見出し画像

リリースから1ヶ月遊んで感じたブループロトコルの問題点

ログインが殺到したリリースから1ヶ月が経ちみなさんいかがお過ごしでしょうか。私はやりたいことがなくなりました。1ヶ月くらいわりと遊んだので良いところと悪いところをまとめて書き殴りたいと思います。


良いところ

アニメ調のグラフィック

このゲームの良いところとしてまず上げられるのはここだろう。アニメ調のグラフィックxMMOは今までにない部分であり、これに惹かれてプレイを始めた人は多いのではないか。グラフィックがいいということはそれだけで自分の作成したキャラを動かす楽しみに繋がるし、MMOということもあって街行く人を眺めるだけでも十分楽しい。

ストーリー

評価は人によっては分かれるかもしれないが自分は楽しめた。王道のストーリー展開で意外性はそこまでだが、スキップされがちなネトゲのストーリーとしてはわかりやすくて良かったと思う。美しいアニメ調のグラフィックもあり、魅力的なNPCキャラクターと自分のキャラクターが織りなすムービーはなかなかによかった。

でも武器構えるモーションは欲しかったなあ…さすがに素手で接敵するのは違和感が…

素手で敵に向かって走っていくのは違くない?

悪いところ

端的に言うと良い点以外は全部悪いのですがいくつか重要な点をピックアップします。

戦闘の単調さ

このゲームはMMOのアクションゲームとしては面白い方だが、公式が自称しているジャンルはオンラインアクションRPGである。もし、比較対象が古のMMORPGであればアクション要素もあり面白いかもしれないだろう。ただ、モンハンなどのオフゲーと比べると、アクションの数も少なくモーションも安っぽく感じてしまい、アクションの物足りなさを感じてしまう。

最大の問題点はスキルが4つしか使えないことである。FF14やTERAのようなスキル回しもないので、ただただリキャストが上がったスキルを打つだけの戦闘になりがちで飽きが早い。アクション要素としてAOEや津波を回避する場面もあるが、どのボスも床を見て回避するかジャンプするかしかないのでもうちょっと工夫が欲しいところ。

MMOらしさとしてレイドやフィールドのネームドボスを集団でタコ殴りするのも最初のうちは楽しいが、戦闘の単調さも相まってそれだけで何周もボス戦をプレイしたくなるほどのものではないと思う。

ネームドボスをタコ殴りにする図。エフェクトで何も見えない。ボスも見えない。

レベルデザインの失敗

上記の戦闘の単調さを加速させているのがこのレベルデザインの失敗による成長感のなさである。多くのゲームはレベルアップした先に面白いことがあると期待してレベリングを行うが、このゲームはレベルアップしたところでやることが一生変わらない。それどころか、レベルアップに伴い装備を更新してもロクにダメージが変わらないので成長を感じる場面が皆無である。

スキルはlv12ですべて揃い、それ以降はスキルの火力が上がったり、範囲が広がったり、リキャストが短縮されたりとスキル次第の成長をしていくが、スキルの動きが大きく変わるわけではないのでクラスの動きとしてはlv12でである程度完成である。そのため、レベルが上がったところで動き方が変わらずマンネリ化してしまう。(そもそもスキル回しはないので強いスキルを連打するだけだが)

例を挙げると、スペルキャスターはlv10で覚えるアイシクルが単体火力、範囲火力ともに優れているので基本的にアイシクルのボタンを連打するだけ。バフスキルがあるので、リキャストが上がったらバフを挟みつつ、アイシクルを連打するだけ。まあスキルは4つしかセットできないので単体と範囲でスキルを使い分けろと言われたらそれはそれで無理なんですけどね!

氷落とすだけの簡単なお仕事です

レベリング自体も問題点しかない。メインクラスはアドベンチャーボードとクエストをやりながらレベルを上げるデザインだが、サブクラスに関してはレベリングの導線が全くない。サブクラスのアビリティが装備できるクラス共有アビリティがあるので、上げるのが想定されているはずなのにサブのレベリングが非常に面倒くさい。

サブのレベリングはおそらくIDの周回を想定しているが、低レベルから行けるIDは少なく経験値効率もあまり良くない。それ以外の方法ではフィールド狩りがあるがこちらも効率はイマイチ。ただ、30以降はフィールドに美味しい狩り場があるので古のフィールド狩りですぐにレベルが上がる。本当にすぐにレベルが上がるので、それまでの上がりにくさも含めて体感は爆速。1-30よりも30-50のほうが楽な斬新なレベルデザインである。

ブルプロ界で一番美味いと噂のカニ

ちなみにクローズドβテスト(CBT)ではフィールド狩りについて以下のように答えている。

・フィールドなどの敵の経験値に旨みがない。
コメント

BLUE PROTOCOLはフィールドでエネミー狩りをした経験値を中心にレベルをあげていくゲームデザインではありませんので、フィールドエネミーの経験値量を多くする変更は行いません。

https://blue-protocol.com/news/29

この返答はなんだったのか。というかCBTで挙げられていた問題点があまり解消されていないのが悲しすぎる。NTやCBTやった30くらいまでは作り込んであるけど、それ以降が調整不足でバランス滅茶苦茶な可能性が否めない。

lv30までが非常に面倒なので、メインでやったアドべンチャーボードの報酬をサブで受け取ることで効率的に低レベル帯を抜ける方法がある。しかし、アップデートで実装されたボードでは報酬の経験値が激減したので、もしかしたらこれも想定していかった可能性がある。

コンテンツのなさ

なんだかんだレベリングと言っても、古のMMOのようにレベル上げるのが目的のゲームではないのでそのうちカンストしてしまう。最近のMMOではレベリングを楽にしてカンスト後に何を遊ぶかが重要になっているがブルプロにはエンドコンテンツはなんと何もありません。

カンストしてからいけるコンテンツはいくつかあるが、数回トライすればクリアできる程度の難易度で、報酬も一度きりなので基本的には何度も遊ぶことはない。

上級IDを周回して極極極極低確率で入手できるβスキルを掘るというコンテンツもあるが、ゲットしたところで多少は強くなれども何か有利になったり自慢できるところも無いのでただの自己満足にさえならない。周回作業も無が積み上がっていくだけなので相当の根気が必要。

レイドやEXラッシュはトークンが貰えるので周回して衣装に交換はできるが、必要な周回数が膨大すぎてこれ終わるの…?といったのが現状。

親の顔より見たやつ

TA・SAもエンドコンテンツ相当として実装してるつもりかもしれないけど、報酬的にもコンテンツ的にもあまりやる気はでない。特にTAはグリッチでタイム短縮狙うほうが大事すぎてゲームと言うよりもうデバッグでは?グリッチを封印しても敵の初期配置運ゲーなのでこれでタイム競ってくださいはちょっと…

アドベンチャーボード

満場一致でクソ。

ボードに書かれたおつかいをやるだけのコンテンツなのに大量にボードを渡される。そのうえサーバーの制限により同時進行できるボードに限りがあるのでいちいちボードを進行中にしなければならない。クエストと一緒にクリアしたい時もあるので、行くマップに応じてボードを選びたいところだが、ボードを一つ一つ選択して確認しなければ課題が確認できないので、進行中にするボードを選ぶのが非常に手間である。

プレイ時間稼ぎとしてこういう要素があることは否定しないが、これ一辺倒はさすがにゲームとして成り立っていない。サーバの制限があるのはしょうがないとはいえ、それならばなぜ同時進行できる以上のボードをどんどん渡したり、複数マップに渡って課題が存在するボードを作成したりしたのだろうか。ユーザーフレンドリーの真逆をとことん突き進んだ一品となっている。

あるレベル帯をすぎると大量のボードとサブクエストを受け取ることになるがどのボードやクエストをやるのかを選ぶのが非常に手間だったのでメインクラスの40以降はフィールドでレベルを上げた。そっちのほうが楽だしね。このあたりもレベルデザインの失敗を感じられずにはいられないね。

大量のアドベンチャーボード
課題は一つ一つ丁寧にクリックしなけば確認できない

コミュニケーションのなさ

良い意味でも悪い意味でもコミュニケーションを取らずに済んでしまう。この原因の一つがチャット欄の見づらさがあると思う。発言した人のアイコンが表示されるが潰れていてよくわからないし、スタンプも発言できるのに潰れてよくわからない。そのうえデフォルトではシステムログと同じ箇所にチャットが配置されるので発言がすぐに流れてしまう。

ただ、悪い点で書いてしまったがソロでも気軽にできるという点ではプラス要素であろう。現代はゲームで繋がる必要がなく、外部のSNS等でいくらでも繋がりはあるのでこれはこれでいいのかもしれない。IDは自動マッチングPTだし、フィールドでもいつでもPTという同じマップの人とPTを組める機能もあるので気軽にPTを組むことができるところは良い

UI・UX全般

上記のアドベンチャーボードとチャット欄に限らず、UI・UX関連は全般的にイケてない。例を挙げると

  • MMOらしからぬ全画面メニュー。メニューを開いてもゲームが止まらないMMOでは全画面メニューは不向き。

  • なぜかスタックできないポーション類。

  • クラスチェンジするのに街に戻るのが必須。そのうえ、変更すると長々と表示されるCLASS CHANGEのエフェクト。そんなのいいからはよ変えろ。

  • カンストキャラでIDをクリアするたびに「経験値は受け取れません」の確認画面。そんなの知ってるわ。変な誤解されたくないなら入場のUIで経験値消すか入場のUIに注釈入れておくくらいでいい。

  • ボード報酬を受け取るのをキャンセルした時のキャンセル確認。不可逆の状態になるときに確認が必要なのであって、大した手間もなくもう1回すればいいときにいちいち確認を挟むな。

などなど…細かい点を挙げるとキリがないくらいにはUI周りには不満がでてくる。

これいる?

MMOの意味がない

MMOらしい生活コンテンツもマーケットもない。大量のおつかいクエストというMMOの面倒くさい部分だけを持ってきた。MMOだからこその面白さはあまりない。街やフィールドに人がいるなってくらい。だからこその自称オンラインアクションRPGなのだろうが、じゃあMMO要素を追加した意味とは一体。

衣装の少なさ

これはブルプロのメインコンテツであるのでこれからガチャやアプデでどんどん増加していくだろう。ただ、現状はカンストしても初期服のままで衣装は増えなかったので、着せ替え楽しむ前にドロップアウトする人が多数なんじゃないかな。

マネタイズの下手さ

衣装以外ハズレのガチャ
着せ替えを楽しむ導線がないのでガチャを引きたくなる導線もない。しかも、当たりの衣装は実装当初天井なしの1.2%(6種)だったが、あまりに酷かったのかすぐに3%(8種)で110連目と220連目にランダム配布に修正。比較的普通になったが、それでもピンポイントで特定の衣装を狙うなら0.375%であり確定での入手手段がないので依然として辛いままである。(一応BP交換で好きな衣装に交換できるが砕く必要があるうえに必要金額が桁違いなのでここでは考えない。)さらに、このガチャのハズレは特に使い道のないアイテムが大量に手に入るだけなので、衣装が当たらなかったときの虚無感が半端ない

詐欺のようなシーズンパス
パスで貰えるものに正直たいしたものが無いので値段分の価値があるかは若干怪しいところ。さらに、いつ買っても良いように見せかけて実はパスを購入しているとデイリークエストで貯められるシーズンポイントが増加するので、購入時期でトータルで獲得できるポイント数に差が出る。ポイントでアイテムが交換ができるため、早めにパスを買わなければ損していることに。

ちなみに有償パスを全部クリアすると次のパスが無料で貰えるので多数のユーザから少数の金額を集めるモデルでもないらしい。どういうビジネスモデルでこのゲームをやっていくつもりだったのかが気になるところ。まさか低確率のガチャ置いておけばたくさん課金するよね一辺倒だったのか…?

アップデートコンテンツの無意味さ

7/12に初のイベントに加え、新規で自由探索とボードとIDなどなどが追加された。

イベントに関しては所詮おつかい。特定のmobを倒してこいがメインで、ネトゲのイベントなんてこんなもんだよねって。要求数が無駄に多い気もするがイベント期間が長いのでゆっくりやればいいかなくらいの感想です。

一番がっかりしている点は新規の自由探索によってEイマジンの最大レベルが更新されたこと。いろいろ実装されたように見せかけてやることはボードのおつかいをやって装備を揃えるだけ。 

自由探索はそれっぽくmobとテクスチャ配置してるだけで、いつものmobといつものテクスチャで既視感がハンパなく目新しさはゼロ。探索といってもやることはいつも通りのボードのおつかい。IDもやることはいつもの雑魚ラッシュ。氷属性の50武器の素材が入手できるが、それを作って何をやるかと言われると…

レイドボスもただの色違い・属性違いなだけで攻撃パターンは全く一緒なので、遊びたくなるモチベーションは出てこない。弱点が氷に変更されているので、おそらく今回実装された氷武器を担いでコンテンツに参加するデザインであろう。しかし、今までと同じことするだけなのにわざわざ無駄な手順踏ませて時間を費やさせているだけだし、そもそも火力出したところで面白みはないのでモチベーションには繋がらない。適当に遊ぶなら火武器のままでいいのだ。そもそも放置でいいし 

8月には土竜の実装も決まっている( https://blue-protocol.com/update/1.01.000/ )

開発はボードのおつかいをクリアするが楽しいと思っているとしか思えないアップデートをしている。

結局のところ、装備を揃えたところで遊びたくなるようなコンテンツがないにも関わらず、コンテンツと称して装備を更新させて時間を消費させられる。これは装備更新のために装備更新するゲームでしかない。

これやる意味ある?

ぼくのこころはここで打ち砕かれた

まとめ

現状はMMOの面白い部分を全部削ぎ落としてMMOの面倒くさい部分だけを実装したアクションRPG。アクションの弱さもMMOが故の部分があると思うのでMMOとアクションの悪いとことの両取りである。

2年前に作り直すに当たって、社員にCBTバージョンをプレイさせて問題点を探していたらしいが、それよりも既存のMMOとかをやったほうがよかったのではないか。なぜMMOが面白いのかの研究が圧倒的に足りていない。

このゲームで何がしたいのか、何で遊んでもらいたかったのかが全く見えてこない。アニメ調のグラフィックいいよねで全部突き進んでしまったゲームでゲーム部分に関してはマジで褒める部分がない。

だた、グラフィックは間違いなく素晴らしい、他のゲームと比べても唯一のグラと言ってもいいくらいである。なのでこのゲームの一番いい遊び方としてはガチャ引いてSS取って楽しむこと。それをするにしてもガチャチケの配布は全然なく、確定天井もないので富豪専用のゲームになることは間違いなし。

最後に唐突だがGDC 2014でFF14の吉田P/Dが語る旧FF14の失敗理由を振り返ってみたい。

まとめとして吉田氏は、「旧FFXIV」の失敗の理由として3つを挙げた。ひとつはグラフィックスクオリティに固執しすぎたことで、大事なのはゲーム体験であるべきだとした。2点目にMMORPGという難しい開発に対して、ひたすら不勉強だったこと。そして「FFXI」の運営経験から、多少の不手際があっても「FFXIV」でもついてきてくれるという、ブランドやファンに寄りかかった安直な気持ち。

https://game.watch.impress.co.jp/docs/news/640645.html

新規IPなのでブランド力の過信は無いと思うが、グラフィックに固執しゲーム体験を軽視し、MMOに不勉強なのはこのゲームにそっくり当てはまるのではないだろうか。開発期間は9年らしいが、それならばFF14の失敗と新生は企画の早い段階で生で見てきたはず。それなのになぜこのゲームが生まれてきたのか不思議でしか無い。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?