R6 筑波大学 情報学群・情報科学類編入試験体験談

こんにちは、高専生です。
私は令和6年度筑波大学情報学群の編入試験に挑戦し、第一志望の情報科学類に合格しました。高専入学から編入試験合格まで、どのように過ごしてきたかを綴ります。

受験結果

全部で5校受けました。戦績は次のようになります。

  • 専攻科                     合格

  • 滑り止めの国立大学               合格

  • 豊橋技術科学大学 情報・知能工学過程      合格

  • 京都工芸繊維大学 設計工学域・情報工学課程   不合格

  • 筑波大学     情報学群・情報科学類(併願) 合格

第一志望の筑波大学 情報学群・情報科学類に編入予定です。

スペック

出身は制御工学系の高専です。学校の偏差値はそこそこ高いと思います。

席次
1年 10位くらい
2年 20位くらい
3年 10位くらい
4年 10位くらい

※2年で順位が急降下しているのはオンライン授業だったからです(その時はあんまり友達がいなかったのでろくに過去問が入手できなかった)。

TOEICは750点でした(専攻科、滑り止め、京都工繊、筑波に提出)。

志望理由

まず最初に、どこかの誰かが言った「大学は人生の夏休み」という言葉に憧れて漠然と大学に行きたいなと思っていました(この時点で既に高専生)。
そんな中で、筑波大学を第一志望としたのは次のような理由です。

  • プログラミングが好きで、高専の授業だと物足りなかったから。

  • 高専生に人気の編入先で、色んな猛者達が集まると思ったから。

  • 筑波の校風に惹かれた(キャンパスが無茶苦茶広い、市全体がのんびりしている)。

書き出すと結構抽象的だなと感じます。面接があったら変な顔をされていたことでしょう。
なお「大学は人生の夏休み」は国立理系だと絶対にありえないと思います。遊びたい方は就職へ。

高専入学~受験まで

私の高専生活を振り返ります。用いた参考書の所感などは以下の記事にまとめました。

1~2年生

1年生の時は割と真面目な生徒でしたが、入学後段々と高専の雰囲気に呑まれていき、サボり癖が付いてしまいました。完全に堕ちたのは2年生の時のオンライン授業です。

本記事のメイン層は3~5年生だと思うので軽く流します。

3年生

この年の英語の先生が、指名発表で間違えると煽ってくるタイプの人だったのがウザくて、見返すために英語のガチ勉を始めます。最初は授業で使っているテキストを用いて勉強していましたが、編入ガチ勢の友人からTOEICに誘われ、そちらに切り替えました。点数の推移は次のようになります。

  • 9月 565点(学校で受けたIPテスト)

  • 1月 660点

  • 3月 750点

750点もあればどの大学でも十分戦えると思い、ここで英語の勉強を終了しています。実際、筑波大学は730点で満点換算であると考えられています。

4年生(春)

本格的に編入勉強を開始します。Amazonの注文履歴を見ると、この時期に「編入数学徹底研究」を買っていたらしいです。これを用いてひたすら数学だけをやっていました。
物理も勉強しようかなとは思っていたのですが、大学における情報系の学科は物理が必要ないところが多く、そこまでモチベをあげることが出来ませんでした。

4年生(夏)

夏休みを利用し、友人と様々な大学を見て回りました。
筑波大学は広いと聞いていましたが、その想像をはるかに上回る広さと自由度で、こんな所に通えたら毎日楽しそうだなあと感じました(校内にスタバがあるのは本当にびっくり。スーパーもあるよ)。この他、東大や阪大、京大に京都工芸繊維大学も見て回っています。

筑波の写真撮ったはずなんだけどちょうどスマホ変えて消えてた
代わりに京都工芸繊維大学の写真

勉強面では徹底研究も一通り終わり、「編入数学過去問特訓」を購入してひたすら進めていました。また、この頃に「AtCoder」を始めて毎週参加していました。楽しいうえにアルゴリズムの知識が身につくので、筑波受験者は全員やった方が良いと思います。

4年生(秋)

筑波大学を第1志望としてさらに勉強を進めていきます。ただ、この時期はレポートが多かった上にスプラトゥーン3という時間泥棒まで発売されてしまったため、勉強時間が激減します。そこで、ゲーム等がしにくい授業中に内職という形で参考書を進めることで、なんとか勉強時間を確保していました。普通に先生に失礼なのでおすすめはしません。

また、併願校選びも進めていました。筑波と受験科目がそこそこ被っている京都工芸繊維大学を一応併願校にしましたが、普通に倍率が高い(11倍の年とかもある)ので、心配性チキンバードの私は併願校の併願校まで探していました。

4年生(冬)

迎えた春休み。実は京都工芸繊維大学の推薦選抜もいいなぁと思い始めていました。京都工芸繊維大学の推薦選抜は面接のみで比較的早期に終わり、倍率も毎年1倍前後とかなり好条件だったので、完全にこれを受けるつもりで春休みを過ごしました。

そのため、春休みはあんまり死に物狂いで勉強はしていません。ただ漠然と落ちたら怖いなーとは思っていたので、腕が鈍らない程度には勉強していました。
一応、推薦落ちたら筑波も受けるつもりだった(甘い考え)ので、筑波編入に合格した先輩から色々アドバイスを受け、「大学編入のための数学問題集」や「C言語によるはじめてのアルゴリズム入門」「螺旋本」をやり始めました。

5年生(春)

「上位〇%」の計算方法を完全に間違えていたために、京都工繊の推薦条件を満たしていないことが判明しました。普通にショックでしたが、「推薦入試」という逃げ道を断つことができたので、これはこれで追い込めるから良いとプラスに考えました。

この出来事のおかげで、完全に受験モードに入りました。ただ、自室での勉強は飽きるし誘惑が多いので、しょっちゅう勉強場所を変えていました。学校の自習室、街の図書館、スタバなど。気分転換にもなるし、自転車での移動は良い運動になるのでおすすめです。熱中症には注意。

5年生(夏)

夏と言えば編入試験です。私は5校も出願したせいで4週連続試験でしたが、毎週旅行だと自分に言い聞かせてメンタルを安定させていました(毎週旅行するだけのお金を出してくれた両親に感謝。これからバイト頑張ります)。

筑波大学受験前後

前日

筑波大学までは、秋葉原からつくばエクスプレス(通称TX)に乗って終点まで。TXはJRでないので、山手線とかから来た場合、1回改札を出る必要があります。

ホテルはダイワロイネットホテルつくばにチェックイン。駅からも試験会場の春日キャンパスからも近いので、情報学群受験者にとって一番マストな選択肢だと思います。ホテル内には高専生っぽい人が大量にいたので、この人達も明日受けるんだろうなぁって思いながら部屋に入りました。

チェックインした後は適当にキャンパスを下見したり、駅近くの商業施設で夕飯を食べたりしました。その後なんとなく物足りなくて大学内の散歩を始めましたが、ちょっと大学の広さを舐めてて、普通にヘトヘトになりながら帰ってきました。

散策時に撮った中央の池
情報科学類のメインエリアがこの近くにあるらしい(春日キャンパスの方だと思ってた)

夜はヨビノリさんの「今週の積分」を何問かやって横になりました。

当日(試験開始前)

寝不足です。3時間しか眠れませんでした。
もうしょうがないので、ホテルの自販機でカフェイン含有量の多そうな緑茶を買って、試験前にがぶ飲みすることで乗り切ろうとしました。眠気覚ましとして効果があったかはよく分かりません。

決戦の地 春日キャンパス
ちなみに集合時間を1時間ほど間違えてて、外でかなり待つことになった

試験開始15分前くらいから問題用紙・解答用紙が配られ始めます。開始まであと3分って時に名前や志望学群を書くよう指示されて普通に焦りましたが、問題配りの方が結構グダっていて、配ってる最中に普通に試験開始時刻の10時になってしまいました。そのため(多分)この部屋だけ試験開始・終了時刻が2分後ろにズレました。

当日(試験中)

やや脳が起きていない状態で試験開始。問題構成自体は例年通りで、見た感じ危惧していた数列関連の問題(ε-N論法とか使う問題)がなくてちょっと安心しました。
問題の詳細はそのうちホームページに掲載されると思うので書きません。
予想得点率は以下のようになります。

  • 数学1 7割

  • 数学2 10割

  • 情報1 8割

  • 情報2 6割

全体でみると7.5割程度です。

情報は競プロerからすると典型的な問題ばかりだったので、解き終わった直後は情報10割の自信しかありませんでしたが、問題をよくよく見たら色々間違えてたので鬱になりました(情報2の標準出力の内容答える問題間違えてたので救いようがない)。
全体的にここ数年の難化から一転、易化していたと思います。

帰りは秋葉原でも散策しようかなと思いましたが、スーツケースが邪魔だし、予想以上に疲れていたのですぐに帰りました。
あとこの日のAtCoder Beginner Contestにも参加しました。テストも疲れたし飲酒もしてたので、unratedで軽くC問くらいまでやろうかなと思ってたら、C問で六重ループ全探索を実装させる問題が出てきて、誇張抜きで死にそうでした。

8問制ABCで初の水diffC問らしいです。笑うしかありませんね。

結果発表まで

人生で最も長い2週間でした。自分が合格ボーダー(筑波は240点くらいだと考えられているが、試験の難易度により変動する)より上なのかがずっと気になっていましたが、これ以上自己採点をするとメンタルが崩壊すると思って、あまり深く考えないように過ごしました(ひたすらティアキンをやってた)。

筑波の発表前日に京都工繊の結果発表があって普通に落ちていたので、合格発表の15分前とかはもう完全に弱気になっていて、既に合格している豊橋技科大の周辺情報を色々調べていました。

発表の時。情報科学類の方に自分の番号があるのが本当に信じられなくて、仕事中の親に電話をかけて1桁ずつ確認してもらいました(自分はケアレスミスとかが多いので)。その翌日に筑波大学から速達で関係書類が届いたので、番号の見間違いとかの線はなくなりました。良かったです。

最後に

多分大きな勝因はTOEICをものすごく早く取得していたからだと思います。点数の足しになるのはもちろん、その後の時間を数学と情報に全betすることができました。4年生の春休み辺りで取ってた人は皆苦しそうだったので、気持ちの余裕という側面から見ても早めにやっておいたほうがいいです。

こういうのも含めて、筑波のみならず編入をかける人はとにかく今から勉強を始めて欲しいです。
世の編入体験談は皆「編入試験は楽!」とか「成績最下位でも楽勝!」とか素敵な文言で溢れかえっていますが、結局それ相応に勉強して力を付けないと普通に全落ちするんだなぁって色々経て感じました。こういうのは生存者バイアスって言うらしいですね。皆さんも頑張ってください。

余談

筑波の編入試験が終わった後に駅の方へ歩いていたら、1人話しかけてきた方がいました。その方は九州からはるばる筑波へやってきていて筑波以外全く受けていないらしく、落ちたら浪人というとても意思の強い方でした。
「入学式に私の顔がなかったら、落ちたんだなぁって思ってください」
と言い残して別れましたが、普通に顔を忘れました。もしこの記事を見ていらしたらTwitter(X)に連絡をください。

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