見出し画像

入社後最初に経験したこと_理想を捨てる

今の会社に入社後、一番最初に経験したのは挫折だった。そこで自分は理想を捨てた。
本稿では、入社時の自社の営業の仕組みについて述べ、次のkintoneの導入の前段とする。

理想を胸に営業職として入社

前職でも営業であったことから、今の会社に入社した際は社長と相談して営業部所属となった。そこで自分は、以下の計画(理想)を掲げた。
1.業務を最大限効率化し、できるだけ多くの顧客を訪問する。
2.グロービスで学んだマーケティングを用いて、過去の実績を分析し営業
  のノウハウをつかみ、ターゲットを絞る。
3.営業全体に共有することで、全社的に営業成績を向上させる。
4.実績を得ることで、全社の改革にスムーズに取り組む。

しかし、2か月の研修でいろいろな部署を回り、さぁ、と意気込んで営業を始めて1週間で気づく、「あ、これ実績作るの難しいな」、と。

営業業務の引継ぎ_多くの中小企業はこんな感じ?

実際にどういう状況かというと、与えられた武器が非常に弱かった。
①前任者(退職済み)が残した見込み顧客リスト(顧客名、担当者名、30字
 程度の現状報告の記載があるだけ)
②前任者のフォルダにパラパラと格納されている見積書と提出書類
③実績表(なぜかwordで表を作成されているため、集計できない)
④スペックしか書かれていないカタログ(どういう製品かはフォルダのいろ
 いろを漁らないとわからない)

見込み顧客リストを読むだけでは「前回」の営業内容が分かるだけで、どういうふうな流れで営業するのかとかどんなペースで訪問していたのかなどの実績が分からない。営業日報をメールで上長に提出しているのだが、退職者のメールアカウントは削除されて漁ることもできなかった。
それ以上を調べようと思うとあまり整理されていない共有フォルダを漁らなければならず、顧客を1件訪問する準備に1時間かかった。

この中でできるだけ効率的にしようと営業の流れを整理して営業活動を数値化しようと試みた。しかし先輩方に営業の流れを聞いても「大まかな流れはあるが案件により違う」という回答で「自分で見つけろ」と言わんばかりの対応だった(決して意地悪されているのではなく、標準化がされていない)。受注までの道のりが数値化できないため、受注するまでPDCAを回すこともできない。

そして、扱っている製品は受注までのスパンが比較的長い製品である。顧客が役所のように年間予算を立てて購入計画を立てるため、予算が通らなければ受注できない。受注するまでに数年を要することも多く、その受注までの期間は営業担当の力量で短くなるものでもなかった。こういった製品で安定的に受注を得ることは現状では難しかった。

ここで私は、理想を捨てた。
入社して2か月。研修を受けて営業を開始して1週間が経過したところだった。

これまでのまとめと営業2週目の私

こういった顧客管理・営業活動の管理が不足しており、新入社員に対する引継ぎが非効率になっている中小企業はけっこう多いのではないかと思う。その後、同業界の中小企業の経営者に何名かヒアリングしたが、営業活動を管理出来ていない、そのようなシステムがない企業の方が多かった。(体感では5社中3社ほど)

まとめると、
【理想】入社当初は「業務効率化」と「過去実績の分析で営業のノウハウをつかむ」「営業に共有することでチーム力を向上する」ことで、営業実績を勝ち取り、改革の土台を作ろうと思ったが、
【現実】「顧客情報、実績が集積されていない」「営業活動が蓄積されていない」「営業の力量による受注の影響が大きくない(他の要因の方が大きい)」ことから、理想は捨てざるを得なかった。

ではどうするか、ここで悩む。自分はこのままひたすら頑張るか、ちょっとづつ変えていくか…。

おそらく、少し前の自分ならひたすら頑張る、を選択していたと思う。けど、この時の自分は違った。理由は2つ。
1つは、自分の立場。たとえ営業を頑張らなくてもクビになることはない。それであれば自分のしたいことをすべきではないかと思った。
もう一つは、グロービスに通ったことで、現状の無いない尽くしの体制は決して良くない、という自分の考えに自信を持てたこと。(これはグロービスに通って得た大きなものの一つ)

そこで、私は2週目にして新規訪問を辞め、問合せにのみ対応することとし、空いた時間で現状を打破する術を探し始めた。

次稿では、実際に営業管理システムを選択、導入するまでの道程を記す予定です。

最後までお読み頂きありがとうございます。自分のしたことが正しいかどうかはまだ分からないが、同じことで悩んでいる方は多いと思う。自分と同じ立場の方は少ないと思うが、同じ悩みを抱えている人間が選択した結果を見て、自分の行動の参考にしてもらえれば幸いです。

わぁわぁ言うとります。お時間です。さようなら。

大阪市在住の89年生まれ 父親経営の中小メーカーに在職。 グロービス経営大学大学院卒業 事業承継や、組織の変革、文系から見た社内システムの構築について掲載予定 好きなもの:サッカー(ガンバ大阪ファン)、漫画(オールジャンル)