観光協会と良品計画(中)

もう少し立ち位置を確認してみます。

観光協会は一般社団法人でした。
事業内容などから鑑みるに
非営利型一般社団法人であったと思われます。

一応ですが
一般社団法人は「一般社団法人および一般財団法人に関する法律」により規定されます。

原則としては
1.事業内容に制限はない
2.設立自体は簡易
3.剰余金や残余財産を分配することはできない
4.行政庁が業務運営全体について監督することはない

観光協会さんは
法成立後に設立された
公益法人とは異なる組織です。

事業内容に公共性が多分に含まれ
市から補助金も支給されているため
旧法の社団法人のイメージがありましたが

なんというか。
いいとこどり?
割と自由度の高い組織だったのではないかと
推測しています。

市からは活動の対価は得るが監督はされない
自由な運営により町の観光を支える

これが観光協会さんから見た組織の立ち位置だったと思います。

ここに別の視点を加えます。

市の観光事業の中心を担っていて
市は補助金を支給している以上
その使途を確認して予算を組まなければならない。
決算時に事業が適正に行われていたかの検証を行わなければならない。
公益法人寄り、将来的には認定を視野に入れた組織。
そういう組織に補助金は支給するべきで、それ以外に支払える余裕はない。

私が感じた石丸市政の執行部側からみた組織の立ち位置です。

このようにみると
運営方針に関わる部分で異なっています。
4の部分は特に。

執行部は条例まで制定して
観光協会に対して公益法人の性質を求めた。
それには応えられませんと
観光協会は解散を選んだ。

収支相償という考え方があります。
公益法人の認定を受けるための
基本のき、になるものです。

公益法人information より

この考え方においては
用途計画のない繰越は認められていません。
いつどういう活動を行うのにいくらかかるので
毎年この金額を積立てていきます、という
計画が必要になります。
余ったので、いつか使うと思うので、心配だから等は認められない。
以前より結構厳しくなったなと思いました。

これを安芸高田市の観光協会さんは
受け入れられなかったというか
なんでそんな話になるの?
うちは一般社団法人ですよ
となったのではないでしょうか。

良品計画を据える為に追い出したとか
合法的に潰したとか
そのような意見も目にしましたが
株式会社良品計画は営利企業です。
なんとなく良さそうな空気感を売りにしていて
昔から意識高い系の会社ですが
観光協会とは求められる役割が異なります。
一緒にする話ではないと思います。

営利に繋がりにくい公共性の高い部門を観光協会へ
営利に繋がる部門を良品計画へ
といった構想はあったかもしれませんが
観光協会側が
営利に繋がる方ができないなら解散します、と
なったのだとすれば
どこまでも一方が悪いではなく
物別れに終わって残念だと思います。

広島への無印良品の出店は2023年秋に3店舗ありました。
うち1つはリニューアル。
安芸高田市も加わっていれば4店舗になっていたのでしょう。

単純にたかだか一企業の出店の是非を
議会で否決されたこと
(論点は手続の是非だったんだけど)
そのものに驚いたんですけどね。
え、来るなって言う自治体あるんだ、って。
公共系なら来てくださいって頭下げるか
私有地ならどうぞご勝手にだと思っていました。
来るなとは言ってないんですが
結果はそういうことになってしまいました。

これは副市長案件を見たときにも思いましたが
色々準備しても、結局否決されて
全部無駄、徒労に終わる
というのを見せつけられると
もう誰も参加しなくなるのではないでしょうか。
条件付き賛成とかできたらいいのに。

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