北欧の地で、教育・福祉・難民問題に触れる。フィンランドより現地レポート④★

こんにちは!NICE関西事務局よりしまです◎
現在、北欧・フィンランドで開催されている神戸大学の学生たちとのグループワークキャンプの様子をお届けします!


【グループワークキャンプ in フィンランド🇫🇮④】

※この記事の写真は許可を得て使用しています。

ワークキャンプも折り返しに差し掛かってきた今日は、主にソマリアからの難民の方が受講している複数のクラスにて、学生たちがプレゼンを行いました。

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プレゼン内容は、難民を取り巻く世界の現状から始まり国連やUNHCR(国連難民高等弁務官事務所)の見解が共有された後、フィンランド・日本両国の難民支援の取り組みが紹介されました。
日本での支援の事例として、「在日難民との共生ネットワークREFIQ」によって運営されている大阪・『大阪なんみんハウス』や、NICE主催の『難民ワークキャンプ』について紹介を行いました。

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学生たちからのプレゼンの後は、授業の受講生や先生を交えてのディスカッションタイム。

なかでも大きな話題となったのが、日本とフィンランドでの難民の受入れ人数や国籍、受入にかかる時間そして受入後の支援体制でした。

フィンランドでは’15年~’17年で8,000人近くの人が難民としての受入れが行われるなど、千人単位での難民の認定・受入れを行い、難民申請の国籍もソマリア、イラク、パキスタン、ミャンマーなど多岐にわたります。
一方日本では、難民として受入れはミャンマーなど一部の国のみに限られ受入れ人数も年間で数十人です。また、難民申請のための手続きも煩雑かつ認定にも長い時間を要します。

また、受入後の支援も日本では滞在拠点があっても、入居期間が限定され自立した生活に向けての支援が十分とは言えません。
対してフィンランドでは、就職を見据えた上でのフィンランド語の習得が義務付けられた上で生活のための資金や住居などが支給され、教育機関に通う権利が与えられています。

難民として今回のグループワークキャンプの舞台となっている、IKKOに通う生徒たちは日々フィンランド語の学習を行いながら、就職し自立した生活を目指して生活しています。

授業の終盤ではソマリアからの生徒たちに夢を尋ねる時間があり、
「メカニックになりたい」
「ビルの建築をして人の役に立ちたい」
「エンジニアを目指している」
と、様々な夢を生き生きと語っていた様子が印象的でした。

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「例えば、『自分はシチリア島民、イタリア国民、ヨーロッパ人、ユーラシア大陸の人間、世界の中の1人』と自分の存在の幅を広げていく。そうすると、世界の全ての人と繋がっていると思える。」

授業の合間でIKKOの先生と、イタリア人のボランティアスタッフが話していた何気ない会話です。
ここIKKOでは難民の他、知的障がいや様々な背景を持った人が多く学んでいます。そんな環境で、見た目や背景や考え方の差異があることを当たり前と捉え、お互いがお互いを尊重し合える空間が生まれています。


「難民をたくさん受け入れれば良い」という単純な話ではありませんが、
様々な背景を持つ人々と共生していくためには何が大切か、深く考える1日となりました。

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