸、編み方の組み合わせは無限大です。

今回見学した2つの工場はとても親切な方で、一工程ごとに丁寧に説明して下さいました。話し振りから伝わってくる仕事に対する愛情。
こんなに熱量のある人が作っているんだと肌で感じることができたのが一番の収穫です。


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