坂の上の家

タタントトン。


カンカンカンカン。


ザワザワザワ。


ニギニギニギ。


ピヨピヨピヨ。


テクテクテク。





ただいま。





僕は割と線路に近い場所で育った。
そのためなのか、線路の近くは落ち着く。
何だか懐かしい気持ちになる。


引っ越しした後にいつも気付く。


窓からは線路が見える。
電車が通る音が聞こえる。


少し歩くと、小さな商店街がある。


ああ。そうか。
やっぱりそうだったんだ。





電車の音。


踏切の音。


駅の構内。


商店街。


横断歩道。


長い坂道。


ただいま。


おかえり。





玄関を開けると、記憶はいつもおでんの匂い。
子供の頃、おでんは苦手だった。


でも、今は一番好きな料理。
おでんと日本酒が最高に合う。


電車の音を聞きながら、静かに杯を重ねる。
子供の頃の記憶が、鍋の湯気のように立ち上る。


僕の記憶は、いつも夕方。
いつも玄関の前に立っている。
そして、扉を開けたその先には、懐かしい光景が広がっている。

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たまに自分の人生を読み返したくなります。きっとほとんど忘れているから。
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ニチニチ

ゆるゆるゆる。 何となく、何気なく、さりげなく。 子供のころに感じた空気感を、大人になった今では感じることが少なくなってしまった。 今でもふと、お日さまのにおいを感じることがある。 そんなとき、子供の自分に触れた気がして、嬉しくなってしまう。
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