見出し画像

『やわらかい砂のうえ』を読んで

寺地はるなさんの
『やわらかい砂のうえ』を読んだ。

これまで読んできて、今の自分に
とても刺さった一冊だった。

人生のバイブルにしたいと思うほどに
刺さりまくった考え方や価値観だった。


「あー自分って、こんなことを
誰かに言ってほしかったんだなあ」
って思う言葉で溢れていた。


登場する人物みんな、
完璧でも
正解ばかりを選んで生きている人でもない。

失敗も経験しているし、
後ろ指さされるような経験もしてる。

だけど発せられる言葉や選び取ってる生き方が
優しいしかっこいい。

でも、優しいだけじゃないのがまたいい。


自分は昔から
「生きるの上手になりたい」
「正解を選べる賢さがほしい」
って思って生きてきた。
こう思うっていうことは、そのどちらも
私は持ち合わせてはいないということだ。

そんな自分がダメな奴だなあって思ったし、
それができるように見える周りの人間を
尊敬するとともにうらやんできた。


でもこの本を読んだら、
「正解をきちんと選べることだけが正解ではない」
と、思えるようになった。

というか、
正解を選んでいるように見えている人は、
自分で正解にしようと
努力しているんじゃないかと思った。
それはたぶん、周りから見えないところで。

もしくは、「あ、違った」
って気づいた瞬間に、引き返して違う道を
選びなおしている。たぶん。

だから結果、正解を選び続けている人に見える。


何歳になっても不完全を感じるけど、
大人になるというのは
自分で自分のことを自由に決められる
ってことなのかと思う。

好きに決めて、望むように生きて、
違ったら選びなおして、
自分らしい生き方をしたいと思った。



あとこれは自分にとって今まで難しかったから
たぶんぐさりと刺さったんだけど、

「他人と自分の境界線を引く」
ということの大切さもこの本を読んで感じた。

何か行動を起こした自分、
とそれを見た他人の思考、

それは別物だから、
「相手の思考まではコントロールできへん」


どう見えてるかーとか、
どう思われてるかーとか、
そんなことばっかり考えて
できなかったこととかやらなかったこととか
たぶんこれまでの人生たくさんあったけど、
それってもったいなかったんだなって思った。

だって他人は他人だし。


自分の思いは自分の中で大事にしたらいい。
他人がどう思うかとか、
他人からどうみられるかとか、
そんなのは関係なしで。

思うことは自由やから。

でも言葉にするときはちゃんと
優しさや思いやりや想像力をもって。




『やわらかい砂のうえ』を読んで、
不完全な自分に改めて気づいて、
だけどそれを受け入れたいと思えるようになった。

そしてその不完全に、
素敵な愛すべき登場人物たちが
ちょっとしたアドバイスや
生きやすいヒントをくれる。
私のまま、生きていこうって思える。


何かあるたびに読み返したいなって思える
大好きな一冊でした。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?