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びすこさんと金管バンド留学について語る

今回はコルネット奏者のびすこさんと金管バンド留学について語ります!

びすこさんは日本でIBE(Immortal Brass Eternally)、オーストラリアでは全国大会一位にもなったシドニーのCentral Coast Brass,
そして現在はイギリスのLayland Band で活躍されています。びすこさんのブログツイッターではオーストラリアや英国の金管バンドについて詳しく書いてありますのでこちらも要チェックです!!

NB: びすこさん、今回は対談にご協力いただきありがとうございました!

びすこ:よろしくお願いします!

NB: 早速オーストラリアでの話ですが、日本出国前に現地のバンドに入る準備はされましたか?

びすこ:「オーストラリアでもバンドするぞー!」という意気込みだけで、何も準備はしていませんでした。
一つ言うなら、出発3日前の日本での所属バンドIBEの本番に出演する位、ギリギリまでは日本で練習していました。

演奏会(Gig)は教会で吹くことが多かったので、観客との距離が近いのが特徴的

NB: 出発前まで本番!大忙しだったんですね。出国前に英語の勉強はしていきましたか?あと、何かおすすめの教材などありますか?

びすこ:勉強は特に…。簡単な英会話がなんとか出来るレベルで渡豪しました。

持っていこうと思い、渡豪直前に買った教材が2つあるんですが、上記の通りギリギリまでバンド練習に励んでいてパッキングに時間をかけなかったため結局実家に置き忘れ…帰国後に結局売りました。笑

現地で語学学校に3ヶ月通ってその間にシドニーにある紀伊國屋で日本で買う価格の倍程する文法の参考書を買いましたが、それも数える程しか開かず…

教材ももちろん大事だと思うんですけど、やっぱ現場で人と話すことが最短で英語ができるようになるルートじゃないかなと思います。英語を英語で勉強する感覚。

NB: 文法の参考書とかって退屈な内容が多いし、飽きますよね。私は最初語学留学で渡豪したんですが、やはりホームステイの家族が毎日聞いてくることや語学学校などで初めてあった人が必ず聞いてくること(出身、渡豪してからどのくらい経つのか、いつまで滞在するのか、等)の返答パターンを丸暗記して、毎回同じこと言ってましたね。笑

NB: 他に日本から持っていって良かったものはありましたか?

びすこ:現地でブラスバンドやりたい人向けにおすすめなのは、マーチング用の譜面クリップ。イースター期の全国大会の他にも、アンザックデイやローカルイベントなどで、マーチングをすることが意外とあります。

真夏のクリスマスにマーチング

NB: そうですね。私のいるクイーンズランドだと、アンザックデー、レーバーデイ、ナショナルズ、州大会でマーチングします。その他クリスマスの時期になると結構頻繁にクリスマスキャロルがあり、そこでもLyre(マーチング用の譜面クリップ)活躍しました。

使っている楽器によってはLyreを入れる部分がなくて、アジャスターを別に用意しないといけないので、絶対確認しておいたほうがいいと思いますね。

びすこ:あとは国際免許証。オーストラリアは日本と同じ向きで車が走るので、日本で運転される方は是非国際免許証を。公共交通機関もしっかり発達してますが、あると便利です。

NB: そうですね!オーストラリアは交通ルールも日本とほぼ同じですが、ラウンドアバウト(リング状になっている信号機のない交差点)については知っておいたほうがいいですね。

NB:  (バンドのメンバーの)オーストラリア人の英語ネイティブ達とどうやって仲良くなりましたか?

びすこ:とりあえず頑張ってなんらか話すことを心がけました。
お酒が好きならおすすめを聞くとか、日本文化に興味がある人なら話題広げるとか。
移民大国なこともあり、基本オージーみんな優しいです、特にバンドやってる人は。

あとはスラングやちょっと悪い言葉使うと、ネイティブ達はこの英語が出来ないアジア顔から発せられる言葉だとは予想してないので、ウケたりちょっと盛り上がったりします。ただ実践はご自身の責任で…笑

NB: わかります!私も仲良くなってくれた現地のバンド仲間にすごいローカルなオーストラリア人のジョークを、オールトラリア訛りたっぷりな発音で教えられて、それを他の人にいったら盛り上がってました笑。

あと、私のいるクイーンズランド州は日本語が人気で、半分以上の小、中学生が第二言語として日本語を必修で勉強しているので、あっちから簡単な自己紹介を日本語でしてくれて、初対面でも打ち解けましたね。

NB: オーストラリアで知っていると便利な英語のフレーズがあったら教えてください。

びすこ:フレーズではなく単語ですが、オージーならではのスラングで頻出かつ実用性がある「arvo」、「午後」と言う意味のオージースラングです。
バンドのリハ連絡をメールで受けた時にこの単語があり、何これ?となりました。

NB: わかります。初めて聞いた時私はアボカドと勘違いしてました!笑。

びすこ:あと頻出ではないですが「bogan」は身なりも態度もだらしない人、という意味のスラング。使う状況はわきまえて使いましょう。笑

NB: イギリスと同じくオーストラリアもSarcasm (皮肉、冗談)文化があって、「彼はボーガンだよ!」とか冗談で友達をいじったりしてましたね。笑

私の好きなボーガンのローカルヒーローのリンクもここに載せておきます。笑。この訛りたっぷりの英語は都心部ではほぼ聞くことないのでご安心を!笑。

NB: オーストラリアでカルチャーショックはありましたか?

びすこ:渡豪していたのがもう5年前なので情報が古いですが…

バスで停留所の案内アナウンス・表示がないため、常にGoogle mapでいつ降りるかを確認していなくてはいけない(今はもうそんなこともないんでしょうか)

NB: これ、最初私もパニックになりました!降りる直前の周りの景色で判断するか、降りるバス停の番号を覚えておいて一個前に止まった時に降りるボタン押すかですね。。たまに携帯触っててぼーっとしてたりバスで居眠りして押し忘れて終点まで行ってしまったこともあります笑。

びすこ:楽器屋さんのクオリティの低さ
シドニー内の楽器屋さん3店巡りましたが、日本にあるような楽器屋さんのラインナップの充実度具合とは程遠い品揃えの悪さでした。みんなどこで楽器や備品買ってるの?とシンプルに疑問です。

シドニー中心地のとある楽器屋さん。すべての管楽器在庫がこれだけ。笑

NB: ブリスベンだと、Brass Music Specialistsっていう金管楽器専門のお店があって、そこは品揃え良いし楽器の調整や修理もしてくれますよ!普通の市内にある楽器店だと金管楽器の商品は皆無ですね。。ギターとピアノがメインです。

びすこ:G(〇キブリ)の多さ
基本暑い国なので家の外にも中にもGがやたら多かったです…

NB: Gはそこら中にいますね~汗。あと、オーストラリアって古い家が多いからか、芝生が多いからか、外からじゃんじゃん入ってくるんですよ。。ホームステイの家族は私がGで毎回叫ぶ姿を見て笑ってました笑。あっちの人だとGって多分アリと同じような扱いなのかもしれません。

NB:(シェアハウスやホームステイなど滞在歴あれば)どうやって見つけましたか? 

びすこ:ずっとシェアハウス生活でした。
エージェントをしている知り合いに紹介してもらったところに初めの1ヶ月住み、あとはGumtreehttp://Jams.tv(在豪日本人向けポータル)で探しました。

NB: 私もGumtreeでシェアハウス探したことあります!あとは語学学校で知り合った友達のシェアハウスに入れてもらったり。

多国籍なシェアハウスに住むのが不安だったときは、日豪プレスで 日本人とオージーカップルの人がシェアメイト募集の記事を見つけてそこに住んだりしましたね。

NB: 渡豪前に参考にしていたSNSアカウント等あったら教えてください。

びすこ:特に無いですが、Twitterで同じようにワーホリしてる人を片っ端からフォローして情報収集してました。

NB:今はTwitterやブログ等で情報がたくさん手に入りますよね!他に滞在中の話などありましたらお願いします!

びすこ:現在イギリスでレイランドバンドにて活動をしているのですが、レイランドに入るきっかけになったのは、AU(Australia)での所属バンドに元レイランドメンバーがいて、その方の紹介なんです。いわゆるコネですよね。

現在活動中のレイランドバンドでのコンテストの様子

びすこ:GB(Great Britain)ではバンドに空席が出た時、4barsrestや各hpなどで公募することもありますが、「あ、わたし良いプレーヤー知ってるよ」とコネで空席が埋まることも多くあります。やらしく聞こえるかもしれませんが、実はコネって"超大事"なんです。
(もちろん吹けることが大前提ですし、吹けないプレーヤーは容赦なく切られます。)

AUとGBは同じコモンウェールズの国なこともあり、GB出身→AUに移住、みたいな人をバンド界隈で複数人見ました。(そしてその人達は決まってトッププレーヤー)

日本でもそうかと思いますが、やはりブラスバンド界隈ってそもそもの人数がオーケストラや吹奏楽に比べて少ないので、国境を越えてても友達の友達は友達、感が結構ある気がします。

Central Coast Brassのメンバーと

びすこ:AUでの経験が今のGBでの経験に繋がっているので、今後GBでブラスしたいという人にも、ステップアップの場所として最適だと思います!

NB: オーストラリアがコネ社会なのは間違いないです!バンド以外にも、仕事もコネで決まることすごく多いんですよ。オーストラリアよく聞くことわざで、「It's not what you know. It's who you know(何を知っているかではない。誰を知っているかだ。)」っていう言葉があって、これは仕事などを獲得するにあたって個人のスキルよりもその人のネットワークが重視されている象徴なんですよね。オーストラリアだとアルバイト応募や不動産を借りる際にも”Referee(推薦人)”が必要で、そのRefereeに誰を入れるかによって結果は大きく変わってきます。

勉強や楽器の練習も大事だけど、リハ後やコンサート後にある飲み会でネットワーク広げることも忘れないで!って思いますね。

NB: びすこさん、今回は貴重なお話をありがとうございました!

びすこ:ありがとうございました!




















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