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メイドインアビス67話のナナチについて

※Twitterに長い考察を描くのは難しいし、あまり深いネタバレは避けたいのでnoteに描くことにしました。最新話のネタバレがあるのでご注意ください。

はじめに

 最新話でナナチが大変なことになって、メイアビ界隈は大騒ぎになっている。メイアビファンは全員ナナチが好きなので(今勝手に決めた)、最後のページのナナチの状況に、まさかつくし卿、ナナチを殺したのでは…と半ばパニック状態なのである。では、本当にナナチは死んでしまったのか。状況の考察と自分が思うことをちょっとまとめてみました。

なぜナナチだけが攻撃に反応できたのか

 攻撃を受ける前のニシャゴラは「分からねえから止まれ」と言い、レグは「君の匂いがしない」と言った。スラージョはそれを「感覚の逆位相」と呼んだ。この逆位相というのは、簡単にいうとノイズキャンセリング・ヘッドホンと同じものだ。それが視覚・聴覚・嗅覚・触覚・味覚の五感全てに適用されているぞ!と警戒しているわけだ。
 それに対しナナチは「力場までそれができる奴がいるのか…?」と疑問を持っている。この時点でナナチは、自分だけの特殊能力である力場の観測に集中したはずだ。
 続く1つ目の見開きのページは意図的にコントラストが落とされている。次のページのとのコントラストを上げるためだけかもしれないが、ひょっとすると五感が逆位相によって無効化あるいは鈍化していることを表しているのかもしれない。そして2つ目の見開き、ナナチとシェルメナと攻撃する何かだけにピントが合い、その何かは膜を突き破るかのような描写で下方に向かっている。おそらくこの「敵」は力場の逆位相すら適用できたため、ナナチに攻撃の予測はさせなかったが、実際に攻撃に移る際には力場を大きく乱す、あるいはあの霧織りのような力場を突き破る形でしか攻撃できなかったのだろう。そのため、力場を見ることができるナナチだけが反応できたのである。

現在のナナチの状況は?

 ナナチのひとり語りは走馬灯ではない。衝撃が派生してから「やっちまった」「レグ気をつけろ」と状況を見ながら考えているように見える。そして最後の一言。「ちくしょうあの帽子気に入ってーーー」というセリフは明らかに壊れた帽子を見ながらの物である。つまり、最終ページで地面がえぐられてナナチの姿が見えないのは、ナナチが潰されたからではない。帽子から離れたところに連れ去られたからなのだ。なので、少なくとも最後のページの状況下において、ナナチは生きているし、意識がある。
 上記を踏まえて2ページ戻ってみよう。飛び込んでシェルメナを突き飛ばすシーンまではナナチの視点(正確にはナナチが見ているものを第三者視点で描いたもの)である。しかし、その下段、叩きつけるシーンは爪のような効果線が描いてあるだけで、前のページのような触手上の物体は描かれていない。ここからのコマはナナチ以外のメンバの視点(あるいはそれを第三者視点で描いたもの)なのだ。
※六休さんとの会話で、これは言い過ぎで、みんなに攻撃は見えなかったけど、あくまでナナチ視点のほうがセリフと場面の整合性が合いそうだな、と思い直しました。
 つまり、力場が見えないみんなには攻撃がまだ見えていない。だから、何か衝撃があって、地面が爆ぜたように見えているだけなのだ。レグ以外の人間がポカンとしているかのような表情で描かれているのは、恐らく何が起きたかあまりわかっていないのではないか。
 ではレグには何が見えているのか。レグは慌てて手を伸ばす。火葬砲でもグーパンでもなく、最初から手を大きく広げて何かを掴もうとしているように見える。つまり敵を倒そうとしているのではなく、この期に及んでも敵が見えておらず、連れ去られるナナチだけが見ているので、それを追いかけようとしているのではないか。そんな風に思った。

何故シェルメナが狙われたのか

 細かい理由は分からないが、アビスにとって双子はイレギュラーなので、二人を確保して持ち帰ろうとしたのだろう。地面をえぐるほどの攻撃で、ナナチが即座に意識を失っていないという事は、シェルメナを生かして連れ去る意味があったという事だろう。
 だとすれば、ナナチも現時点では死なない。そう手加減されている筈だからだ。寧ろ危機はここからである。目的であったシェルメナではないとはいえ、事前に説明された通り、ここにいる連中は多かれ少なかれ、イレギュラーなのである。そしてナナチはその典型ですらある。早く助けないと何に利用されるか分かったものではない。
 もし「敵がまだ見えていない」という予測が本当だったとしたら、どうやって追いかければよいのか、それが気がかりである。

メタ視点からの補足

 このシーンでナナチの死体は描かれなかった。作劇上、死体が描かれないのは生きているからである。これはどんな映画でもそうで、死体を描かずに死んでいるというのは勿体ないのだ。小池一夫先生らに学び、意外と基本を大事にするつくし先生がそんな勿体ないことをするはずがない。ないはず。ないと言ってくれ。ナナチが居ないほうが物語がハードモードになるから、一時的に離席しただけって言ってください!先生!!

最後に

 最後まで読んだ人は気づいたと思いますが、ナナチが無事だと信じたい余りに理論武装している感じです。あことま前にとんでもない爆弾を投下していきましたね、先生…。体に気を付けつつすぐにでも続きを書いてください。んなぁ。

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