【岡山旅行記2】児島ジーンズストリート

(岡山城の話は今度書きます)

児島は、「デニムバレー」と呼ばれるデニム生地の名産地だ。元々綿作が盛んな地域であり、派生した産業として繊維工業が発達。かつては学生服の生産量日本一の地域であったらしい。その流れでデニム生地の生産にも手を広げ、今や世界の児島として観光地化するほどのエリアになっている。

児島駅のホームを降りると、改札へ向かう駅の階段に数メートルはありそうな巨大ジーンズが貼り付けられており、まさしく「鬼のパンツ」のような趣があった。

駅の隣には、ヤマダ電気があった。「コジマなのに、ヤマダ」と友人に伝えたところ、意図は汲んでもらえなかった。

児島に伝わる伝説を紹介するパネルを設置しすぎて情報過多になった広場や、地元の小学生達が年に一度の発表会を披露する晴れの舞台であろう児島文化センターを通り抜け、児島ジーンズストリートへ到着すると、早速シュールな看板がお出迎えしてくれた。ジーンズ履きの心意気としては、方向は手よりも足で指し示すものらしい。

そこはジーンズストリートの名にふさわしく、見渡す限りデニム生地を扱うショップしかなかった。デニムを間違えて3桁多く発注した日のセレクトショップのような店まであった(日本初の国産ジーンズを製造したBIG JOHNの本店らしい)。

とにかく、密度が凄い。縦糸と横糸でデニムが編まれ、縦デニムと横デニムでジーンズストリートが編まれている。
近くの小さな商店ではデニムソフトクリームにデニムまんも売られており、デニムに対する全幅の信頼を感じた。

(電線に干されたジーンズ。今の僕のスマホの待ち受け画面になっている。)


折角デニムの名産地に来たので、なんらかのデニム製品を買おうと思い街をぶらぶらしていたが、ちょうど数日前にリニューアルオープンしたらしい『桃太郎ジーンズ』本店で買うことに。

自分でも名前は知っているレベルのブランドなので、コロナ禍にも関わらず店内は多くの人で溢れており、リニューアル後の滑り出しは順調に見えた。

早速自分の1着を探し始めたが、こういう時は迷い始めるとキリがないので「光って見えた」ものを買うのが良い。その光は棚の一番上から漏れていた。試着コーナーに向かい、サイズを慎重に合わせる。N年分のフィット感がこのN分に懸かっていることを考えると、気の抜けない作業であった。

そして、選ばれたのがこちら。

上の皮パッチは本店だけのオリジナルデザインらしい。こういった部分は「自己満足の世界」と切り捨てられがちではあるが、ファッションは自己満足で決められる内が華なので、この1着とは今後も長い付き合いになりそうな気がする。
(続く)

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