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まやかしアドバンテージ

昨今のアニメソングはキャッチーかつ難解だ。
Official髭男dismやyamaなどのアーティストが歌うタイアップソングも、声優陣が歌う挿入歌も、転調が多く変拍子も多用され実にオシャレである。
生み出す側がまずとてつもない才能だし、それを素直に受け取って歌いこなす子どもたちの世代が末恐ろしい。
その音楽的土壌をもってして、将来次世代が作るようになる音楽は、一体どんなものになるんだろうと楽しみで仕方ない。

夜な夜な繰り返される耳コピ試奏。
私には秀でた才能はないが、親からもらった機会で得た相対的音感ならある。
アンパンマンのおもちゃのキーボードで
子どもたちが好きな最新曲の輪郭をなぞり、
ただ一緒に弾き語って楽しい時間を紡ぐための
下準備をしておく。
子どもが「弾いてみたい」と言ってくれた時には、単音のメロディーを伝えることもある。
好きなものに自分の指で触れられた時の子どもの笑顔は、言葉にならないくらい喜びに溢れていて素敵だ。
幼子の心がキラキラと動く瞬間を間近で見せてもらえる嬉しさは、育児の醍醐味なのかもしれない。


去年のクリスマスに(つい先日のことだが)
私の母が娘たちに電子ピアノを贈ってくれた。
我が子たち以上に私が喜んでしまった。
ミニピアノでもキーボードでも両手で思いきり弾くには鍵盤の数が足りなかった。
大した技量もないが、誰にみせるでもなく、好きな曲を練習して弾き語るというささやかな夢を叶える機会をずっと待ち望んでいたのだ。

私のスペックは所詮まやかし。
どんなに褒めてもらえる場面があっても、そう自分に言い聞かせてきた半生だった。
ただ、行き当たりばったりなツギハギの人生だったけど、その時々で真摯に選択した道を進んできた自負はある。
だから、与えてもらえた環境や自分なりの進み方で得たアドバンテージを必要以上に卑下するのは、そろそろおしまいにしたい。
手元にあるカードは最大限に活用しよう。
そして、自分をもっと大切に、望みに正直な生き方をしたい。
まやかしアドバンテージを最大限に活用し、望む未来を叶えていく。
それが、私の2024年の野望である。

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