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ようやく日本最北端へ!!(東北、北海道スクーターひとり旅⑩)

やっとの思いで駐輪場まで辿り着いたら、隣のバイクのライダーさんが放心状態みたいに突っ立ってるので声を掛けてみた

「大丈夫でしたか?」

「テントごと吹っ飛ばされそうになったんですよ」

「やっぱりね。凄い嵐でしたね」

「だけど雨雲レーダーでは、この辺は降ってない事になってる」

「ええっ?!じゃたまたまですかね?」

「北海道一周するつもりだけど、他は良いみたいですよ」

「じゃ同じだ、またどこかでお会いするかも知れませんね。お気を付けて」

ここまで詳しく書いたのは、翌日偶然にもこの人に会ったから。

内側までぐっしょりのテントを乾かしたいのと、生温かいビニール袋を、どうするか?が問題

取り敢えず羅臼へ下りてみたら、確かに殆んど降ってない。
コインランドリーでテント乾かしてるうちに、良い時にゴミ収集車が通りかかる。

「これも良いですか?」

係員さんが頷いた時には、もぅ袋を放り込むばかりになってた。
これで完全犯罪成立。
でも良かったのかなぁ?

良かったのは只一点。
ゴミ袋を放り込む係員さんが、二人共若くも可愛らしい女性で、生温かいビニール袋に触れさせる事もなく自分で放り込んだ事。

職業差別するつもりはないけど、静岡ではゴミ収集と言えばおじさん達の仕事。
どう見ても20代と思しき可愛らしい女性がね。
田舎すぎて就職先が少ないのかなぁ?
そう言えばホテルの受付嬢とか、ネットカフェのカウンター係さんも夜勤とかフツーにしてるし。

自分も甘えてないで、夜勤とか含めての職探ししなきゃ。

乾いたテントを店内で畳んで、行くぞ知床峠、待ってろ知床峠。

絶叫マシンのキャンプ場を過ぎた辺りから、天気が怪しくなる。

雨足が強くなり、横風に煽られる。
センターライン側を走れば、煽られたら対向車とコッツンコ。
左端で煽られたら、崖下にゴロリンコ。
仕方なくセンターラインから1/3作戦に。
後ろから追いつかれたら、ウインカーを出してさっさと道を譲る。
時速20キロ以下の超慎重走行。
こんなのいつまで続くんだろ?
時間が経つのが恐ろしく長い。
まだかな?いつまで続くんだろ?
ってドンドン弱気になる。

やっと「知床峠」って石碑が見えた途端に ビューーーーー!!

と、恐ろしい向かい風。
一瞬スクーターが進まなくなってしまった。
バイク歴50年、数々の台風は乗り越えて来たけど、ここまでの強風は初体験
凄まじい向かい風は続く、、、
どうしよ?前に進まないから、戻るしかないかな?
とUターンを決心するけど、怖くて車体を傾けられない。
ハンドル切ったか、傾けたか覚えてないけど中途半端に向きを変えただけ。
よろよろフラフラとガードレールにコツン。
後ろにバッグ積んでるし雨合羽もズレてるから、足上げて降りるもままならず、前から降りるにも、フックにぶら下げたバッグが邪魔をする。
三輪車に乗り始めた2歳児みたいに、前に後ろに少しずつ向きを変えてなんとかUターン。
戻り始めてみたものの、やっぱりさっきの横風が手強い。
もぅ、レスキューか誰か助けてくれないかな、、、、誰か助けて!!
みたいな圧倒的な弱気と絶望感。

どうしよ?
行くも嵐、戻るも嵐なら、先に進むしかない!!
て決心して、牛歩走行ながら峠を超える事に。

それにしても凄まじい横風、向かい風。
下り坂なのに20キロ以下でしか走れないし、走り続ければいつまでも止まない雨はない。
今でこそこんな事書いてるけど、誰かに助けてもらいたい一心で、泣きそうでした。
20分ばかしで少しは明るくなり風も弱まったけど、
「騙されないぞ、また始まるんだろ」って疑心暗鬼の世界。
しかし進むに連れて天気は回復して、ウトロに辿り着いた時には
「あぁやっと生きて生還出来た」
って思いでした。
沈没事故起こして話題になった、知床遊覧船の事なんか忘れて、野次馬しないで通り過ぎてしまいました。


かつて森繁久彌さんが、
♪知ぇ床ぉのみぃさきに〜〜
とか懐かしんで歌ってたから、普段はもっとのどかな処なんだろうけど、前半戦最大の絶叫マシン2連発になりました。(@_@;)

ウトロは高波


もぅホントに逃げるような思いでオホーツク側を走り抜けたけど、気分を反映したのか太平洋側よりも随分景色が殺伐としてた様に見えました。

少しは正気を取り戻したのか、
割りと大きな滝を通り掛かり、見学客も多いので、釣られて見学をする事にしました。

「オシンコシンの滝」

冷えたのと、緊張感と、看板の「オシンコシンの滝」ての見て、おしっこしたくなりました。
しばらく走って道東のシンボル、網走刑務所跡博物館を見学


「入墨客お断り」には出来ない浴場

見学料1000円とかですが、それなりの見所満載です。

空から見下ろすと星型の刑務所棟
真ん中から全ての方向が監視出来る
囚人の寝姿

「夏は暑くて、冬は死にそうに寒い。
懲りさせる為に網走に重罪犯の刑務所を作った」と聞いてましたが、観光客向けのご飯は美味しすぎます。

なんの罪なのでしょう

お昼に備えてお腹を空かせておいたので、囚人食の「A定食さんま」を頂きました。
900円だけど、サンマも味噌汁も美味すぎ。 
辛うじてごはんだけは、炊いてからジャーで保温して丸3日目位の臭さにしてあります。
勿論観光客が食べられない程くさくないですけどね。

向こう岸が見えない

波と広さで海にしか見えなかった「サロマ湖」を過ぎた辺りから、いよいよオホーツクの寒さが身に沁みる。
着られそうな物は全部着たけどまだ寒い。
6枚重ね着した上に雨合羽とブーツカバーで、ようやっと寒さをしのげました。

宗谷岬へ到着時は真っ暗

さて日本最北端へ来たけど、どこに泊まろうかな?
キャンプは昨夜の嵐で懲りてしまったし、コンビニで聞いたらネットカフェも無いそうで。
仕方なくこの旅1番の出費して、稚内の三ツ星ホテルに泊まる事にしました。
走行距離439㌔。

熟睡して翌朝、せっかくだから宗谷岬へ戻ってみる。

愛知からのライダーに写メお願いして
テント飛ばされそうになった人と再会

ここで知床のキャンプ場で話したライダーさんと偶然再会してビックリ。

一泊500円のライダーハウスに泊まったそうで、

「仕切りもあったし、結構良い所でしたよ」

その手があったか。
せっかくの北海道なんだから、ライダーハウスに一泊するのも良いし、この人俺よりメンタル強いよなぁ。
自分は若いと言われるけれど、それだけ貫禄ないし、情緒不安定気味で失言するしメンタル鍛えなきゃね。

納沙布ではなくここはノシャップ

北海道は半濁音が多い気がするなぁ。
「さっぽろ、のさっぷ、ノシャップ、アポイ、ウポポイ、シムカップ」
平安時代の言葉を残す、アイヌ文化の名残りなのかな。

左奥の利尻富士と右手前が礼文島

天気も良いし景色も良いし、利尻富士の佇まいがセイコーマートののり弁を更に美味しくする。

景色見ながらだとまた格別

この旅で、これだけゆったりした昼メシは初めて。
実は利尻島と礼文島の区別がつかず、「富士山みたいなのが利尻島だよ」と、お掃除おばちゃんに教わりました。

それでは浜街道南下します。
この日本海側は、ずっとずっと一直線が続く。
ヘルメットにヤケに虫が当たる。
信号もまばらで、途中の町も商店がない。
歩いてる人も見掛けないので、何か無機質なものを感じました。

トリプル増毛?

やっと街らしい有機質を感じて、ホッとした気分に。
「ましけ」が「ぞうもう」に読めてしまって、わざわざスクーター停めて写メ撮りました。

走りに走って明るいうちに、後半戦ハイライトの小樽に到着。
ひとつ星ホテルを確保して、小樽運河まで散策開始。

運河遊覧船は完売御礼

残念、本日分の運河クルーズ乗船券は夜の分まで完売してる。

変わった建物のグルメ小路

北海道だからって、カニやイクラ食べる程の「お上りさん」じゃないし、只の失業中旅行なだけ。

観光客向け高嶺の花価格??

なに食べようかなぁ、、、
て、飛び込んだのがラーメン屋さん。

「うんが」のおすすめセット

最初は塩ラーメンで注文したんだけど、店主が隣の客に
「うちの自家製味噌だから」と説明してたので、北海道らしく味噌ラーメンに変更してもらう。
さすがに美味しくて、スープ飲み干しました。
マグロの角煮が乗った、こザッパリした店主オススメのセットは
★★★★☆でしたね。

人力車と古い町並み

小樽気に入りました。
函館より良いかな、、、

海上仕事でガラスが発展

やっぱし、明治大正の古い町並みは雰囲気あって良いですね。
遊覧船に乗れなかった分、運河は散歩で3回楽しみました。

一見倉庫に見えても、裏口に回ると
実は「びっくりドンキー」
ライトアップが運河に映える

「北海道3大夜景」
の展望台はスクーターで登りました。
あとふたつは札幌と函館だって。
3面クリアじゃん\(^o^)/

小樽市街の夜景

夜もブラブラ翌朝ブラブラ。
小樽は古い町並みがロマンチックで良いよなぁ。
小樽も静岡に連れて帰りたくなりました。\(^o^)/

本日の走行距離382㌔。

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