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大文字小文字の- どっち?①

こんにちは。

今日は、一見、悩むほど難解なテーマでもないような大文字と小文字について少しだけ。

ドイツ語が英語と大きく異なる点の一つに、名詞を全て大文字で書き始めるということが挙げられますが、それでも大文字か小文字かの正書法でつまずくことはあまりないかもしれません。
そんなことよりも、名詞の性や形容詞の核変化語尾、前置詞の格支配や接続法など、ドイツ語には、より差し迫った難所が至る所に立ちはだかっているではないか・・とお考えになるかもしれません。

ごもっとも。

しかしそちらは、数々の参考書やドイツ語の動画に詳しく丁寧な説明を見つけることが出来ますので(おすすめドイツ語学習のYou Tube、後でご紹介します)、こちらでは、知ってても知らなくてもいいような(笑)、時にネイティブでも迷うような、でも気になった時には教科書や参考書に答えが見つかりにくいものについて書こうと思います。

Ja oder ja?

例えば次の文章、どちらが正しいのでしょうか。

A: Wir sagen ja zu der Gesetzreform.
B: Wir sagen Ja zu der Gesetzreform.

Jaは英語で言うところのyesです。
上記の例文を、「私たちは法改正にyesと言う」と考えれば、jaは「言う: sagen」の動詞に係る副詞と考えられるため、小文字で始まる副詞のjaを、また例文を「私たちは法改正に賛成の意を表する」と考えれば、Jaは賛同や同意の返事・態度という意味の名詞と考えられるため、大文字で始まる名詞のJaを使うかもしれません。

もちろん、このja/Jaの前に例えばabsolut(絶対の、無条件の)のような形容詞や修飾的な語があれば、Jaは名詞化されていると考えられるので、大文字で書き出すことができます。
例えば、
Wir sagen absolutes Ja zu der Gesetzreform. 
「私たちは法改正に大いに(絶対に)賛成である」
というように。

しかし例文のように、文中のJa/jaが副詞なのか名詞なのかを判断しうる形容詞などの材料がない時、

DUDEN(独正書法辞典)は、
Jaでもjaでもどちらでもいいよ〜と言っています。
書き手のニュアンスに委ねられている点があるのですね。

Nein oder nein?

nein(英語のno)も同様に、動詞「言う: sagen」と共に使われる下記のような場合、
Ich sage dir nein/ Nein.

「私は君にnoと言う(neinを副詞と考えた場合)。」
のか、
「返事はNoだ(Neinを名詞と考えた場合)。」
なのか。

DUDEN(独正書法辞典)は、
Neinでもneinでもどちらでもいいよ〜と言っています。
ここでも書き手のニュアンスに委ねられている点があるのですね。

Hallo oder hallo?

それでは、以下の文の場合はどうでしょうか。
Ich sage dir Hallo/hallo

「挨拶(Hallo)をする(Halloを呼びかけと考えた場合)。」
のか、
「やあ(hallo)、と言う(halloを間投詞と考えた場合)。」
のか。

DUDEN(独正書法辞典)は、大文字をお勧めするよ〜と言っています。

・・・お勧めかぁ( ̄▽ ̄)。

こんな風に、決して多くはないとは言え、強いて言えば〜くらいの感覚で大文字か小文字かが決まってくることもあるということを知っていると、がんじがらめと思っている文法ルールも少し違った目線で捉える余裕が生まれてきて、学習も楽しくなるかも知れません。

因みに、日本語の辞書では小文字のjaやneinは副詞として出てきますが、ドイツ語の辞書によっては不変化詞、心態詞、接続詞、副詞など様々な品詞に分類され、専門家によっても品詞分類が別れるところのようです。

※日本語の辞書には、sagenとともに使用されるJa は大文字と記述のあるものもあります。

何気なく使っているja一つとっても、意外と奥深いものです^ ^。


最後に、私のおすすめドイツ語学習のYou Tubeチャンネルのご紹介です。
マルチリンガルのななさんが運営している、
「Nanaマルチリンガル」です。

ドイツ語に限らず、言語の体系的理解に支えられた文法説明の切り口がユニークで分かりやすく、また実践的な視点も備えたドイツ語学習のチャンネルを提供していらっしゃいます。

今日も最後まで読んでくださりありがとうございました。



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