冒険できない人生


 参加したものが想定外に楽しかったときに戸惑う癖がある。一般的には、「予想以上に楽しかった」はとてもポジティブな言葉であり、Tシャツに載せるべき言葉であり、もう少し時代が進めば、お守りの正面に書いても失礼とならない言葉になるのだろう。

 想定外に楽しかったということは、自分が想像していた世界より強い事柄が起きたということである。想定外のことが起こるのは苦手ざんすという実感は別にないとは思っているのだが、なんか、自分の感覚と外れたことに不安を感じるのである。なので私は、「何かわからないけどやってみよう」とか「面白そうだから挑戦してみよう」という感覚に滅方弱い。何かわかってるからやるし、面白いと思ってるから挑戦する。芸人とは思えない。

 もしかしたらそのようなリスクが伴う可能性があるものに、自分の「好奇心」が勝つことがないからなのかもしれない。みんなこういうを好奇心を勝たせることができるから、リスクが豆粒くらいに小さくなって自分の素足で踏んづけて、あれ、どこいったっけ?でもなんだか楽しかった!という結果にできるんだろうなと思う。切実に羨ましい。

 ライブや、芸人活動における私のリスクヘッジはかなり強めであり、リスクつぶしおばさんと思っている。あらゆるリスクを洗い出し、潰していかないと安心感を持って施行できない。なんとかなるでしょう!はちょっと怖くて出来ない。

 今まで会ってきた芸人のほとんどが、そういう中に果敢に飛び込んでいって、なるようになる!これはこれで面白い!となっていると思う。そういう人を見るたび、陽キャすぎるというか、別の星の人や!!と感動を抱いたり、羨ましいとハンケチを噛み締める。

 過去実際に、自分が全責任を追うイベントやライブをするときは、楽しみというより心配が勝つことも多かった。今は、楽しいライブに心配が勝っちゃだめじゃないかと、えなりかずきが言うもんで、できるだけ心配を引き起こしそうなライブの未知の部分を既知にして安心して挑むようにしている。まあこれは当たり前といった意見も今脳内に直接いただいてます。丁重に読ませていただきます。

 それでいうと昨日のだがしワールドは、お笑いライブやチケットの販売方法のところは私とか、作家のかもさんとかと何度か打ち合わせしたので、その部分に関しては未知の部分はないが、
 イベント全体を担うわけじゃなかったから、イベントとしては未知の部分が多かった。だがしワールドの中でお笑いライブがどういう絡み方をするのかとかは未知な部分があったのだ。
 結果としては想定内にも想定外にも楽しくて、お笑いライブが暑すぎるという反省点はあるものの、お客様が楽しかったという声を届けてくださったので、私たちも安心しております、本当にありがとうございますといった感じである。

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