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やりたいこと、やり尽くしちゃおうな

割引あり

 毎日、ネタをウンウン唸っても出ないとき、明らかに頭の中に面白いことが浮かばないとき、見事にお滑りかましたとき、そんなとき、一瞬にして芸人という仮面を剥がされて、ただの31歳の女性になるときがある。誰かにあなたは今日から芸人ですと言われて芸人になったわけじゃなく、自分の「我輩は芸人である」という意思のもと成り立っている私のこの仕事。芸人になのか31歳の女性になのかは紙一重で、気を抜くと芸人になれていない、なんて思う時もある。
 一方で、我は芸人也と胸張って生きていけるときもある。それは、自分が面白いと思ったことをお客さんが面白いと思ってくれたときである。自分の体から脳から出た面白いことを二人で喋って形にするという、一歩引いて冷静に見るとかなりデンジャラスなことをしていると思う。でもこれがウケた時の快感はかなり依存的で破壊的であんまり簡単には離れられない。

 小松海佑が英語で漫談をするライブに呼んでもらった。本当に7本英語で漫談をしていた。私は英語の知識が皆無なので単語さえわかっていればと思うこともあったが、日本語の映像も流れていて、英語の部分だけで感じること、実際に意味がわかったときに感じることの落差や同感がとても気持ちよかった。ライブの感想は書けないけど、配信があるようなのでもしよかったら買って欲しい。

 彼の英語漫談7本ライブを見て、ただ「すごい挑戦だな」と思うだけなのはナンセンスだなと思った。挑戦以外にも、芸と向き合うことやこだわりや葛藤などを感じ取れた。彼以外にもそういうことを感じる芸人は多々いるのだが、やっぱり彼は普通にすごいなと思った。そんなすごいやつにゲストで呼んでもらって嬉しかった。「タフだから」という理由で呼んでくれたらしい。タフでよかったよ。


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